【鼓動】葉真中顕
読書日記2024-196鼓動葉真中顕(著)[光文社2024年3月発行]あらすじホームレスの老女が殺され燃やされた。 犯人草鹿秀郎はもう18年も引きこもった生活を送っていた。 彼は父親も刺し殺したと自供する。 長年引きこもった果てに残酷な方法で二人を殺した男の人生にいったい何があったのか。 事件を追う刑事、奥貫綾乃は、殺された老女に自分の未来を重ねる。 私もこんなふうに死ぬのかもしれない――。 刑事と犯人、二つの孤独な魂が交錯する。 困難な時代に生の意味を問う、感動の社会派ミステリー。感想久々の葉真中作品。これは…心がヤラれちゃいますね…現代社会の深刻な問題8050心に闇を抱える女刑事と、父親を殺した引きこもり男性が交互に語り手になる。この男性のそこまでの過程や胸の内…共感できそうだが共感するのが怖い!?私はどうしても親目線でみてしまい、落ちていく男性が20年近く引きこもり、自分の存在意義に悩み苦しんでいる姿につい息子を重ねてしまった…。思春期のほんの少しの掛け違いで、進む道が分かれてしまうんでしょうね。ホームレス、いじめ、氷河期の就職、ブラック企業、引きこもり、年金搾取、ネグレクト、過去現在の社会問題が目白押しな本作。やはり葉真中作品は読まされる!《人が生きる目的は…自分らしい自分になって、承認を得ること。多くの場合それは、なにか世の中の役に立つ仕事をすることとイコールだ》という理想が強すぎたのか?もっともっと気楽に生きられたらいいのに…*を付けようか検討中〜(#^^#)ありがとうございましたm(_ _)m