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中心議題の調整難航 日朝協議

拉致問題対話再開道見えず
 日本と北朝鮮が政府間対話の協議内容をめぐって、水面下でせめぎ合いを続けている。日本は拉致事件を中心議題とする考えだが、北朝鮮は植民地支配の過去清算を前面に押し出す構え。双方の思惑がすれ違い、再開への道筋が一向に見えてこない。 (岩田仲弘)

 政府間対話の再開は9月の6カ国協議の際に行われた日朝会談で合意。日本は次回6カ国協議が11月初旬に行われることを前提に、10月中の対話再開を目指し、北京の大使館ルートを通じて北朝鮮と調整を始めた。だが、ファクスによるやりとりを数回繰り返しただけで、最近は北朝鮮からの反応も途絶えている。

 外務省首脳は、調整が難航している理由について「単に日程(が合わない)というわけではない。入り口に入る前に引っかかっている」と、北朝鮮が対話再開に当たって「条件」をつけていることを示唆する。

 北朝鮮はメディアを通じて、拉致事件は解決済みだと指摘。日朝間の懸案は植民地支配の過去清算だと訴えていることから、日本政府との交渉でも同じ主張を繰り返しているとみられる。

 日本は、対話を正常化交渉に向けた地ならしと位置づけてはいるものの、拉致事件の解決が最優先であることには変わりない。協議では、生存者の早期帰国や真相解明などを重ねて求め、昨年北朝鮮が提供した拉致被害者・横田めぐみさんの「遺骨」が、日本の鑑定で別人のものと判明した問題も取り上げる方針だ。

 一方で、6カ国協議の共同声明に「過去の不幸な歴史を清算する」との文言が盛り込まれていることから、対話の議題として避けるつもりはない。ただ、「拉致事件を棚上げし、過去清算の先にある経済協力の協議に入ろうとするなら論外」(外務省筋)としており、こうした疑念がぬぐい去れない限り、対話再開に踏み切れない事情もある。政府内には、「10月中の開催は難しいかもしれない」(外務省幹部)との見方も出始めている。
[CHUNICHI WEB PRESS]日朝問題

「父の還暦には…」18年前の拉致被害者の娘が金総書記宛に手紙

「18年もの歳月、南北間の体制競争の中でスパイの濡れ衣を着せられるほかなかった私の父が、誕生日だけは人間的なもてなしを受けられるよう、涙をのんで切に望みます」

1987年、北朝鮮警備艇に拉致されたトンジン号漁労長の崔宗錫(チェ・ジョンソク)氏(60)の娘である拉北者(北朝鮮拉致被害者)家族協議会の崔祐英(チェ・ウヨン)会長(35)は19日、ある全国紙に出した広告で、父親の還暦(26日)にあたって北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記に送る手紙を公開した。

崔会長は、1999年に父親が政治犯収容所に収監されているという消息を聞き、2000年6月から拉北者家族協議会の会長を引き受け、北朝鮮による韓国人拉致被害者たちの送還運動を繰り広げている。

崔会長の手紙のなかで、「金日成(キム・イルソン)主席のために、おびただしい規模の記念事業をされているほど親孝行であられる金総書記には、私の気持ちがおわかりになると信じます」とし、「すでに日本人拉致被害者たちの痛みを充分に理解して帰国させてあげたように、韓国人拉致被害者を家族のもとに返して欲しい」と訴えた。

崔会長はさらに、「26日は父の還暦だが、北朝鮮でも父の誕生日の祝いの食事を用意してもらえるとありがたい」とし、「真の統一とは大げさなものではなく、私の父のような方々が家族のもとに帰ることから始まる」と語った。

donga.com [Japanese donga]

<北朝鮮ルポ>食糧は闇市 電力浪費者は「労働鍛錬刑」…

 核開発、拉致、美女応援団。特殊なイメージで語られることが多い北朝鮮だが、国家体制の閉鎖性から一般市民の生活の様子は非常に見えにくい。市民の生活水準や電力事情、食糧、思想統制はどうなっているのか。首都・平壌の最近の事情をリポートする。【平壌で西岡省二】
■どうなった?配給
 平壌市中心部に住む主婦(48)は「市内のほとんどの地域では食糧配給は続いているよ」と胸を張った。大人1人当たり日に700グラム。「大部分が質の良い米だ」という。やはり中心部に住む自転車修理工の男性は「配給以上に食べたくなれば『統一市場』で食材を調達する。値段が高いが、品ぞろえは豊富だ」と話した。
 北朝鮮では、90年代半ばから、一部を除いて配給制度がほぼ崩壊し、市民は農民市場などで食糧を調達するようになったとされる。国家介入がなく、価格は需要と供給により決まる。
 配給を受けられる「一部」とは、指導層や軍人、そして平壌市民ら金正日体制維持に不可欠な階層。「給料は安いが、国がすべて面倒をみてくれる」(前述の主婦)と平壌市民が実感できるのは、この優遇階層に分類されているためだ。
 平壌への移動が極端に制限された地方都市では事情が違う。10年ほど前に配給が止まり、地方の住民の多くが飢餓状況に追い込まれ、餓死したり、脱北を図ったりしたことはよく知られている。
 商取引名目で平壌に来たという咸鏡南道出身の男性は、外国人観光客の集まるホテルに毎朝通い詰めている。生活苦を解消するため平壌に来たが思うように仕事が見つからず、結局、闇市場で安く買った土産品を外国人に売ることを思いついたという。
 この男性は「外国人や海外同胞なら、同情してくれ、品物を買ってくれる。外国人とは、話すだけで捕まってしまう危険がある。だけど、こうでもしないと生きていけない」と明かした。市中心部にある「中区市場」に隣接する広場では早朝、農民たちが農産物を持ち込んで安価で売る闇市が開かれる。ここに通い、食べ物などを入手するのだという。
■給与は?
 平壌中心部のホテル従業員は1万5000~2万ウォンの給料をもらっているようだ。コックなど専門職は2万~3万ウォンとやや高い。北朝鮮北東部の経済特区・羅先市では平均3000ウォン。咸鏡南道出身の脱北者によると、同地域では月給1100ウォン程度という。
 平壌は給与面でも優遇されているが、外貨換算すると決して高くはない。非公式の両替業者によると、平壌市内では9月中旬では1ウォン=0.05円程度で売買されていた。このレートでは1万ウォンでも500円にすぎない。地方ではレートが異なり、その利ざやを狙ったマネーゲームに励む市民も少なくないという。
 お金の価値を外国人に聞かれた場合には「教育費から住居費まですべて国から支給されるからカネは必要ない」と答えるように指導されているという。
 外国人が主に宿泊するホテルではほぼ公定レートでユーロ、ドル、円、人民元などを交換できる。外国人はウォンを持つことが許されず、支払いにはユーロを中心とした外貨しか使えない。外国人向け売店では主にユーロで表示されているが、円やドルでの金額を聞けば、従業員は暗算でほぼ正確な答えを出す。
■電力事情
 平壌市内に信号がないことは有名だ。交差点の中央では女性交通警察官が手信号で交通整理をしている。白い制服に身を包み、赤い蛍光棒を右手に持って、右に左に、車の行き先を指示している。バスの運転手に「信号がないと不便ではないか」と尋ねると「信号なんて電気の浪費だ。車が少ない深夜・早朝も動いているじゃないか」と答えた。
 厳しい電力事情は今も続いている。空の玄関口、平壌国際空港のターミナルの建物内は日中、屋内灯はほとんど使用されず、太陽光が頼り。北朝鮮の誇りである社会教育の殿堂「人民大学習堂」でも図書閲覧室の天井の明かりは半分しかつけられていなかった。
 04年4月の刑法改正で「電力使用秩序を乱し、大量の電力を浪費した者は2年以下の労働鍛錬刑に処する」(第165条)と規定され、電力の浪費が罰せられるようになった。市民も節約に慣れた。街には、日本のネオンのような照明はない。唯一、故金日成主席の巨大銅像だけがライトアップされ、平壌市内の夜に映えている。
 それでも平壌は北朝鮮では飛び抜けて豊かな地域だ。地方都市では電力不足は一層深刻化し、火力発電所を稼働させるため、石炭増産が奨励されているといわれる。
■思想強化
 北朝鮮が誇るマスゲーム。平壌では芸術公演「アリラン」が公開中だ。電光掲示板を思わせるような壁面の模様変化が、すべて人の手によって作り上げられている。
 「一つの号令に、10万人が乱れず動けるのは北朝鮮ぐらい。美しさより脅威を感じる」。中国人観光客も目を丸くした。
 ステージのフィナーレでは「金日成将軍の歌」とともに地球の模型が出され、北朝鮮の観衆は目に涙を浮かべ一緒に将軍の歌を斉唱していた。
 9月中旬、小雨の中、中心部の大同江沿いで、市民らが「たいまつ行進」の練習をしていた。右手にたいまつの模型を持って胸元で掲げながら、ピンと伸ばした足を上下に振る。市内の金日成広場は赤を基調にした服を着た市民らで埋め尽くされていた。
 10月10日の朝鮮労働党創建60周年記念日の行事に向けた訓練だった。市内にはあらゆる場所に金日成主席、金正日総書記の下で国は一つという意味の「一心団結」というスローガンが書かれた看板が掲げられていた。
(毎日新聞) - 10月19日18時56分更新
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