中国・胡政権が「反日」報道封じ、党大会控え安定重視
【北京=杉山祐之】中国の胡錦濤国家主席は19日、北京を訪問した日本の「日中青年世代友好代表団」(顧問=中曽根康弘元首相)に対し、対日関係を発展させる決意を表明し、20日には大々的な報道により、この方針を全国に周知させた。
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共産党中央宣伝部は日本批判報道を抑える方針も示しており、胡錦濤政権は、秋の第17回党大会を前に、社会の安定を揺るがす大衆動員力を持つ「反日」の動きを慎重に封じ込めようとしている。
中国中央テレビは20日、30分のニュース番組の冒頭から約10分間、胡氏と代表団の会見、歓迎宴の模様を流し続けた。「中日両国は、二国間、地域、地球規模のどの分野でも、協調、協力を強めていかなくてはならない」などと語った胡氏の発言のほか、宴会の余興まで放映した。同日付の共産党機関紙・人民日報も、1面の約3分の2をこの記事で埋めた。
今年は、日中国交正常化35周年であると同時に、日中戦争の引き金となった盧溝橋事件、南京事件から70年でもある。中国がどの「記念日」を重視するかで、日中関係の様相は決定的に変わる。その中で、胡氏は自ら「中日友好」を選択した。最高指導者の明確な方針表明は、「それと異なる行動への抑止力」(中国筋)となる。
消息筋によると、盧溝橋、南京事件に関して、党中央宣伝部は報道機関に「日本のマイナス面を勝手に報道してはならない」と指示した。このため、メディア幹部は、反日感情をあおる可能性がある対日批判の掲載に極めて慎重になったという。「国内で反発を招かない程度」(同筋)の批判報道があるに過ぎない。
中国が「反日」封じに力を注ぐのは、短期的にも、長期的にも、政権の安定にかかわる問題だからだ。
共産党関係者は「政権は、万単位の群衆が集まり、一時制御不能になった2005年の反日デモの衝撃を忘れていない」と指摘。「安定を守って、党大会、08年北京五輪を乗り切りたいからこそ、反日デモ再発を警戒し、予防措置をとっている」と語った。
予防措置の一つには、対日抗議活動の中核となる組織や人物と、不特定多数の民衆の分離もある。北京の日本大使館前では最近、歴史問題と台湾問題に絡んで2回の抗議活動があった。いずれも、警官が完全封鎖した空間で、関係者だけの小規模活動を許した。
(2007年6月20日22時25分 読売新聞)
中国・胡政権が「反日」報道封じ、党大会控え安定重視 : 国際 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)