南北首脳会談:「注視したい」塩崎官房長官、期待感を表明
塩崎恭久官房長官は8日午前の記者会見で、韓国の盧武鉉大統領と北朝鮮の金正日総書記が南北首脳会談開催で合意したことについて「首脳会談が朝鮮半島の非核化、さらには北東アジアの永続的な平和と安定のために関係国の努力を後押しするものになれば、と期待している。我が国としても、この会談、動きを注視していきたい」と期待を表明した。
同首脳会談の日朝関係への影響については「(拉致問題などの)日朝の問題は既に6カ国協議で取り上げられ、作業部会も設けられている。こういった動きをバックアップするような動きになることが大事」と指摘。
そのうえで「韓国と幅広い意見交換をする中で、拉致問題についてしかるべく働きかけたい」と述べ、南北会談で拉致問題の進展に努力するよう韓国側に要請する考えを示した。【西田進一郎】
毎日新聞 2007年8月8日 13時25分
南北首脳会談:「注視したい」塩崎官房長官、期待感を表明-行政:MSN毎日インタラクティブ
南北首脳会談:28日から平壌で開催 7年ぶり
【ソウル堀山明子】韓国と北朝鮮は8日、韓国の盧武鉉(ノムヒョン)大統領が今月28~30日に平壌を訪問し、北朝鮮の金正日(キムジョンイル)総書記と南北首脳会談を行うと同時発表した。00年6月に金大中(キムデジュン)大統領(当時)が金総書記と平壌で会談して以来7年ぶり。韓国政府は北朝鮮の核問題解決と南北関係の進展を同時に推進する立場で、北朝鮮核問題が6カ国協議2月合意に基づき「初期段階措置」を終え、核施設無能力化に向けた「第2段階」に入る8月末が南北首脳会談の好機と判断した。
韓国政府の発表によると、韓国政府が7月初め、高官レベルの接触を北朝鮮側に提案した。金万福(キムマンボク)国家情報院長が大統領特使として8月2~3と4~5日の2回訪朝。北朝鮮の金養建(キムヤンゴン)統一戦線部長と非公式に協議し、5日に南北合意書を交わした。
1回目の協議で金部長は「(03年2月の盧)政権発足直後から会う決心をしていたが雰囲気が醸成されず、最近になって南北の周辺情勢が好転した」との認識を示し、金総書記の提案として首脳会談の「8月下旬の平壌開催」を伝えた。盧大統領は時期や場所を問わないとして北朝鮮に繰り返し首脳会談開催を提起してきた経緯があり、北朝鮮の日程案を受け入れた。
韓国側は8日、白鍾天(ペクジョンチョン)青瓦台(大統領官邸)統一外交安保政策室長、金国情院長、李在禎(イジェジョン)統一相が記者会見した。白室長は「(6カ国協議の)2月の合意が実行段階に入る時期の南北首脳会談は、北朝鮮の核問題と南北関係を同時に進展させる意味がある」と意義を強調した。
00年6月に両首脳が署名した南北共同宣言では、次回会談は金総書記が「適切な時期に」ソウルを訪問すると明記されたが、第2回会談も平壌で開催される。その理由について金院長は「北朝鮮側は盧大統領をもてなすのに最も適切な場所として(平壌を)提案した」と述べた。
合意によると、首脳会談に向けた準備協議を「早い時期に(北朝鮮の)開城(ケソン)で行う」としており、首脳会談の議題も準備協議などで調整されるとみられる。
盧政権下では05年6月、鄭東泳(チョンドンヨン)統一相(当時)が平壌で金総書記と面会。第三国での開催も含め推進する方針を確認したが、その後の6カ国協議の停滞などで実現しなかった。昨年7月の北朝鮮のミサイル発射後にも盧政権が改めて南北首脳会談を提案したが、北朝鮮側が受け入れなかった。
【ことば】
◇ 南北共同宣言 00年6月14日、訪朝した金大中・韓国大統領(当時)が金正日・北朝鮮総書記とともに署名した。南北朝鮮は(1)統一問題を民族相互で自主的に解決する(2)経済協力を通じ、双方の経済を均衡的に発展させ、協力と交流を活性化し、互いの信頼を固めていく(3)金正日総書記が「適切な時期」にソウルを訪問する--などを盛り込んだ。
◇南北合意文書全文
【中国総局】南北首脳会談開催に関し8日発表された、南北合意文書(5日付)の全文は以下のとおり。
韓国の盧武鉉大統領と北朝鮮の金正日国防委員長の合意により、8月28~30日、盧大統領が平壌を訪問する。
南北首脳の対面は歴史的な「6・15南北共同宣言」と「我が民族同士」の精神にのっとって南北関係をより高い段階に拡大、発展させ、朝鮮半島の平和と民族共同の繁栄、祖国統一の新たな局面を切り開くうえで重大な意義を持つことになるだろう。
双方は首脳対面に向けた準備を早いうちに開城(ケソン)で持つことにした。(朝鮮中央通信による)
毎日新聞 2007年8月8日 9時40分 (最終更新時間 8月8日 13時18分)
南北首脳会談:28日から平壌で開催 7年ぶり-今日の話題:MSN毎日インタラクティブ
南北首脳会談:米の政策軟化が後押し 両政権の思惑一致
【ソウル中島哲夫】8日に開催が発表された南北朝鮮の首脳会談は、特に韓国の盧武鉉(ノムヒョン)大統領にとって自らの威信回復と12月の次期大統領選に向けた影響力拡大のための「最強のカード」と言える。金正日(キムジョンイル)総書記も、北朝鮮に同情的な南側政権の継続を助けることには利益が伴う。この首脳会談が逆風を受けずに実現しそうなのは、米国が対北朝鮮政策を劇的に軟化させたためだという点も極めて特徴的だ。
盧政権にとって南北首脳会談は金大中(キムデジュン)前政権から引き継いだ最重要課題の一つだった。00年6月の金大中、金正日両首脳による会談後、本来は金総書記が訪韓して第2回首脳会談を行うべきだったが、「韓国で開催」という条件を外しても北側は応じなかった。
北朝鮮による昨年7月のミサイル発射と同10月の核実験は、盧大統領の最大の危機となった。看板政策である対北包容政策(太陽政策)が北朝鮮のミサイル・核開発を結果的に助けたという批判が高まったからだ。
だがその結果、盧大統領には南北首脳会談がますます重要なカードになった。金前大統領も首脳会談の必要性を訴えた。北朝鮮核問題の解決に寄与して包容政策の力を国際社会に示す▽包容政策の意義を韓国史に刻む▽包容政策を受け継ぐ人物を次期大統領に当選させる--などを期待してのことだ。
昨年秋から今年にかけて、南北首脳会談に関するさまざまな交渉情報が流れた。だが、米ブッシュ政権が北朝鮮に対する強硬姿勢を維持している以上、劇的な首脳会談は難しいだろうという見方が強かった。
しかし、米国は路線変更した。北朝鮮核問題をめぐる6カ国協議は少なくとも外見上は進展している。7、8日には板門店で北朝鮮に対する経済・エネルギー支援に関する作業部会が開催中だ。米政府は南北首脳会談合意を歓迎し、周辺国の大半が前向きの期待を表明する中で会談が行われる可能性が高い。
問題は北朝鮮の真意だ。核廃棄を決断した証拠はない。南北関係でも、韓国を利用しようという以上の意思があるのかどうか。また、北朝鮮に対する強硬姿勢を維持している日本政府を困惑させようという狙いもあるのではないか。疑問は多い。
▽ 宮本悟・日本国際問題研究所研究員(北東アジア安全保障)の話 この時期に首脳会談の開催に合意したのは、お互いに12月の韓国大統領選挙が念頭にあるためだろう。北朝鮮機関紙の共同社説でも韓国の野党、ハンナラ党批判を続けている。北朝鮮にとってハンナラ党が大統領選で勝つことは望ましくない。与党の苦戦、野党の優勢が伝えられる中、大統領選前の南北首脳会談の開催で、「対北包容政策」を進めてきた与党ウリ党の対北朝鮮政策が正しいということを見せたいということだろう。その意味で、南北の政権の思惑が一致したと言える。
毎日新聞 2007年8月8日 11時48分 (最終更新時間 8月8日 14時53分)
南北首脳会談:米の政策軟化が後押し 両政権の思惑一致-今日の話題:MSN毎日インタラクティブ