From:ななころ
Bookカフェより
◆姫路のトランプのその後・・・
「日本の物件、全部買うたる」
2年前に華々しく楽待に登場した姫路の不動王こと大川護郎さん。
銀行からの融資総額は400億円とも500億円とも言われ、収益物件を買い漁っていました。
年間の家賃収入は50億円とも言われ、高級車や高級腕時計をいくつも所有。
その派手な登場には、私たち不動産投資家の注目の的となっていました。
ところが、今年9月。
帝国データの記事に「銀行取引処分」になったことが報じられました。
2020年09月11日「姫路の不動産王こと大川護郎氏が銀行取引停止・・・どうなるのか?」
そして、ホームページも次々に閉鎖。
主催していたコミュニティも活動停止となっていました。
2011年11月11日「ついに姫路の不動産王・大川護郎氏のホームページが閲覧不可に・・・」
大川さんのことを良く知る不動産投資家に最近の動向を伺っても、
「分からない」
「最近まったく会っていないし、連絡も取っていない」
「どこにいるのかも分からない」
との返答でした。
姫路のトランプとも異名を取った大川護郎さん。
いったい現在はどうなってしまったのでしょうか・・・
◆近況を知らせる記事が雑誌に掲載
破産、倒産、、、
いろいろな情報や噂が飛び交う中、ななころも続報が気になっていたところ、先日雑誌に大川さんの記事が掲載されていました。
=== 記事一部抜粋 ===
「不動産王 姫路のトランプが語った栄光と挫折」
最高年収50億円がゼロ、負債総額250億円へ・・・
貧困家庭から中卒で身を起こし、一時は故郷である姫路市内の全世帯数の1%を上回る賃貸戸数を所有するに至った、叩き上げの不動産オーナー。グループ企業群の借入総額は500億円を超え、最盛期には賃料収入を含めて年間50億円を手に。40代半ばにして「姫路の不動産王」の名をほしいままにした大川氏は、アメリカでも最も有名な不動産王になぞらえて、「姫路のトランプ」と呼ばれたこともあった。
だがそんな彼は、ビジネスパートーナーの造反に遭い、いまや多くの物件と資金を失いつつあるという。
(YenSPA! 2021年1月9日臨時増刊号(扶桑社)より)
=== ここまで ===
◆YenSPA! の記事の要約
記事を要約すると、以下の通りです。
(すべて大川護郎氏の言い分です。)
1.銀行取引停止処分について
銀行取引停止処分になったのは事実。
しかし、一般企業のような倒産状態ではない。
不動産という現物がある限り、事業を継続することは可能だった。
実際返済能力はある。
本来なら毎月2億2000万円のキャッシュが入ってくるはず。
だが、お金が横取りされていた。
2.所有物件放出について
今年8月に大阪商工信用金庫が競売執行を実施。
それから次々と所有物件が競売へ。
3.楽待動画について
楽待の取材は、都合の良い部分を切り取ったもの。
以前に取材された時の素材を今さら使われている。
だまし討のようなことをされた。。。
4.二重売契等の不正融資について
私は知らない、関知しない。
お金はちゃんと返済していた。
5.資産管理会社R社について
入金管理を任せていたのが資産管理会社R社。
家賃の70%(おそらく満室想定家賃の70%ということ)で、サブリース契約を結んでいた。
このR社が家賃を横領したことにより、銀行取引停止という事態を招いた。
裏で結託している事実は無いし、資金を債権者から逃すための狂言でもない。
国税局が入っているので、そのうちR社の実態や関係が明らかになるだろう。
◆記事の意図は?
今回のこの記事は、あくまでも大川さんの主張を掲載したものに過ぎません。
そのため、事実関係がどうも読み取れなかったのが残念です。
また、なぜことさら「R社との関係について」を細かく主張するのか?
記事を読んでも意図を図りかねてしまうのです。
むしろ銀行へのエクスキューズに聞こえてきてしまうのは、ななころだけでしょうか・・・。
借金を負った企業が、事業を再建する方法として「第二会社方式」という方法があります。
優良な事業部門や資産を、事業譲渡または会社分割によって別法人(第二会社)に切り出して事業継続を図り、不採算部門や過剰債務が残った旧会社を特別清算等によって清算するという再生手法です。
ざっくり言ってしまうと、手っ取り早く借金をチャラにしてしまう方法です。
この手法は、賛否両論ありますが、違法でも何でもありません。
あのJAL(日本航空)が多額の負債を帳消しにしたことでも有名な手法です。
(「JAL 第二会社方式」と検索すれば、いくらでも出てきます。)
先日の某銀行融資で苦しんでいる人のための勉強会でも触れられました。
2020年12月14日「あなたがもし銀行に返済できなくなったら・・・」
R社が登場したタイミングといい、R社の社長との関係といい、そしてこの記事の内容といい、どうしても勘ぐってしまわれてしも仕方がないのかなと思うのです。。。
◆何百億円と借金を負っている割には・・・
真実はどうあれ、久しぶりに公の場に登場した大川さんに悲壮感は感じられません。
借金を何百億円も抱えて窮地に立たされている感じを受けないのです。
ななころが、不動産投資で失敗した人たちと面談で感じるような必死さが、感じられないのです。
(あくまでも写真や受け答えの判断に過ぎませんが)
このことから1つ言えることは、不動産投資で何百億円という借金を負って、銀行取引停止になろうが、返済に窮することになろうが、道はあるということです。
大川さんが自己破産したとも報じられていません。
これまで何度も言ってきましたが、いざという時の「受け身」を知っておくことです。
「不動産投資は、知っているか、知らないかで、大きく差が付く世界」
ななころも知識と経験が不足しているがために、これまでいっぱい失敗してきました。
それを補うためには継続的に学ぶこと。
ネットや書籍から得られないリアルな情報を得られるコミュニティに所属することをしてきました。
今回の記事を通してあらためて感じた次第です。
◆編集後記
コロナ感染者が増えているということで、GoToが全国的に中止となりました。
政府や行政は飲食店には時短営業を求めており、その代わりに支援策が用意されています。
この支援策、たとえば東京都では100万円の協力金が支給されるわけです。
また、「さきめし」といった支援策も行われています。
ところが、これらの支援策、知っているお店と、いまだに知らないお店があります。
特に老夫婦でほそぼそとやっているようなお店は、ほとんど知らない。。。
申請や登録をしていないお店がかなりあります。
私たち不動産投資家 or 大家にも、色々なところで、このような情報格差が起こっています。
先日驚いたのが、某銀行融資で苦しんでいる中年夫婦が、
「私たちも不正をされているのでしょうか・・・」
「私たちはどんな不正をされているのでしょうか・・・」
と質問していたことです。
常にアンテナを高くして、情報収集しておきたいものですね。