大統領選控える韓国、米と関係改善望む北朝鮮 利害一致
南北対話をアピールし政権末期の求心力低下を打破したい盧武鉉(ノ・ムヒョン)・韓国大統領と、米朝関係の進展を背に朝鮮半島の平和体制確立の意思をちらつかせ、韓国から新たな「実利」確保を狙う金正日(キム・ジョンイル)総書記。7年ぶりとなる南北首脳会談の開催は、双方の利害が一致して実現する運びとなった。
南北首脳会談の実現は6者協議の進展にも好影響をもたらすとみられるが、北朝鮮は順調な米韓との関係を背景に、対日関係で一層強硬な姿勢をとる可能性が高い。
金大中(キム・デジュン)前大統領の太陽政策を継承した盧大統領は03年の就任以降、「可能であれば時期、場所を問わず受け入れる用意がある」として首脳会談に意欲を表明、水面下で開催を打診し続けてきた。任期切れまで半年余りの盧政権が影響力を発揮できる「最後の機会」と見て切った最大のカードに、北朝鮮側が応じる形で、具体的な日程を提案してきた。
盧政権は「南北関係進展が核問題の解決を側面から支援する」(韓国政府筋)と判断したほか、年末の大統領選で野党ハンナラ党に先行を許す与党系を後押しすることも狙った。
一方の金総書記が韓国との首脳会談を受け入れた最大の要因は米国との関係改善だ。昨年の核実験の強行後、ブッシュ米政権は強硬姿勢を改め、米朝直接対話が繰り返されるようになり、かなりの自信を深めているとみられる。
韓国政府は既に寧辺の原子炉停止に伴う重油5万トンを提供し、食糧支援も再開している。食糧・エネルギー事情が恒常的に悪化している北朝鮮は、今回の首脳会談を新たな支援を引き出す場に活用したい思惑がある。
ただ、政権末期の駆け込み的なイベントとの印象はぬぐえず、南北和解の大きな節目となった初回会談のような効果は期待できない。韓国側からは「会談が北に一方的に政治利用される恐れがある」との指摘も多い。
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28日から南北首脳会談 7年ぶり開催の見通し
韓国大統領府は8日、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が28日から30日まで平壌を訪れ、北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記と会談すると発表した。南北首脳会談は、00年6月に当時の金大中(キム・デジュン)大統領が金総書記と会談して以来、2度目。6者協議の進展で本格化した朝鮮半島の非核化問題のほか、00年の南北共同宣言に基づく交流協力事業の拡大発展などを話し合う見通しだ。
韓国大統領府の白鐘天(ペク・ジョンチョン)・統一外交安保政策室長は8日、「核問題と南北関係を同時に進展させる意味のある機会になる」と説明。「第2次会談を契機に、首脳会談を定例化する基礎をつくる。南北関係が平和、安定的に持続発展することを期待する」と述べた。
韓国の李在禎(イ・ジェジョン)統一相は南北首脳会談推進委員会を発足させ、来週から会談の議題や代表団の構成などに関する協議を始めることを明らかにした。
一方、韓国の金万福(キム・マンボク)国家情報院長は、朝鮮労働党の金養建(キム・ヤンゴン)統一戦線部長との間で首脳会談開催を確認し、「南北関係をより高い段階に拡大、発展させ、朝鮮半島の平和と民族共同の繁栄、祖国統一の新たな局面を切り開く重大な意義を持つ」などとした南北合意書を今月5日に交わしたことを明らかにした。
同院長によれば、韓国が首脳会談に向けた協議を提案したのを受けて北朝鮮側が7月29日、金院長の訪朝を要請。8月2日に訪朝した際、金部長が金総書記の意思として「8月下旬の平壌開催」を打診したという。金院長は3日に韓国に戻って盧大統領の許可を得た後、再び訪朝。最終的に南北合意書に署名した。
北朝鮮の朝鮮中央通信も8日、南北合意書を紹介し、南北首脳会談の開催を伝えた。
03年2月に発足した盧政権は、北朝鮮の改革開放を促すために金大中政権が進めた太陽政策を継承。第2次首脳会談の実現を目指したが、北朝鮮が02年末に国際原子力機関(IAEA)査察官を国外退去処分にするなど、核問題が悪化。北朝鮮は首脳会談に応じる姿勢をみせてこなかった。
しかし、6者協議の進展に伴い、北朝鮮が7月に寧辺(ヨン・ビョン)核施設の稼働を停止。米朝対話も順調に進み、南北対話の機運が高まった。
00年の南北共同宣言は金総書記の訪韓を明記していたが、北朝鮮側は安全が十分確保できないとして難色。韓国側はロシアなど第三国での開催も模索したが、「いつ、どこでも開催できるという立場で一貫してきた」(金院長)として、結局平壌での開催に同意した。
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南北首脳会談:安倍首相「半島の緊張緩和を期待」
安倍晋三首相は8日午後、南北朝鮮が7年ぶりの首脳会談開催に合意したことについて「朝鮮半島の緊張が緩和されることを期待している」と述べた。そのうえで首相は「北朝鮮の核放棄、非核化は6カ国協議で交渉を進めている。当然、韓国もその一員として対応することを期待したい」と語った。拉致問題に関しては「解決の重要性について改めて韓国側に理解を求めたい」と強調した。首相官邸で記者団の質問に答えた。【石川貴教】
毎日新聞 2007年8月8日 14時04分
南北首脳会談:安倍首相「半島の緊張緩和を期待」-行政:MSN毎日インタラクティブ