2児拉 致 朝鮮総連幹部の聴取は必要だ(4月26日付・読売社説)
一連の拉致に、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)はどれだけ深くかかわったのか。その追及なしには、事件の構図に迫ることはできない。
北海道出身の渡辺秀子さんの2児が拉致された事件で、警視庁は朝鮮総連の徐萬述議長ら最高幹部3人から参考人として事情聴取するため、書面で出頭を求めた。
拉致事件で警察当局が朝鮮総連トップに出頭要請したのは、初めてである。聴取に応じるかどうか不明だが、拒否するなら、かえって疑惑は深まるだけだ。
2児は1974年、福井県小浜市の海岸から工作船で拉致されたとみられている。その捜査の過程で、事件と朝鮮総連を結ぶ重要事実が浮かんでいた。
実行グループの工作員が所属していた東京・品川区の貿易会社「ユニバース・トレイディング」は、朝鮮総連で実権を握っていた当時の第1副議長が設立した会社だった。指揮役の女は同社の役員をしており、会社そのものが北朝鮮の工作機関の顔も持っていた。
警視庁は、朝鮮総連傘下の在日本朝鮮留学生同盟中央本部の役割にも注目している。工作員となる在日朝鮮人の学生を選別し、供給する機関だった疑いがあるからだ。指揮役の女や、2児の世話役をしていた女は、同本部の活動を通じてユ社に入っていた。
公安当局によると、朝鮮総連は北朝鮮本国の指示、指導を受けて活動する団体である。ユ社や同本部の活動を掌握していたとみるのは自然だろう。しかも、徐議長は、この当時から朝鮮総連の要職に就いていたのだ。
拉致事件で、朝鮮総連の名前が出たのは初めてではない。80年に原敕晁(ただあき)さんが拉致された事件では、総連傘下の在日本朝鮮大阪府商工会の元会長らが関与していた疑いがあるとして、警視庁が同商工会などを捜索している。
原さんや地村保志さん夫妻の拉致に関与した辛光洙容疑者は、日本国内に潜伏中、朝鮮総連関係者と接触を図り、資金提供などを受けていた。
警察庁の幹部が「北朝鮮は以前から秘密工作員を密入国させ、スパイ活動などを行ってきた。朝鮮総連関係者が関与したいくつかの事例がある」と国会で答弁したこともある。
2児の拉致や政府が認定した12件の日本人拉致以外に、在日朝鮮人を親族に持つ若者など「30人ほどを拉致した」というユ社関係者の証言もある。
どれだけ国内で不法活動が行われ、また行われつつあるのか。さらに厳しく捜査を続けていく必要がある。
(2007年4月26日1時40分 読売新聞)
2児拉致 朝鮮総連幹部の聴取は必要だ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
「留学同」から名簿押収=人脈解明へ-首謀女26日にも逮捕状・2児拉致で警視庁
1973年に失跡した北海道出身で埼玉県上福岡市(現ふじみ野市)の主婦渡辺秀子さん=失跡当時(32)=の2人の子供が北朝鮮に拉致された事件で、警視庁公安部が東京都文京区の朝鮮出版会館に入る「在日本朝鮮留学生同盟中央本部」(留学同)に対する家宅捜索で、多数の名簿を押収していたことが25日、分かった。
公安部はこれを基に、工作員人脈の解明を進め、26日にも国外移送目的略取などの疑いで、拉致を主導したリーダーの女(59)の逮捕状を請求する方針だ。
「コロナ」と呼ばれる工作組織があることも判明。公安部は在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)幹部3人に任意聴取の要請書を送付している。
調べによると、貿易会社「ユニバース・トレイディング」は朝鮮総連の元第一副議長が設立した工作組織で、渡辺さんの夫が北朝鮮に渡った後を継いだリーダーの女の人脈で、多くの社員を入社させた。
リーダーと、拉致にかかわった世話役の女(55)はともに留学同出身で、リーダーが工作組織に引き入れた。世話役はリーダーの指示をよく聞いて懇意になり、積極的に活動するようになった。
留学同の学生の多くは朝鮮総連から奨学金を受けており、朝鮮総連からユニバース社入社を勧められた学生もいた。
留学同は工作員の供給源だった疑いがあり、公安部はハングルで書かれた名簿を基に、拉致グループの解明にもつながるとみて調べている。
Yahoo!ニュース - 時事通信 - 「留学同」から名簿押収=人脈解明へ-首謀女26日にも逮捕状・2児拉致で警視庁
2児拉致で嫌気か、拠点の貿易会社で工作員退社相次ぐ
1973年に行方不明になった渡辺秀子さん(当時32歳)の2児が拉致された事件を巡り、工作員組織の拠点になっていた貿易会社では事件直後から、工作活動に携わっていた社員が次々に退社していたことがわかった。
拉致に関与した仲間から、幼い子どもを北朝鮮に連れ去った事実や、「渡辺さんを殺害した」との話を聞かされたことで嫌気がさしたためとみられ、最後まで同社にとどまったのは、拉致を指示した同社役員の女(59)ら数人だけだったという。警視庁公安部はこの役員の女について、26日に国外移送目的拐取容疑で逮捕状を請求、国際手配の手続きを始める。
調べによると、東京都品川区内の「ユニバース・トレイディング」で役員をしていた女は74年6月ごろ、渡辺さんの長女・敬美ちゃん(当時6歳)と長男・剛ちゃん(当時3歳)の「世話役」をしていた女(55)や、自分の元夫(60)、運転役の男(59)の3人と共謀し、2児を工作船で拉致した疑いが持たれている。
Yahoo!ニュース - 読売新聞 - 2児拉致で嫌気か、拠点の貿易会社で工作員退社相次ぐ