・新いけばな主義 リレー個展 会期② 伊藤 庭花
斎藤です。
新いけばな主義 リレー個展に
行ってきました。
会期①6/ 3-12 秋山 美晴(草月流)終了
会期②6/17-26 伊藤 庭花(小原流)今ここ
会期③7/ 3-10 大泉 麗仁(草月流)
会期④7/17-24 篠田 岳青(草月流)
会期⑤7/29-8/3 工藤 亜美(小原流)
麻布十番ギャラリー 10:00-19:00 無料
(最寄り駅:麻布十番駅)
使用した作品の素材の一部を
次の作家さんにリレーする、
ユニークな個展です。
会期②は伊藤 庭花さんです。
会場に足をふみいれた途端、
シダ植物が、
会場いっぱいにひろがります。
(奥に写るのは入口です)
なかに入ってよいのか
迷っていたら、
「どうぞ、どうぞ」という声。
作品にふれないよう
気をつけながら、会場のなかへ。
おもわず上を見上げると
丸く編まれたウラジロと
龍のようなシダの葉のつらなり。
そのオブジェの間を
ツタのようなものが
縦横無尽にかけめぐる。
ツタに近づいて見ると
シダの茎どうしを
結びあわせているんですね。
植物の力強い線と
むれる植物の匂い。
会場には、植物の息づかい、
生命力にあふれています。
天井から吊らされた
丸い頭をもった物体は
地上へとおりていき、
空気に溶けこんでいきます。
ちかづいて見ると
すごい細かい作業です。
葉を透いたうえで編んでいるので、
透明感があります。
作品に光が当たった部分は、
緑のうらじろが透けて
緑色の影ができています。
会場には、制作された
伊藤先生がいらしゃいました。
写景がお好きだとおっしゃった
伊藤先生です。
太古から生きている
シダ類をとおして、
作品に思いを託さたそうです。
そういった意味では、
この作品は、
抽象的でありながら、
リアルな具象をふくんだ
作品なんですね。
作品構成の特徴として、
作品の上の方は
確信にみちた線にあふれる一方で、
作品の下の方は
制作途中のようになっています。
どういう意図で
この構成に託したのだろう?
伊藤先生に
お聞きしたところ、
下の方は、
これから作られていく
未来をあらわすのだそうです。
なるほど。
さらに会場の奥へとすすむと、
まるい球がうかんでいます。
こちらは茶色の影が
できていますね。
あらわすのだそうです。
そのことを伺ったとたん、
会場世界が1つにとけあい、
まるで太古の世界に
わたしの身をおいているような
あたたかく、
うれしい気持ちになりました。
会場にあふれる植物のいのちから、
そして、作者の力強いお声から
わたしもエネルギーを
わけていただきました。
ありがとうございました。
そうそう、
前の作者からリレーされた石版は
ここにあります。
会場の奥までいかないと
見つからないですよ~
石版からシダへとリレーされ、
次の方へは、きっと
シダをリレーなさるのでしょう。