trycomp2のブログ -2193ページ目

[工作船]「『北』の覚せい剤事業に使われた」

[工作船]「『北』の覚せい剤事業に使われた」

 工作船は、やはり覚せい剤密輸という北朝鮮の国家犯罪に使われていたのだろう。

 韓国籍の禹時允(ウ・シユン)容疑者と、暴力団極東会系組長ら3人が、北朝鮮から覚せい剤を密輸した疑いで逮捕された。

 鹿児島県の奄美大島沖で2001年12月、海上保安庁の船と銃撃戦となり、自沈した北朝鮮の工作船は、密輸する覚せい剤を運搬中だったとみられていた。

 工作船から押収された携帯電話の通話記録に、工作船と禹容疑者が頻繁に連絡を取り合った形跡が残されていた。工作船の覚せい剤密輸が、極めて濃厚になったと言える。

 今回の直接の逮捕容疑は、02年10月、北朝鮮船籍の貨物船で数百キロの覚せい剤を運び、島根県の安来港から陸揚げした疑いである。

 この貨物船は毎月のように日朝間を往来していた。その際、大量の覚せい剤を密輸したとみられている。

 工作船に加え、貨物船を動員してまでも、北朝鮮が覚せい剤の密輸を続けていたことを示すものだ。

 このような大がかりな犯罪は、製造から密輸まで、国家上層部の指示がなければできない。薬物ビジネスが、外貨獲得のための国家事業として位置づけられているのは間違いあるまい。

 工作船による密輸疑惑が明るみに出た後も密輸船が堂々と日本の周辺海域を航行していたとなれば、正常な航行を装い不法行為を行っている貨物船は、ほかにも多いのではないか。

 沿岸の警戒を強化し、定期的に入港する北朝鮮船舶の違法行為に厳しく目を光らせていかねばならない。

 北朝鮮からの覚せい剤の密輸が目立ち始めたのは90年代後半からだ。成分分析などから、一時は国内に出回る覚せい剤の3割は北朝鮮製と見られていた。暴力団を通じて全国に流れ、日本社会に深刻な薬物汚染をもたらしてきた。暴力団にとっても大きな資金源となってきた。

 北朝鮮の不正について、米国は、覚せい剤の製造とともに、精巧な偽ドル札の製造、日本や米国のたばこの偽造なども行っていると指摘し、重大な国家犯罪だとして厳しく非難している。金融面での経済制裁も発動している。

 北朝鮮が日本や中国の犯罪組織と連携を深めている疑いがある。中国や韓国を迂回(うかい)した密輸ルートもあるという。

 北朝鮮の国家犯罪に対しては、国を挙げて対抗策を講じていく必要がある。だが、日本だけで十分に成果を上げ得ない面もある。米国や中国、韓国などとも連携を強化すべきだ。
(2006年5月13日1時39分 読売新聞)
5月13日付・読売社説(2) : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

【主張】覚醒剤密輸 北の国家犯罪徹底解明を

 北朝鮮ルートによる大がかりな覚醒(かくせい)剤密輸事件が、警視庁の捜査で急速に浮き彫りになってきた。

 平成十三年十二月に奄美大島沖の東シナ海で北の工作船が海上保安庁の巡視船と銃撃戦の末、沈没した。警視庁などが今回摘発した覚醒剤密輸には、この時の工作船が深くかかわっていた疑いが濃いとみられる。

 警視庁は今回の事件の中心人物とみられる韓国籍の男や日本の暴力団組長らを逮捕し、北の密輸ルート解明に乗り出した。

 直接の容疑は、北の貨物船に覚醒剤を積み、“瀬取り”といわれる洋上での取引を繰り返し、覚醒剤を密輸した疑いだ。密輸の量は、これまでの最高クラスの数百キロに及ぶという。

 北の覚醒剤密輸ルートは、この瀬取りによる洋上取引が主体とされている。警察庁によると、覚醒剤の密輸は、韓国、台湾ルートが主だったが、九〇年代から北朝鮮による密輸が増え始めている。

 手口は、北朝鮮の港で覚醒剤を工作船などに船積みし、洋上で別の船に積み替えて、日本の洋上で海に投下、日本の漁船が回収し、暴力団が密売するというやり方だ。

 しかし、今回のように北の工作船が覚醒剤密輸に深く関与していた実態が捜査当局によって突き止められたのは初めてである。それだけに、今後の捜査の進展を注視したい。

 工作船の関与が明らかになったきっかけは、引き揚げられた工作船から、プリペイド式の携帯電話が回収され、通話履歴から、逮捕された韓国籍の男の親族の自宅電話番号や暴力団関係者らの番号が判明したことだ。

 海上保安庁、警視庁などが粘り強い追跡を続けた結果、今回の強制捜査に至った。関係者の逮捕を契機に、捜査当局には北の覚醒剤密輸の全容解明を急いでもらいたい。

 先月には米国議会上院で、北の国家ぐるみの米ドル札の偽造や麻薬密輸、偽造たばこの輸出の実態をブッシュ政権の高官が証言し、注目された。米国は北の不法な外貨獲得に厳しい取り締まりを展開している。

 今こそ、日米の捜査当局は緊密に情報交換しながら、北の国家犯罪を封じ込める時である。
Sankei Web 産経朝刊 主張(05/13 05:00)

200キロ漂着事件も関与か

『北』から覚せい剤、3人逮捕

 北朝鮮から二〇〇二年十月、島根県・安来港に数百キロの覚せい剤を密輸したとして、警視庁組織犯罪対策五課と鳥取県警などの合同捜査本部は十二日、覚せい剤取締法違反(営利目的密輸)容疑で韓国籍の男や暴力団幹部の日本人ら計三人を逮捕。同十一月に鳥取県・境港近くの海岸から約二百キロの覚せい剤が見つかっており、同じグループが密輸をしようとしたが回収に失敗し、結果的に覚せい剤が漂流したとみて追及する。

 調べによると、〇二年十月の密輸にかかわったとされる北朝鮮の貨物船「TURUBONG-1」が〇二年十一月下旬に鳥取県沖の海岸を航行し境港に入港していたことが判明した。

 さらに同月二十八日以降、鳥取県大山町の海岸に約一キロ入りの小袋に分けられた覚せい剤約二百キロ(約百二十億円相当)が漂着。直前にTURUBONG-1が松江市沖を航行していたという。同課は、同船から投入された覚せい剤が潮の流れで、同町に流れ着いた疑いがあるとみている。

 同課などは十二日午前、覚せい剤取締法違反(営利目的密輸)容疑で逮捕した韓国籍の長野県伊那市大字伊那部、無職禹時允(ウー・シユン)(59)と東京都板橋区中丸町、暴力団極東会系組長宮田克彦(58)の両容疑者に続き、午後には同じ容疑で鳥取県米子市皆生五、遊漁船業権田修容疑者(54)を逮捕。ほかに暴力団関係者ら数人の逮捕状を取った。TURUBONG-1など十カ所を家宅捜索、航行日誌などを押収した。

 調べでは、禹容疑者らは〇二年十月、北朝鮮の清津港で覚せい剤数百キロをTURUBONG-1に積み込み、島根県の安来港から密輸入した疑い。宮田容疑者がこのうち少なくとも百キロを売りさばいていたとみられる。

 禹容疑者は、過去複数回にわたり中国経由で北朝鮮に入国し、密輸の手引きをしていたとみられる。北朝鮮籍だったが一九九一年、韓国籍を取得した。

 TURUBONG-1は北朝鮮の貿易会社が所有し、二〇〇〇年ごろから清津港と境港を月一回程度往復してきた。