国会議員「副業の犯罪」 西村議員逮捕 | trycomp2のブログ
数日前から覚悟
出頭の朝 論客の面影なく
清貧を旨としたはずの政治家が、弁護士というもう一つの顔にまつわり、司直のメスを受けた。二十八日、大阪地検特捜部と大阪府警に弁護士法違反(非弁護士との提携)容疑で逮捕された民主党衆院議員、西村真悟容疑者(57)。名うての論客は、多くを語らず、硬い表情で府警本部へと入った。国会議員が「副業の犯罪」で身柄を拘束された今回の事件。“致命傷”となったのは、普段の積極的な言動とは裏腹な、弁護士の職責に対するずさんさ、甘さだった。
大阪府堺市北丸保園の西村容疑者の自宅。午前八時十分、スーツ姿で自宅から出てきた西村容疑者の胸には、議員バッジはなく、日の丸のバッジと、北朝鮮による拉致被害者の生存、救出を祈るブルーリボンが光っていた。
顔色はすぐれず、目もややはらしていたが、力を込めて「おはようございます」と報道陣にあいさつした。気持ちを問われると、スーツのボタンを留めなおして一息置き、「今日は、今日の予定を淡々とこなしていきたい」と、あえてこれまでと同じコメントを残し、秘書らが用意した黒色のセダン車に乗り込んだ。
約十四キロ離れた大阪市中央区の府警本部に到着したのは午前九時前。後部座席から降りると、待機していた府警幹部らに軽く会釈し硬い表情のまま正面玄関へと入った。
当初関与を否定していた西村容疑者が、弁護士法違反(非弁活動)容疑で逮捕された鈴木浩治容疑者(52)に弁護士名義を貸していたことを公式に認めたのは、二十五日だった。同日夜には「責任から逃れようとは思いません」と話し、捜査の手が自らにも及ぶことへの覚悟をにじませた。
一方、関係者によると、鈴木容疑者が十八日に逮捕されて以降、読書家の西村容疑者がしばらくは本すら手に取らなかったといい、揺れ動く心境をうかがわせた。
西村容疑者の父、故・西村栄一氏の秘書だった男性は「今でも真悟と呼び捨てにしているが、嫌な顔一つしない。知人の法律相談を頼んだときも、報酬も取らずに応じてくれた。今回の事件はどうなっているのか分からない」と驚きを隠さなかったが、今回の事件のもとは、西村容疑者の弁護士としての認識の甘さにある。西村容疑者と同じ大阪弁護士会所属のある弁護士は「個々の事案についてろくに把握してなかったのなら丸投げという言葉すら当てはまらない」と冷ややかに話す。
半面、支援者の間には事件を残念がる声も少なくない。堺市の自営業の男性(45)は「世の中に必要とされる人物だと思うが、法律は守らなくてはだめ。ただ、今後も拉致問題などには一生懸命に取り組んでほしい」。
初当選以来支持してきたという運送業の男性(52)は「これからも信じて支持し続ける」と話した。
≪主な発言 何で解雇しなかったか悔い 名義貸し否定し難い≫
歯に衣(きぬ)着せぬ物言いで知られる西村真悟容疑者。これまでの主な発言を拾った。
「(政府は)『近隣諸国の感情を害する』と国家としての主張を避けている。主権国家としての対応をしていない。実効支配を確立するため、尖閣諸島に上陸する外国人には密航者として、逮捕などの実力行使をすべきだ」(平成九年五月、尖閣諸島上陸後の会見で)
「政治家としてのライフワークは国軍の創設ですわ。日本も核武装したほうがええかもわからんということも国会で検討せなあかんな。核とは『抑止力』なんですよ。強姦(ごうかん)しても罰せられんのやったら、オレらみんな強姦魔になっているやん」(十一年十月発売の週刊誌での対談で)
「国民のため命を投げ出しても構わない日本人を生み出す。国のため命をささげた人があって祖国が存在することを子供たちに教える。それに尽きる」(十六年二月、教育基本法改正を求める議員連盟総会で)
「(元職員の非弁活動は)弁護士が非弁活動を容認することはあり得ない。二〇〇〇年暮れに解雇予告をしたが、何ですっぱり切らなかったか悔いが残る」(十七年十一月十八日、記者会見で)
「(弁護士会に)わたしの事務所から非弁活動が生じたことは痛恨の思いで反省していると話してきた。名義貸しということについては否定し難いことだと思う」(二十五日、自宅前で報道陣に)
≪拉致問題の解決 活動縮小を懸念 被害者家族ら≫
超党派の国会議員らでつくる拉致議連の中心メンバーでもある西村真悟容疑者が二十八日、逮捕され、拉致被害者の家族らは「拉致問題とは関係ない」としながらも「逮捕は残念」と、当惑を隠せなかった。
横田めぐみさんの母、早紀江さん(69)は「逮捕の本当の内容がよく分かりませんが、ただただびっくりしています。拉致被害者の救出運動にとって西村さんは大きな存在だったので、とても残念です。今は一つ一つのことに嘆いていても仕方ないので、それ以上はコメントできません」と心配そうに話した。
田口八重子さんの兄で家族会副代表の飯塚繁雄さん(67)は「逮捕と拉致問題は無関係なのでコメントしようがない。西村さんが今後、救出運動に取り組むのが厳しくなれば、みんなでカバーするしかないだろう」と述べた。
家族会の増元照明・事務局長は「(西村容疑者の)拉致問題への取り組みや政治的信条は信頼している。対北朝鮮で厳しく追及する人だった。北朝鮮との国交正常化に前のめりになる政府の姿勢の中で、拉致議連の活動が縮小するのではないか」と、拉致問題解決に向けた今後に不安を示した。さらに「平沼赳夫氏が自民党を去ったことも含め、『拉致問題強硬派』といわれる人たちの発言力が低下することになったわけで、国会での追及の勢いがそがれることを心配する」と話した。
≪西村議員をめぐる経過≫
【昭和60年】 大阪弁護士会登録
【平成5年7月】衆院初当選
【9年5月】 尖閣諸島に上陸
【10年】 鈴木浩治容疑者が法律事務所に
【11年10月】 核武装発言で防衛政務次官を更迭される
【12年末ごろ】 鈴木容疑者に解雇を通知(西村議員側の説明)
【14-16年】 鈴木容疑者が逮捕容疑となった非弁活動を行う
【17年7月】 大阪府警が鈴木容疑者らを書類送検
【同年9月】 衆院5選
【同年11月】 大阪地検特捜部が鈴木容疑者ら4人を逮捕。西村事務所を捜索大阪弁護士会が西村議員の懲戒請求。退会届は不受理
Sankei Web 産経夕刊 国会議員「副業の犯罪」 西村議員逮捕(11/28 15:00)
