[工作船]「『北』の覚せい剤事業に使われた」 | trycomp2のブログ
[工作船]「『北』の覚せい剤事業に使われた」
工作船は、やはり覚せい剤密輸という北朝鮮の国家犯罪に使われていたのだろう。
韓国籍の禹時允(ウ・シユン)容疑者と、暴力団極東会系組長ら3人が、北朝鮮から覚せい剤を密輸した疑いで逮捕された。
鹿児島県の奄美大島沖で2001年12月、海上保安庁の船と銃撃戦となり、自沈した北朝鮮の工作船は、密輸する覚せい剤を運搬中だったとみられていた。
工作船から押収された携帯電話の通話記録に、工作船と禹容疑者が頻繁に連絡を取り合った形跡が残されていた。工作船の覚せい剤密輸が、極めて濃厚になったと言える。
今回の直接の逮捕容疑は、02年10月、北朝鮮船籍の貨物船で数百キロの覚せい剤を運び、島根県の安来港から陸揚げした疑いである。
この貨物船は毎月のように日朝間を往来していた。その際、大量の覚せい剤を密輸したとみられている。
工作船に加え、貨物船を動員してまでも、北朝鮮が覚せい剤の密輸を続けていたことを示すものだ。
このような大がかりな犯罪は、製造から密輸まで、国家上層部の指示がなければできない。薬物ビジネスが、外貨獲得のための国家事業として位置づけられているのは間違いあるまい。
工作船による密輸疑惑が明るみに出た後も密輸船が堂々と日本の周辺海域を航行していたとなれば、正常な航行を装い不法行為を行っている貨物船は、ほかにも多いのではないか。
沿岸の警戒を強化し、定期的に入港する北朝鮮船舶の違法行為に厳しく目を光らせていかねばならない。
北朝鮮からの覚せい剤の密輸が目立ち始めたのは90年代後半からだ。成分分析などから、一時は国内に出回る覚せい剤の3割は北朝鮮製と見られていた。暴力団を通じて全国に流れ、日本社会に深刻な薬物汚染をもたらしてきた。暴力団にとっても大きな資金源となってきた。
北朝鮮の不正について、米国は、覚せい剤の製造とともに、精巧な偽ドル札の製造、日本や米国のたばこの偽造なども行っていると指摘し、重大な国家犯罪だとして厳しく非難している。金融面での経済制裁も発動している。
北朝鮮が日本や中国の犯罪組織と連携を深めている疑いがある。中国や韓国を迂回(うかい)した密輸ルートもあるという。
北朝鮮の国家犯罪に対しては、国を挙げて対抗策を講じていく必要がある。だが、日本だけで十分に成果を上げ得ない面もある。米国や中国、韓国などとも連携を強化すべきだ。
(2006年5月13日1時39分 読売新聞)
5月13日付・読売社説(2) : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
