【主張】覚醒剤密輸 北の国家犯罪徹底解明を | trycomp2のブログ
北朝鮮ルートによる大がかりな覚醒(かくせい)剤密輸事件が、警視庁の捜査で急速に浮き彫りになってきた。
平成十三年十二月に奄美大島沖の東シナ海で北の工作船が海上保安庁の巡視船と銃撃戦の末、沈没した。警視庁などが今回摘発した覚醒剤密輸には、この時の工作船が深くかかわっていた疑いが濃いとみられる。
警視庁は今回の事件の中心人物とみられる韓国籍の男や日本の暴力団組長らを逮捕し、北の密輸ルート解明に乗り出した。
直接の容疑は、北の貨物船に覚醒剤を積み、“瀬取り”といわれる洋上での取引を繰り返し、覚醒剤を密輸した疑いだ。密輸の量は、これまでの最高クラスの数百キロに及ぶという。
北の覚醒剤密輸ルートは、この瀬取りによる洋上取引が主体とされている。警察庁によると、覚醒剤の密輸は、韓国、台湾ルートが主だったが、九〇年代から北朝鮮による密輸が増え始めている。
手口は、北朝鮮の港で覚醒剤を工作船などに船積みし、洋上で別の船に積み替えて、日本の洋上で海に投下、日本の漁船が回収し、暴力団が密売するというやり方だ。
しかし、今回のように北の工作船が覚醒剤密輸に深く関与していた実態が捜査当局によって突き止められたのは初めてである。それだけに、今後の捜査の進展を注視したい。
工作船の関与が明らかになったきっかけは、引き揚げられた工作船から、プリペイド式の携帯電話が回収され、通話履歴から、逮捕された韓国籍の男の親族の自宅電話番号や暴力団関係者らの番号が判明したことだ。
海上保安庁、警視庁などが粘り強い追跡を続けた結果、今回の強制捜査に至った。関係者の逮捕を契機に、捜査当局には北の覚醒剤密輸の全容解明を急いでもらいたい。
先月には米国議会上院で、北の国家ぐるみの米ドル札の偽造や麻薬密輸、偽造たばこの輸出の実態をブッシュ政権の高官が証言し、注目された。米国は北の不法な外貨獲得に厳しい取り締まりを展開している。
今こそ、日米の捜査当局は緊密に情報交換しながら、北の国家犯罪を封じ込める時である。
Sankei Web 産経朝刊 主張(05/13 05:00)
