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「弁護士」認識の甘さ

手厚い身分保障制度
実刑確定まで失職なく

 西村真悟容疑者の“副業”を舞台に、大阪地検と大阪府警が現職国会議員の逮捕に踏み切った今回の事件。背景として議員の信用力、看板が使われたという点で、共通する事件は過去にもあった。一方、西村容疑者はこれまで、議員を辞職しない考えを示しているが、国会議員の手厚い身分保障については否定的な意見があり、改めて議論を呼びそうだ。

 同地検が国会議員本人の事件を摘発するのは、昭和六十三年の砂利船汚職事件で当時の公明党参院議員を在宅起訴して以来十七年ぶり。議員の逮捕としては、四十二年のタクシー汚職事件で自民党衆院議員を逮捕して以来三十八年ぶりになる。

 今回の事件では、法律事務所元職員とされた鈴木浩治容疑者が、西村容疑者の名前を利用しながら、交通事故の示談交渉などの案件を取っていた背景があぶり出された。

 国会議員の副業に対する事件としては、オレンジ共済事件で懲役十年の実刑判決が確定した友部達夫元参院議員のケースなどがある。この事件では、友部元議員らが議員への信頼を悪用し、高金利をうたった金融商品で計約六億六千五百万円をだまし取った実態が明らかになった。

 西村容疑者の場合、弁護士業務にかかわり自身で積極的に議員の信用力を利用したわけではなく、両事件に違いはあるが、結果的に事件の背景で議員の「看板」が利用されていた点では共通しているといえそうだ。

 一方、捜査当局に逮捕された国会議員が逮捕後も議員辞職しなかったケースは、これまでたびたび問題となってきた。友部元議員の場合は、逮捕から最高裁判決の確定まで四年あまりも議員の職にとどまり続けた。あっせん収賄などの罪により一審で懲役二年の実刑判決を受けた鈴木宗男衆院議員(控訴中)も、逮捕から平成十五年秋の解散まで一年あまり衆院議員であり続けた。

 国会法や公職選挙法の規定では、国会議員は禁固以上の実刑(収賄罪では猶予刑も含む)が確定した場合に職を失うとされている。逆にいえば、刑が確定するまでは議員職にとどまることに法的問題はなく、国会での辞職勧告決議なども拘束力を持たない。出席議員の三分の二以上の議決を必要とする除名は、対象が「議院の秩序を乱した」場合などに限られる。

 西村容疑者の逮捕を受け、所属する民主党は辞職勧告を行う方針で、勧告に従わなければ同党が除名にすることも予想される。しかし、同党比例代表の西村容疑者が仮に無所属となっても議員職が失われることはなく、制度的にも改めて問題視されそうだ。

■現職国会議員の最近の主な逮捕事例

【平成10年】

10月  中島洋次郎衆院議員(自民、防衛庁汚職事件など)

【12年】

9月  山本譲司衆院議員 (民主、秘書給与詐欺事件)

【13年】

1月  小山孝雄参院議員 (自民、KSD事件)

【14年】

6月  鈴木宗男衆院議員 (自民、あっせん収賄事件)

【15年】

3月  坂井隆憲衆院議員 (自民、政治資金規正法違反事件)

12月  近藤浩衆院議員  (自民、公選法違反事件)

新井正則衆院議員 (自民、公選法違反事件)

【17年】

3月  中西一善衆院議員 (自民、強制わいせつ事件)

11月  西村真悟衆院議員 (民主、弁護士法違反事件)
Sankei Web 産経夕刊 「弁護士」認識の甘さ(11/28 15:00)

国会議員「副業の犯罪」 西村議員逮捕

数日前から覚悟
出頭の朝 論客の面影なく

 清貧を旨としたはずの政治家が、弁護士というもう一つの顔にまつわり、司直のメスを受けた。二十八日、大阪地検特捜部と大阪府警に弁護士法違反(非弁護士との提携)容疑で逮捕された民主党衆院議員、西村真悟容疑者(57)。名うての論客は、多くを語らず、硬い表情で府警本部へと入った。国会議員が「副業の犯罪」で身柄を拘束された今回の事件。“致命傷”となったのは、普段の積極的な言動とは裏腹な、弁護士の職責に対するずさんさ、甘さだった。

 大阪府堺市北丸保園の西村容疑者の自宅。午前八時十分、スーツ姿で自宅から出てきた西村容疑者の胸には、議員バッジはなく、日の丸のバッジと、北朝鮮による拉致被害者の生存、救出を祈るブルーリボンが光っていた。

 顔色はすぐれず、目もややはらしていたが、力を込めて「おはようございます」と報道陣にあいさつした。気持ちを問われると、スーツのボタンを留めなおして一息置き、「今日は、今日の予定を淡々とこなしていきたい」と、あえてこれまでと同じコメントを残し、秘書らが用意した黒色のセダン車に乗り込んだ。

 約十四キロ離れた大阪市中央区の府警本部に到着したのは午前九時前。後部座席から降りると、待機していた府警幹部らに軽く会釈し硬い表情のまま正面玄関へと入った。

 当初関与を否定していた西村容疑者が、弁護士法違反(非弁活動)容疑で逮捕された鈴木浩治容疑者(52)に弁護士名義を貸していたことを公式に認めたのは、二十五日だった。同日夜には「責任から逃れようとは思いません」と話し、捜査の手が自らにも及ぶことへの覚悟をにじませた。

 一方、関係者によると、鈴木容疑者が十八日に逮捕されて以降、読書家の西村容疑者がしばらくは本すら手に取らなかったといい、揺れ動く心境をうかがわせた。

 西村容疑者の父、故・西村栄一氏の秘書だった男性は「今でも真悟と呼び捨てにしているが、嫌な顔一つしない。知人の法律相談を頼んだときも、報酬も取らずに応じてくれた。今回の事件はどうなっているのか分からない」と驚きを隠さなかったが、今回の事件のもとは、西村容疑者の弁護士としての認識の甘さにある。西村容疑者と同じ大阪弁護士会所属のある弁護士は「個々の事案についてろくに把握してなかったのなら丸投げという言葉すら当てはまらない」と冷ややかに話す。

 半面、支援者の間には事件を残念がる声も少なくない。堺市の自営業の男性(45)は「世の中に必要とされる人物だと思うが、法律は守らなくてはだめ。ただ、今後も拉致問題などには一生懸命に取り組んでほしい」。

 初当選以来支持してきたという運送業の男性(52)は「これからも信じて支持し続ける」と話した。

≪主な発言 何で解雇しなかったか悔い 名義貸し否定し難い≫

 歯に衣(きぬ)着せぬ物言いで知られる西村真悟容疑者。これまでの主な発言を拾った。

 「(政府は)『近隣諸国の感情を害する』と国家としての主張を避けている。主権国家としての対応をしていない。実効支配を確立するため、尖閣諸島に上陸する外国人には密航者として、逮捕などの実力行使をすべきだ」(平成九年五月、尖閣諸島上陸後の会見で)

 「政治家としてのライフワークは国軍の創設ですわ。日本も核武装したほうがええかもわからんということも国会で検討せなあかんな。核とは『抑止力』なんですよ。強姦(ごうかん)しても罰せられんのやったら、オレらみんな強姦魔になっているやん」(十一年十月発売の週刊誌での対談で)

 「国民のため命を投げ出しても構わない日本人を生み出す。国のため命をささげた人があって祖国が存在することを子供たちに教える。それに尽きる」(十六年二月、教育基本法改正を求める議員連盟総会で)

 「(元職員の非弁活動は)弁護士が非弁活動を容認することはあり得ない。二〇〇〇年暮れに解雇予告をしたが、何ですっぱり切らなかったか悔いが残る」(十七年十一月十八日、記者会見で)

 「(弁護士会に)わたしの事務所から非弁活動が生じたことは痛恨の思いで反省していると話してきた。名義貸しということについては否定し難いことだと思う」(二十五日、自宅前で報道陣に)

≪拉致問題の解決 活動縮小を懸念 被害者家族ら≫

 超党派の国会議員らでつくる拉致議連の中心メンバーでもある西村真悟容疑者が二十八日、逮捕され、拉致被害者の家族らは「拉致問題とは関係ない」としながらも「逮捕は残念」と、当惑を隠せなかった。

 横田めぐみさんの母、早紀江さん(69)は「逮捕の本当の内容がよく分かりませんが、ただただびっくりしています。拉致被害者の救出運動にとって西村さんは大きな存在だったので、とても残念です。今は一つ一つのことに嘆いていても仕方ないので、それ以上はコメントできません」と心配そうに話した。

 田口八重子さんの兄で家族会副代表の飯塚繁雄さん(67)は「逮捕と拉致問題は無関係なのでコメントしようがない。西村さんが今後、救出運動に取り組むのが厳しくなれば、みんなでカバーするしかないだろう」と述べた。

 家族会の増元照明・事務局長は「(西村容疑者の)拉致問題への取り組みや政治的信条は信頼している。対北朝鮮で厳しく追及する人だった。北朝鮮との国交正常化に前のめりになる政府の姿勢の中で、拉致議連の活動が縮小するのではないか」と、拉致問題解決に向けた今後に不安を示した。さらに「平沼赳夫氏が自民党を去ったことも含め、『拉致問題強硬派』といわれる人たちの発言力が低下することになったわけで、国会での追及の勢いがそがれることを心配する」と話した。

≪西村議員をめぐる経過≫

 【昭和60年】  大阪弁護士会登録

 【平成5年7月】衆院初当選

 【9年5月】  尖閣諸島に上陸

 【10年】    鈴木浩治容疑者が法律事務所に

 【11年10月】  核武装発言で防衛政務次官を更迭される

 【12年末ごろ】 鈴木容疑者に解雇を通知(西村議員側の説明)

 【14-16年】  鈴木容疑者が逮捕容疑となった非弁活動を行う

 【17年7月】  大阪府警が鈴木容疑者らを書類送検

 【同年9月】  衆院5選

 【同年11月】  大阪地検特捜部が鈴木容疑者ら4人を逮捕。西村事務所を捜索大阪弁護士会が西村議員の懲戒請求。退会届は不受理
Sankei Web 産経夕刊 国会議員「副業の犯罪」 西村議員逮捕(11/28 15:00)

言動奔放台所苦しく

過激な言動で知られ、弁護士でもある、異色の国会議員の胸には出頭時、議員バッジも弁護士バッジもなかった-。弁護士法違反事件をめぐり、大阪地検特捜部と大阪府警に逮捕された民主党の衆院議員西村真悟容疑者(57)。尖閣諸島への上陸など右翼的な行動と発言が注目される一方、地元では「質素」「金にクリーン」との評判も。拉致問題にも取り組んできた。違法な「名義貸し」に向かった背景に何があったのか、捜査当局の解明が始まった。 

 「実は台所は苦しかったようだ」。西村容疑者は地元支援者の間では「金にクリーンな政治家」として知られていた。政治信条を優先し、利益誘導型の旧来の政治スタイルを取らない。しかし、弁護士の名義貸しで違法な収益を得ていた疑いが浮上、衝撃が広がった。

 地元の大阪府堺市の支援者は「ほかの政治家と違い、地元に何かしようということをしない」と話す。このため、見返りを期待して献金する支援者は少なかったという。

 別の支援者は「陳情の対応には積極的ではなく、政治信条の実現を目指していた。人がいいから脇が甘く、そうしたところに付け込まれたのだろうか」と語る。

 選挙戦でも、北朝鮮の拉致問題や国防などの国家的課題に重点を置く政治姿勢から、信条に共感するボランティアは集まったが、支援者の多くが「(政治資金などの)金回りは悪かった」と語るように、台所事情は苦しかったようだ。

 普段の生活についても、支援者は「『これが本当に国会議員か』と驚くほどに質素だった」と話す。

 同容疑者と親しい堺市議は「いつもよれよれの服で、背広もほとんど着ていなかった。私設秘書や周囲の者を養うため、(名義貸しを)やむなくやったのではないか」と漏らした。

 一方で、別の市議は父親の故・西村栄一民社党委員長と比べ、「性格は、温厚で信頼のあった父親とは正反対」と指摘。その上で「昔から右翼的な発言も目立っていた。民主党内でも扱いに手を焼いていたと聞く」と明かす。

 政治スタイルの一部とみられた一連の言動なども、「党がきっちり意見を言わないから付け上がってしまった」と批判した。

 社民党などに銃弾を送り付け、オウム真理教(アーレフに改称)の道場などが銃撃された「征伐隊」事件では、首謀者が会長だった刀剣愛好家団体の最高顧問を務め、政治献金を受けていたことも判明。非弁活動で逮捕された鈴木浩治容疑者(52)も右翼団体の元メンバーだった。