南北首脳会談:米の政策軟化が後押し 両政権の思惑一致 | trycomp2のブログ

南北首脳会談:米の政策軟化が後押し 両政権の思惑一致

 【ソウル中島哲夫】8日に開催が発表された南北朝鮮の首脳会談は、特に韓国の盧武鉉(ノムヒョン)大統領にとって自らの威信回復と12月の次期大統領選に向けた影響力拡大のための「最強のカード」と言える。金正日(キムジョンイル)総書記も、北朝鮮に同情的な南側政権の継続を助けることには利益が伴う。この首脳会談が逆風を受けずに実現しそうなのは、米国が対北朝鮮政策を劇的に軟化させたためだという点も極めて特徴的だ。

 盧政権にとって南北首脳会談は金大中(キムデジュン)前政権から引き継いだ最重要課題の一つだった。00年6月の金大中、金正日両首脳による会談後、本来は金総書記が訪韓して第2回首脳会談を行うべきだったが、「韓国で開催」という条件を外しても北側は応じなかった。

 北朝鮮による昨年7月のミサイル発射と同10月の核実験は、盧大統領の最大の危機となった。看板政策である対北包容政策(太陽政策)が北朝鮮のミサイル・核開発を結果的に助けたという批判が高まったからだ。

 だがその結果、盧大統領には南北首脳会談がますます重要なカードになった。金前大統領も首脳会談の必要性を訴えた。北朝鮮核問題の解決に寄与して包容政策の力を国際社会に示す▽包容政策の意義を韓国史に刻む▽包容政策を受け継ぐ人物を次期大統領に当選させる--などを期待してのことだ。

 昨年秋から今年にかけて、南北首脳会談に関するさまざまな交渉情報が流れた。だが、米ブッシュ政権が北朝鮮に対する強硬姿勢を維持している以上、劇的な首脳会談は難しいだろうという見方が強かった。

 しかし、米国は路線変更した。北朝鮮核問題をめぐる6カ国協議は少なくとも外見上は進展している。7、8日には板門店で北朝鮮に対する経済・エネルギー支援に関する作業部会が開催中だ。米政府は南北首脳会談合意を歓迎し、周辺国の大半が前向きの期待を表明する中で会談が行われる可能性が高い。

 問題は北朝鮮の真意だ。核廃棄を決断した証拠はない。南北関係でも、韓国を利用しようという以上の意思があるのかどうか。また、北朝鮮に対する強硬姿勢を維持している日本政府を困惑させようという狙いもあるのではないか。疑問は多い。

 ▽ 宮本悟・日本国際問題研究所研究員(北東アジア安全保障)の話 この時期に首脳会談の開催に合意したのは、お互いに12月の韓国大統領選挙が念頭にあるためだろう。北朝鮮機関紙の共同社説でも韓国の野党、ハンナラ党批判を続けている。北朝鮮にとってハンナラ党が大統領選で勝つことは望ましくない。与党の苦戦、野党の優勢が伝えられる中、大統領選前の南北首脳会談の開催で、「対北包容政策」を進めてきた与党ウリ党の対北朝鮮政策が正しいということを見せたいということだろう。その意味で、南北の政権の思惑が一致したと言える。

毎日新聞 2007年8月8日 11時48分 (最終更新時間 8月8日 14時53分)

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