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マンガ家になる前は北海道で7年間 農業に従事していた荒川弘
牛を飼い 野菜を作り クマに怯え エゾシマリスに翻弄されるー
年中無休で働き 切ない思いも多々あるハードなお仕事
「水がなければ牛乳を飲めばいいのに」
なんたって "百姓貴族"ですから!!
知られざる農家の実態を描いた、日本初☆農業エッセイ登場!!

http://www.bk1.jp/product/03183183

ミツゴ評価 ☆☆☆☆☆

書評「みんなみんな生きているんだ、食い物なんだ~」

荒川弘って誰?という方、大ヒット漫画「鋼の錬金術師」の作者です、牛さんです

氏の実家は十勝地方の畜産農家で そのエッセイ漫画

農業というのは大変な仕事だ
たまに「バターが足りない」的な話がある
バターの原料は牛のミルクなわけだが、牛を育て ミルクを出せるまでになるには長い年月がかかる、つまり生産増強にタイムラグが発生する、これは仕方ない
ならその後、バターが足りるようになってミルクが余ればどうなる?マーケットに出しても買い取り価格は下がる一方
捨てるしかない、生産設備もリストラだ
つまり 乳牛をツブす訳だ
食べ物は大切だし 命は尊重されるべきだ
だが 一方でこういう現実がある

また 家畜は生き物だ、これは当たり前
生き物である以上病気にもかかるし、毎日世話が必要だ、これも当たり前

では ペットとどう違うか?ペットは愛情故に育てる が 家畜はお金の為に育てるんだ(損得を考えなければならない) やっぱり当たり前
怪我をした牛の治療代>牛の売却価格なら 牛を治療せず 潰さなければならない、経営としてみて収益性の悪化した設備は廃棄すべきなのは 当たり前
そして どんなに愛情を育てた家畜も 最後は、売られ、肉にされる やっぱり当たり前

なんか気の滅入る話だが ちゃんとギャグやお笑いも入っているんで 楽しく読めますよ

追伸、この漫画に出て来るネコ ヨウツベで「荒川農園」で検索すれば出てきます
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解説はウィキペディアでもどうぞ

http://www.bk1.jp/review/0000487908

ミツゴ評価 ☆☆☆☆

<書評>こじんまりとした人生劇

早速だが 私は1集のポテトサラダの話が好きだ
エレクト大木と言う客がいた、ベテランのAV男優だ
彼はポテトサラダを注文する
田中という見るからに半端者な若者がエレクトに弟子入りを志願する、オレ 田舎で馬鹿にしてきた奴らを見返したいと
エレクトは最初は断ったが若者の情熱に押される形で弟子入りを認めた
田中のAVデビュー前日、エレクトは田中に精を付けさせようと深夜食堂で御馳走する
そんなさなか 田中のケイタイが鳴る 田舎にいる田中の母親が脳卒中で倒れたと
田中は明日本番があるからと帰らないという
エレクトは怒鳴り付ける
エレクトの家ば代々教員をしており AV男優など言語道断
だからエレクトは家を捨てて上京した
エレクトは自分の事を振り返りながら田中に故郷に帰るように言う お前はまだ間に合う

数日後 エレクトと田中は深夜食堂にいた
田中は家族と再開できたようだ
エレクトも故郷へ帰っていたようだ
エレクトの母親は痴呆を患い、エレクトの事も忘れていた
AV男優になった事を散々罵った母親、現在はエレクトの妹と住んでいる
「どちらから来られましたか?」と母親
「東京からです」
「東京には私の息子もいるんですよ、親思いのいい子でしてね」
目の前の息子に気付かず かつて散々罵倒した息子を褒める母親

母親が妹の助けを借りてポテトサラダを作ってくれた、所謂お袋の味だ

それはあまりにもしょっぱかった


私はエレクト大木が大好きだ
いやエレクト、エレクトばかり言って申し訳ない
だが こういうしんみりした話が大好きなんだ

あと 本書の魅力は 食べ物が美味しそうな事
美味しんぼみたく変に理屈ばったりもせず、店長は普通に煙草も吸うし 客にサッポロ一番やチャルメラも出す
はっきりいえば普通の食べ物だ

だからこそ普通の美味しさが滲み出る

私が一度食べてみたいのは 李さんのギョーザとウナギのタレ丼に錦糸玉子をいっぱいのっけた奴に大ジョッキ600円のビール(深夜食堂には酒と豚汁定食しかメニューがない)、出来れば冷や奴だ
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高度成長もバブルも、すべて「戦時経済体制」がもたらした!

http://www.bk1.jp/product/02950299/reviewlist/

ミツゴ評価 ☆☆☆☆☆

<書評>或る高級官僚の半生

面白い、私は野口氏の本は当たりハズレが大きいと思っているが これは明らかに「当たり」であろう
この本は 高度成長期を大蔵官僚として過ごした氏の回顧録という側面がある
我々は自分が生きた時代以外を肌で感じることはできない
だからこそ 世界的に稀有な高度成長、そしてバブルを知る本が貴重となってくる

日本のシステムは戦前の統制経済下で構築された
戦前は持ち家率は低く、転職は当たり前、また貧富の格差も極めて大きかった
よく「日本人は農耕民族であり、土地に愛着がある」なんていう
なんの事はない 戦前の農民の過半は小作農だ
小作は地主に莫大な小作料を払わなければいけない、小作農は払いたくはない
結果 日本の農村は共産主義の地盤となっていた
これを踏まえれば 戦後政治はわかりやすい
戦後 農地改革、そして インフレにより(借地法等により)固定化かれた小作料の実質価格が下がった事により 自作農が増加した
自作農とは農地という資本を有する農民である
戦前は農地の国有化による小作料の廃止を求め 共産主義を求めた農家は 戦後 自分の土地を守るため 個人資産保護に熱心な保守政党 そう自由民主党を支持した
農村が自民党の地盤と言われる所以である

インフレ、経済成長という環境下では名目資産の需要が増す
だが 日本では株式は額面主義等があり、資金調達のメインにはなれなかった
企業からすれば 1000円の価値のある新株も 一律50円では割に合わない
ならば日本人は不動産に富を集中させた、日本の人口と経済が発展するかぎりは不動産価格は上昇すると見越して
みんなこれを喜んだ
地方自治体からすれば路線価の上昇は固定資産税等税収の増加に繋がり 企業は含み益という形で利益を得る
特に80年代 アジアの台頭や日本経済の高度化について来れない重厚長大産業は その不動産の含み益で株価を吊り上げ、不動産開発という打出の小槌を手に入れた
例えば 造船所後等はウォーターフロントとかいって 湾岸開発に供された
銀行も得をした
不動産という「値下がるはずのない資産」への融資は 優良大企業が自己ファイナンス(銀行に依存しない資金調達)できるまで成長した結果、融資先を失った銀行への福音となった
そうバブルとは時代遅れになりつつあった「戦時経済体制」の旧式エリート達の命綱でもあった
だが 少し考えればわかるはず
不動産なり株式価格は将来キャッシュフローの現在価値の総和(収益還元法)により決まるハズだと
果たして人口が減少局面に入り 成熟化する日本で 将来キャッシュフローは延びるの?か と
野村證券等は トービンのqを持ち出した
つまり 株価は純資産とリンクするから 不動産の値上がりによる解散価値(≒純資産の現在価値)の増大は 株価を引き上げる
株価が上がれば 株式保有者の資産を増やし 不動産の投資に繋がり それが不動産価格を押し上げ、というスパイラルを描くと
だが それは株価と不動産 片方が暴落すれば共倒れと負のスパイラルに繋がる わけだ
実際そうなったが

後はバブル期の腐敗 金屏風事件とか山一の話もあるんで是非読んでほしい
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世界地図を塗り替える新しい「国力」の概念とは?
軍事力、経済力だけが国家のパワーではない
国際政治の新たな枠組みを提示する注目の概念を、提唱者自身が詳述

http://www.bk1.jp/product/02477863

ミツゴ評価 ☆☆☆☆

<書評>ソフトパワー=イメージ戦略?

信用、とは紛れも無く財産である
企業の評価が技術力や利益率で語れないように 国力、言い換えれば他国への影響力も軍事力や経済力のみでは語れない
企業において 信用やブランドイメージが重要であるように、国家においても信用やブランドイメージが やはり重要である
本書はそんな「評判」にスポットを当てた内容になっている

アメリカは世界各国から留学生を招いている
これはアメリカと言う国には学ぶべきモノが多いからと言えるが また別の1面が見える
アメリカに留学生するのは各国のエリートであり アメリカという国は有能な人材にはトコトン優しい一面がある
結果 各国のエリート達は帰国後 親米派となりアメリカの国益に適う という訳だ、興味があれば竹中平蔵の履歴でも見てみればいい

つまり アメリカの留学制度は各国の未来のエリート向けのショールームという側面がある

では 何故ブランドイメージが必要なのだろうか?
現在 アメリカが直面する問題 テロリズム 麻薬 環境問題 金融危機・・・・これらは1国では解決が難しい問題でもある
イラクやアフガニスタンですらかなり苦戦した現在、「テロリストがいる」という理由で各国に軍事介入していては明らかに国力の浪費であるからである

また、「だれに見せるか」というのも重要である
ややもすると軽薄なアメリカのポップカルチャーは世界の若者を虜にして 若者を親米的にさせる一方、特にイスラム圏での保守的な高齢層の反感を買いやすい
さて実際に政治を動かしているのは?と考えればアメリカの文化力の高さは必ずしもアメリカの利益にならない ともいえそうだ
ならば、アメリカは文化の輸出を辞められるか と言われれば無理だ、国家による文化の統制なんて今時中国すら出来ない
そう、ソフトパワーとは 国家による制御が困難な力でもある
例えば50年代からの公民権運動、そしてアメリカ内の人種問題はアフリカ諸国へマイナスの影響を発信した

中国は現在 儒学の思想を布教しようとしている、これもソフトパワー戦略の一環だろうか
私は恐らく失敗すると睨んでいる
儒学とは究極的に統治者の論理であり、天と地が別れるように 支配する者、される者が別れるべきという考えでもある
私にはとても 益々自由化の進む世界では受け入れられるとは考えにくい、正直 墨子の方が好きだ
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http://www.bk1.jp/product/02247913/reviewlist/

ミツゴ評価 ☆☆☆☆☆

<書評>虚構と歴史の間・・・

断トツで面白い、岩明均といえば「寄生獣」「ヒストリエ」だろうが、私にはこういう1品モノの方がいい と思う
時代は第二次ポエニ戦争、ローマとカルタゴが争う中、中立国シラクサ(シュラクサイ)がカルタゴ側に付く
ローマはシラクサを攻める、シラクサの天才発明家アルキメデスは その発明でローマの侵略を阻害する、、、、、
これが通常語られるストーリーだろう
そこに2人の男と女がでてくる
スパルタ人のダミッポスとローマ人のクラウディア
カルタゴ側に着いたシラクサではローマ人は迫害される、彼女と家族を助けるため ダミッポスはアルキメデスの発明品でローマに立ち向かう

調っている、ちゃんて起承転結を抑えてある
理屈は無用 読め!