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東アジア共同体構築を提言 経団連、貿易や資源確保で

日本経団連は10日、東南アジア諸国連合(ASEAN)や中国、インド、オーストラリアなどと経済統合する「東アジア共同体」の構築を政府に求める提言をまとめた。域内では「関税撤廃を目指す」として貿易を自由化する一方、知的財産権保護や資源・エネルギーの安定確保を図るとした。11日に発表する。

 共同体は日本のほか韓国、ニュージーランドも含めた「ASEAN+6」が対象。提言は具体化を検討する場として、政府や経済界の代表で構成する「東アジア官民合同会議」設立を提唱。2010年をめどに東アジアの地域統合に向けた準備の本格化を要請した。

 東アジアは欧州連合(EU)などと比べ、経済発展や政治・宗教面で違いが大きく、統合の障害となることが予想される。このため提言は、内政不干渉や紛争の平和的解決といった共通理念や通貨金融分野での協力など活動内容を明記した「東アジア共同体憲章」策定の検討が有益とした。

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対北朝鮮―首相は早く戦略を固めよ

 政府はきのう、北朝鮮に対する独自の制裁措置を半年間延長することを決めた。貨客船「万景峰号」の入港禁止などの措置がこれからも続く。

 この制裁は昨年7月、北朝鮮の弾道ミサイル発射に抗議して始まり、10月の核実験を受けて内容が大幅に強化されたものだ。13日に期限切れが迫っていた。

 制裁の延長について、町村官房長官は「拉致問題に具体的な進展がないことや、核問題を含む諸般の情勢を総合的に勘案した」と語った。

 拉致問題がまったく進んでいないのはその通りだ。しかし、6者協議の合意を経て、北朝鮮は原子炉などの核関連施設の稼働を停止、封印した。さらに年末までに主な3施設を「無能力化」することでも合意した。

 施設の再稼働はない、と保証できるところまでは行っていないものの、こうした動きは前向きのものだ。少なくとも制裁の部分解除などを通じて、日本政府としての評価を発信できたのではないか。

 約束を破れば、再び制裁を強める。事態の進展を見つつ、対応に緩急をつけてこそ相手にこちらの意思を伝え、改善を促すシグナルにもなる。

 首相は自民党総裁選の際、拉致問題を「私の手で解決したい」と述べた。金総書記は先の南北首脳会談で「福田政権の出方を見極めたい」と語ったという。その中での延長はあまりに単純すぎた。

 発足早々の福田政権として、まだ北朝鮮に対する外交戦略を決めかねているのかもしれない。だとすると、早急に対応を練る必要がある。6者協議を軸に、北朝鮮をめぐる外交情勢は大きく動こうとしているからだ。

 鍵を握る米国は、北朝鮮との直接交渉を深めている。進展具合はよく分からないが、年内にもテロ支援国家リストから北朝鮮を外すという観測も出てきた。

 無能力化の進展に応じて、北朝鮮を除く5カ国は重油95万トン相当の経済・エネルギー・人道支援を北朝鮮に送ることになっている。すでに韓国と中国は支援を実施し、続いて米国、ロシアが支援の計画を明確にしている。

 このプロセスに日本としてどうかかわっていくか、早く態度を固めなければならない。拉致問題が進まない限り、支援には加わらないというのが安倍前政権の方針だったが、そんな単純な割り切りでは通用しない段階に至っている。

 拉致問題の進展をもっと具体的に、細かく北朝鮮に迫り、対応を引き出すことだ。核放棄の段階へ進めるためのエネルギー支援をそこに絡めて、米韓などとも連携して少しずつでも地歩を固めていく。日本の独自制裁の解除も当然、取引材料になるだろう。

 かつて凍りついていた「北朝鮮」外交が、米朝を軸に動き出した。この機に立ち遅れることがあってはならない。首相は総合的な北朝鮮政策を早く固め、事態の変化に機敏に対応していくべきだ。

(魚拓)asahi.com:朝日新聞社説

「拉致邦人いない」波紋…「信憑性なし」も解決へ暗雲

 南北首脳会談で、北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記が、韓国の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領に「日本人拉致被害者はもういない」と発言したとされる問題が波紋を広げている。訪朝に同行した韓国の文正仁(ムン・ジョンイン)延世大教授が明らかにしたものが、事実なら拉致問題に対する最後通牒となり、北外交の切り札を失うことにもなる。将軍さまの言葉はどこまで信憑性があるのか。

 北に詳しい重村智計早大教授は「信憑性はない」と言い切る。

 「一介の教授で肩書きもなく首脳会談に同席もしていない人の発言。韓国政府を代表しているわけでもなく、金総書記の発言であるか誰も確認していない。あとで問題になったとき、あいつが言っただけだと南北のどちらも言えるようにしている」と話す。

 その理由として、「早く(日朝の)国交を正常化させようという南北の作戦のひとつ。裏にいろんな政治的な意図があり、日本のマスコミに報道させて拉致被害者はもういないんだと日本国民にあきらめさせ、正常化させようとしているのではないか。額面通り受け取るべきではない」

 家族会の増元照明事務局長も「北は一貫して『拉致問題は解決済み』との姿勢を崩しておらず、今回の発言に特別な驚きはない。この時期の発言については、6カ国協議の中で日本を孤立させようとする戦略性が見える。日本政府は、断固とした強いメッセージを直ちに発信する必要がある」と話している。

 一方、コリア・レポートの辺真一編集長は「これが事実なら、本当に厳しい発言。金総書記のいうことは絶対的で法律よりも重いと受け止められており、金正日自らダメを押したことになる。(解決を公約した)福田政権をもってしても、金正日政権下では拉致問題の解決は絶望的だろう」とみている。さらに、「問題はなぜこんな大事な問題を第三者に依頼したのか。これで打開の道も絶たれた」と政府の姿勢に疑問符をつけた。

「「拉致邦人いない」波紋…「信憑性なし」も解決へ暗雲」事件です‐事件ニュース:イザ!