読書日記2024-195

魔者

小林由香(著)

[幻冬舎2024年8月発行]


魔者 [ 小林 由香 ]

 

  あらすじ

誰も知らないあなたの過去が、もし、小説で暴かれていたらーー。 SNSの炎上、加熱する週刊誌報道……人の不幸を喜ぶ人間がいる。 ──お前たちを守るため、人間を喰おう。そうしよう。

週刊誌記者の柊二は、封印していた自分の過去が書かれている小説に出会う。 「これは誰が書いたのか、この著者の狙いは」―。 覆面小説家について調べ始めた時、会社にかかってきた一本の電話。「おまえの兄は人殺しだ」―。 その過去は、追えば追うほど、形を変え、魔物のように襲ってくる。 真夜中の公園、死んだ姉、殺された少年…。 自分だけが知らなかった真実の物語。

  感想

好きな作家さんの上位に入る小林由香さんの最新刊。

『魔者』"まもの" 

言葉の響きは恐ろしいけど、感情があれば誰にでも持っている部分…か?


プロローグで、ん?ファンタジー?

これは馴染めるかな…と読み進め、テーマを探りながら主人公の感情の不安定さを不快に思いつつ…

過去の事件、加害者家族の苦悩、被害者家族の苦悩、児童虐待、いじめ

あぁ〜てんこ盛り!


被害者家族と加害者家族は真逆のようでいて、苦しみを抱えて生きると言う点では一致している!と言いたい?

魔者は誰もが持っているとしても、どうしても相手を傷つけられない人もいるんだ!と言いたい?


第三章の自伝小説で、真実が明らかになっていき引き寄せられ、第四章の展開には唖然…

そして一気にラストへ。


事実を伝える週刊誌、架空や嘘の話を書く小説…

いつもの小林作品よりは苦戦した感がありました。


ありがとうございましたm(_ _)m