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6者協議、時期巡り米と距離 政府、参院選へ影響懸念

 北朝鮮の核問題をめぐる6者協議の進展に向けて19、20両日、日米間の本格的な調整が始まった。来日した米首席代表のヒル国務次官補は日本側に「7月上旬にも再開を」と希望を述べたが、日本側には拉致問題の進展には慎重な見方も根強い。強硬路線をとる安倍政権にとって、6者協議の行方が参院選に微妙に影響するとの懸念も生まれつつある。

 「核問題の進展と同時に、拉致問題の解決が重要だということはお分かりだと思う」(谷内正太郎・外務事務次官)

 「よく分かっています」(ヒル次官補)

 20日、谷内氏はヒル氏に日本の立場を改めて伝えた。ヒル氏は前夜には佐々江賢一郎・アジア大洋州局長と会談し、記者団に「拉致問題に前向きな結果を得られる基礎を作りたい」と語った。

 だが、外務省幹部は冷静にみる。「ヒル氏も日本の世論を理解はするが、テロ支援国家指定解除では、拉致解決を前提にして欲しい日本に縛られたくないとの考えは変わっていない」

 次回6者協議の時期決定には北朝鮮や中国の意向も働くが、仮に7月中に開かれると、参院選の選挙期間と重なる公算が大きい。安倍首相は中山恭子首相補佐官(拉致問題担当)を自民党比例区に擁立し、北朝鮮問題への熱心な取り組みをアピールする構えだ。そのさなかの協議でエネルギー支援策が論議されれば、拉致問題の「進展」を支援参加の前提にする日本が譲歩を迫られる可能性もある。政府内には「拉致も核も成果がなければ参院選にも影響する。でも、次回協議を選挙後にしろとも言えない」(関係者)との声もある。

 安倍政権が妥協の道を選ばない状況の中、谷内次官は18日の記者会見でこう語った。「拉致問題の『進展』を定義づけし、多少なりともエネルギー支援を議論すること自体、生産的ではない」

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総連副議長を聴取 本部売買、資金流れ解明へ

 在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)中央本部の土地・建物をめぐる仮装売買事件で、東京地検特捜部は20日、朝鮮総連ナンバー2の許宗萬(ホジョンマン)責任副議長(76)から任意で事情聴取したもようだ。許氏は中央本部の売買取引を主導し、取引仲介役の不動産会社元社長(73)に約4億8400万円の資金を提供していたことも判明。特捜部は、取引の経緯や総連側からの資金の流れなどについて事情を聴いたとみられる。

 関係者によると、朝鮮総連は、整理回収機構(RCC)から破綻(はたん)した在日朝鮮人系信用組合の不良債権の一部約627億円の返済を求められた訴訟で敗訴することを想定し、中央本部を売却して差し押さえを回避することを画策。許氏らが中心となって売却先の選定に当たっていた。

 許氏は以前から知り合いだった不動産会社元社長を通じ、元公安調査庁長官の緒方重威弁護士(73)に購入を依頼。緒方氏は購入を了承した。売買契約が成立する前に、許氏から元社長に4億8400万円の資金提供が行われていた。

 特捜部は、売買契約の完了前に物件の売り手から仲介者に不自然な資金提供が行われた点に着目、すでに元社長から任意で事情聴取している。特捜部は、資金提供の目的やその内訳などを解明する上で、許氏からの事情聴取は欠かせないと判断したもようだ。

 許氏は朝鮮総連中央本部の序列2位だが「実質的な最高実力者」(公安関係者)。財政担当副議長などを経て、平成5年から責任副議長。かつては在日朝鮮人系信用組合の理事長人事にも影響を行使した。北朝鮮の国会議員に当たる最高人民会議代議員で、度々訪朝して金正日総書記とも面会している。日本の政財界にも太いパイプを持っているとされる。

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中国・胡政権が「反日」報道封じ、党大会控え安定重視

 【北京=杉山祐之】中国の胡錦濤国家主席は19日、北京を訪問した日本の「日中青年世代友好代表団」(顧問=中曽根康弘元首相)に対し、対日関係を発展させる決意を表明し、20日には大々的な報道により、この方針を全国に周知させた。
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 共産党中央宣伝部は日本批判報道を抑える方針も示しており、胡錦濤政権は、秋の第17回党大会を前に、社会の安定を揺るがす大衆動員力を持つ「反日」の動きを慎重に封じ込めようとしている。

 中国中央テレビは20日、30分のニュース番組の冒頭から約10分間、胡氏と代表団の会見、歓迎宴の模様を流し続けた。「中日両国は、二国間、地域、地球規模のどの分野でも、協調、協力を強めていかなくてはならない」などと語った胡氏の発言のほか、宴会の余興まで放映した。同日付の共産党機関紙・人民日報も、1面の約3分の2をこの記事で埋めた。

 今年は、日中国交正常化35周年であると同時に、日中戦争の引き金となった盧溝橋事件、南京事件から70年でもある。中国がどの「記念日」を重視するかで、日中関係の様相は決定的に変わる。その中で、胡氏は自ら「中日友好」を選択した。最高指導者の明確な方針表明は、「それと異なる行動への抑止力」(中国筋)となる。

 消息筋によると、盧溝橋、南京事件に関して、党中央宣伝部は報道機関に「日本のマイナス面を勝手に報道してはならない」と指示した。このため、メディア幹部は、反日感情をあおる可能性がある対日批判の掲載に極めて慎重になったという。「国内で反発を招かない程度」(同筋)の批判報道があるに過ぎない。

 中国が「反日」封じに力を注ぐのは、短期的にも、長期的にも、政権の安定にかかわる問題だからだ。

 共産党関係者は「政権は、万単位の群衆が集まり、一時制御不能になった2005年の反日デモの衝撃を忘れていない」と指摘。「安定を守って、党大会、08年北京五輪を乗り切りたいからこそ、反日デモ再発を警戒し、予防措置をとっている」と語った。

 予防措置の一つには、対日抗議活動の中核となる組織や人物と、不特定多数の民衆の分離もある。北京の日本大使館前では最近、歴史問題と台湾問題に絡んで2回の抗議活動があった。いずれも、警官が完全封鎖した空間で、関係者だけの小規模活動を許した。
(2007年6月20日22時25分 読売新聞)

中国・胡政権が「反日」報道封じ、党大会控え安定重視 : 国際 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)