新いけばな主義 リレー個展 会期④ 篠田 岳青 | 理系男子による自由に花をいける秘訣(自由花)

理系男子による自由に花をいける秘訣(自由花)

花をどういけたらよいか? 自由花のいけ方、そのポイントをお伝えしています。

・新いけばな主義 リレー個展 会期④ 篠田 岳青

 

斎藤です。

 

新いけばな主義 リレー個展に

昨日行ってきました。

 

会期①6/  3-12 秋山 美晴(草月流)終了

会期②6/17-26 伊藤 庭花(小原流)終了

会期③7/  3-10 大泉 麗仁(草月流)終了

会期④7/17-24 篠田 岳青(草月流)開催中

会期⑤7/29-8/3 工藤 亜美(小原流)

麻布十番ギャラリー 10:00-19:00 無料

(最寄り駅:麻布十番駅)

 

使用した作品の素材の一部を

次の作家さんにリレーする、

ユニークな個展です。

 

会期④は篠田 岳青さんです。

(会期は7/24まで)

 

会場に足を踏み入れると、、、

緋色の糸が、天より

音もなく舞い降りる。

 

赤なのに、

しずかでひんやりとした

非日常の空間です。

 

この赤い糸は水引でできています。

 

一大産地、飯田市の水引で、

長さ18mあるものを

切って使っています。

色はご自分で染めたそうです。

 

白から濃い緋色のあいだの

偶然の色のゆらぎがやさしい。

 

会場の奥へは、この水引を

手でかきわけて進みます。

 

篠田先生おすすめコースは

松葉を踏みしめながら進むこと。

作品は踏んではいけないのが

いけばな展でのお約束。

 

でも

「ここではどうぞ踏んでください」

とのこと。

 

踏みながら歩いてみると、、、

 

都会のアスファルトとは違う

土のようなふんわりとした感触、

 

そして、森の中を歩くような、

マイナスイオンの香り、

 

足もとから癒されていきます。


ただし、ご注意:

ここ(↓)は踏んではいけません。

「踏んだら泣くよ~(笑)」

とおっしゃってました。

 

左が緑、右が茶色、奥がこげ茶色

をしていますが、

 

それぞれ別の種類の

松葉を集められたそうです。

 

また、松葉の緑は

あまり日持ちがしない。

 

この個展に合わせるために

1週間前に作りはじめたそうです。

 

素材集め、作品制作のかけた

手間をとおして

作品に時間の重みがくわわります。

 

作品を見ただけではわからない

苦労話がうかがえるのは、

個展だからこそですね。

 

わたしのお気に入りポイントは

水引ごしに透けてみえる松葉。

見逃しがちな

足もとの空間もやさしい。

 

 

そして一番奥の部屋へと進むと

 

会場のなかでの

唯一いけばならしい作品です。

ここは安らぎの空間だそうです。

 

松葉のとても短い

三光松を使っています。

 

強い芯を持つ松がここから誕生し、

ここから会場へと広がっていく。

 

・・・そんなふうに私は感じました。

 

会場の主役は

水引だと思ったのですが、

 

実は松が隠れた主役なのかも。

 

 

前の作品からのリレーは

ここにありました。

 

和紙から松葉へ。

 

 

それにしても、この作品制作に

どれだけ時間がかかったことか、、、

 

でも、笑いながらおっしゃる

飾らないお言葉からは、

 

いとも簡単にできてしまうように

錯覚してしまいます(笑)

 

作品制作が大好きとおっしゃる

篠田先生です。

 

制作する時間もふくめて

先生にとって

至福の時間なのでしょうね~

 

 

今回訪れたのは3時頃でしたが、

夜の会場は

また雰囲気がちがうそうです。

 

行ってみたいなぁ。

行かれるかなぁ。