ヒル次官補の姿勢変わらずも議会に新たな動き
【ワシントン=有元隆志】北朝鮮による拉致被害者家族会と拉致議連、救う会の合同訪米団は15日、北朝鮮との交渉責任者のヒル国務次官補(東アジア・太平洋担当)をはじめ議会、ホワイトハウスを回り、北朝鮮へのテロ支援国家指定を解除しないよう要請した。ヒル次官補は解除に前向きな姿勢を変えなかったものの、下院に続き上院でも拉致被害者の救出なしに指定解除しないよう求める法案が提出されることが明らかになるなど、新たな動きも出てきた。
訪米団が一連の面会の「天王山」と位置づけたのが、ヒル次官補との会談だった。同次官補が米政権内で解除促進の中心人物とみていたためだ。
日本側の説明によると、ヒル次官補は「私のレベルで解除を決定するものではない」と、質問に正面から答えることはなかったが、核施設の無能力化や核計画の申告で「北朝鮮の譲歩を引き出す手段とみている」と述べ、解除に向けた作業は続ける意向を示した。
「ヒル次官補の表情が一瞬変わった」(出席者の1人)のが、下院に続き上院でも拉致被害者の救出なしにテロ支援国家指定解除をしないよう求める法案が提出される動きがあることを知らされたときだった。
訪米団がヒル次官補に先立って面会したブラウンバック上院議員(共和党)は、法案を11月中にも提出する方向で準備を進めていることを明らかにした。同議員は「交渉担当者は成果を上げることを急いでいる」と同次官補を批判した。下院で同様の法案をすでに提出しているロスレイティネン外交委員会筆頭理事(共和党)も面会後、ヒル次官補を呼び、訪米団からの要請を伝えた。
家族会の飯塚繁雄副代表は面会後の記者会見で、「ヒル次官補が態度を変えることはなかったが、われわれの気持ちを理解した議員がいることに灯火を見いだした」と述べ、今回の要請を機に早期解除への慎重論が広まることへの期待を示した。
ヒル次官補の姿勢変わらずも議会に新たな動き(産経新聞) - Yahoo!ニュース
テロ指定解除、慎重対応要請=給油再開への決意伝達-福田首相、米大統領と初会談
【ワシントン16日時事】福田康夫首相とブッシュ大統領は16日午前(日本時間17日未明)、ホワイトハウスで初の日米首脳会談を行った。両首脳は日米同盟の重要性を再確認し、首相はインド洋での給油活動の早期再開に最大限努力する考えを表明。北朝鮮のテロ支援国家指定解除問題では、拉致問題が進展していないことを踏まえ、慎重な対応を要請したとみられる。
日朝関係に関し、政府は核、ミサイル、拉致の問題を対話を通じて解決し、国交正常化を目指すとの方針で臨んでいる。ただ、日本側には、拉致問題でこう着状態が続く中で、米政府がテロ指定解除に踏み切れば、北朝鮮に拉致問題の進展を促す「てこ」が失われるとの懸念がある。会談で首相は、こうした立場を説明し、拉致問題の進展に向けて米側の協力を要請。北朝鮮の非核化に関しても、ウラン濃縮計画を含む完全な申告が必要だとの認識を確認したとみられる。
海上自衛隊によるインド洋での給油活動が中断した問題について、首相は、活動再開のための新テロ対策特別措置法案が13日に衆院を通過したことを説明し、今国会での成立に全力を挙げる方針を伝達。アフガニスタンの民生安定のための支援策や、政情不安が続くパキスタン情勢をめぐっても意見交換。
テロ指定解除、慎重対応要請=給油再開への決意伝達-福田首相、米大統領と初会談(時事通信) - Yahoo!ニュース
北朝鮮指定解除を示唆 米ヒル代表 拉致家族と面会 「譲歩への手段」
【ワシントン15日三浦辰治】訪米中の北朝鮮拉致被害者家族会の飯塚繁雄副代表らは十五日、六カ国協議米首席代表のヒル国務次官補と面会、北朝鮮へのテロ支援国家指定を解除しないよう求めた。ヒル氏は拉致問題の重要性を認める一方、「指定解除は北朝鮮の譲歩を引き出す手段だ。北朝鮮からも最大の譲歩を引き出したい」と述べ、核問題解決のためには解除も辞さない姿勢を示唆した。
家族会側は「北朝鮮による拉致というテロは継続中」との根拠を挙げ、指定を解除すべきでないとの考えを伝えた。これに対し、ヒル氏は「解除を決めるのは大統領」と言葉を濁したという。飯塚さんは「私たち被害者を置き去りにするのか、と訴えたが、中心人物であるヒル氏から前向きな言葉が聞けなかったのは残念」と述べた。
一行はこの日、米議会議員とも面会。このうちブラウンバック上院議員(共和党)は、ブッシュ政権に安易に指定解除しないように、下院で提出済みの法案と同様な法案を準備中であることを明らかにしたという。飯塚さんは「米議会に力強い理解者がいることが分かり、ともしびを見つけた思い」と話した。
また、家族会の増元照明事務局長は、十六日にワシントンで行われる日米首脳会談について、「福田康夫首相はブッシュ大統領に指定解除への日本の懸念を強く訴えるべきだ。それが大きな力になる」と期待感を示した。
国際 北海道新聞