総連課税判決 「公益性」が明快に否定された(7月21日付・読売社説)
「公益性は認められない」という極めて明快な判断だ。
在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)側が東京都に課税処分の取り消しを求めた訴訟で、東京地裁は、都の主張を全面的に認め、総連敗訴の判決を言い渡した。
朝鮮総連中央本部の土地と建物について、都は美濃部都政時代の1972年、国交のある国の大使館など在外公館と同様、「外交機関に準ずる機関」として固定資産税などの免除を決定した。
2003年、この決定を石原知事が見直し、年額約4200万円の税を納めるよう課税通知した。総連側はこれを不服として提訴していた。
朝鮮総連は「政治的思惑による突然の変更は不当で、信義に反する」と主張した。「日本との民間交流の窓口の役割を果たしている」とも言ってきた。
地方税法には「公益上の事由」で税を免除できる規定がある。この点について判決は、中央本部の施設は「内部組織の局、委員会などが使う事務室や役員室が相当部分を占めており、不特定多数の者に利用されていると認められる証拠はない」とし、公益性を否定した。
都は、使用実態を調べ、課税権者として当たり前の対応をしたに過ぎない。そもそも、美濃部都政時代の免除の決定が問題だったとも言える。
総連関係者が様々な不正工作に関与してきた経緯もある。都が「免除決定を都民が納得するかどうかだ」としてきたのは、それもあってのことだろう。
都が課税に踏み切ってから、同様の決定をする自治体が相次いでいる。総務省も都道府県を通じ、安易な減免を続けていないか、再三にわたって見直しを求めている。しかし、それでも朝鮮総連関連施設のある自治体の約3割が全額免除したままだ。
判決は、社会情勢などが変化しているのに、「漫然と減免措置を継続していることは、正当な職務のあり方とは言い難い」とまで述べている。速やかに課税に踏み切るべきだ。
中央本部をめぐっては、整理回収機構が差し押さえの手続きを進めている。破綻(はたん)した在日朝鮮人系の朝銀信用組合から総連に流れ、不良債権化した約627億円を返済しないためだ。
朝鮮総連は「中央本部の施設まで強奪しようとする総連弾圧だ」との抗議声明を出している。北朝鮮は国連事務総長に同様の書簡も送っている。法にのっとった措置への筋違いの抗議だ。
破綻処理では1兆円を超える公的資金が使われた。納税義務はもちろん、返済責任もきちんと果たすべきだ。
(2007年7月21日1時43分 読売新聞)
総連課税判決 「公益性」が明快に否定された : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
6カ国協議、9月再開 年内履行合意できず

【北京=新貝憲弘】北朝鮮の核問題をめぐる六カ国協議の首席代表会合は二十日、「朝鮮半島非核化」など五作業部会すべてを八月末までに開催し、全体会議を九月初めに再開することを盛り込んだプレスコミュニケを発表して閉幕した。六カ国外相会合については、全体会議後の早期に北京で開くとしている。
当初日程より一日延長した会合はこの日、午前十一時半(日本時間午後零時半)から一時間十五分にわたり行われた。終了後、議長の武大偉中国外務次官が「初期段階措置の履行と次の段階の措置、外相会合について真剣に討議した」と述べ、コミュニケを読み上げた。
核施設の「無能力化」など「次の段階」措置の履行について、各国は期限を設けることに同意したものの、年内履行という設定には一部が難色を示した。このためコミュニケは、北朝鮮が核施設の無能力化とすべての核計画の申告を「真剣に履行する」とあらためて表明したとするにとどまった。
会合終了後、韓国首席代表の千英宇(チョン・ヨンウ)外交通商省朝鮮半島平和交渉本部長は「次の段階は初めて歩く道。整地作業したことに意味がある」と評価。米首席代表のヒル国務次官補は「まだ年内履行の設定は可能だ」と希望を示した。
今回の会合では四カ月ぶりに日朝協議が行われ、「日朝国交正常化」の作業部会を八月末までに開催することとなった。日本首席代表で外務省の佐々江賢一郎アジア大洋州局長は「北朝鮮の考え方がより明確に示され、次のステップに向かう新たな出発点だ」と語った。
中日新聞:6カ国協議、9月再開 年内履行合意できず:北朝鮮問題(CHUNICHI Web)
6カ国協議 米「次の段階」で焦り ヒル次官補、年内履行に固執
【北京=立尾良二】北朝鮮の核問題をめぐる六カ国協議の米首席代表ヒル国務次官補は、北京で開かれた首席代表会合で、「次の段階の措置」に履行期限を設定しようとして、失敗した。会合についての甘い見通しを記者団に繰り返した姿に、朝鮮半島の非核化を加速させ、外交成果を挙げたい米政府の焦りが再び浮き彫りとなった。
ヒル次官補は二十日午前、記者団に対し、「自分の意見だが、『次の段階』の年内履行は可能だと思う」と繰り返したが、根拠は明らかにしなかった。
同次官補は十七日に北京入り後、北朝鮮首席代表の金桂冠(キム・ゲグァン)外務次官と計四回、約五時間二十分にわたり協議。「次の段階」年内履行での合意を目指した。凍結資金問題で「初期段階の措置」の履行が約三カ月も遅れたため「これ以上遅れたくない」と強調していた。
しかし、「次の段階」でも核施設の無能力化を進める手順や、核計画の完全申告に北朝鮮が否定する高濃縮ウラン開発計画を含むのかなど難問が山積。ヒル次官補は、少しでも前進させるため「目標日程の設定」にこだわり、「六カ国は履行完了の目標日程で一致している」「基本的に同じ船に乗っている」「議長声明に盛り込まれるだろう」などと発言した。
十九日朝には「今日が会合最後の日。明日はやらない」と語った後、会期の一日延長が決まった。米国務省高官は「多くのステップがあり、日程設定は非常に難しい。作業部会で技術的な問題を詰めなければ、履行期限だけ設定しても意味がない。前向きな議長声明を楽しみにしている」と開き直りとも思える発言を行っていた。
中日新聞:6カ国協議 米「次の段階」で焦り ヒル次官補、年内履行に固執:北朝鮮問題(CHUNICHI Web)