聖地エレメンタルに戻ったナオキ達は、テンガン山に向かうための準備を進めていた。
トバリギンガビルでの戦いで負った傷を治し、それぞれの戦いに向けた段取りを進めていた。
「ねえ、マグマラシ。ナオキはどうしたの?」
レントラーがマグマラシに言った。
「調べたい事があるらしいから、先に準備しててって言ってからずっとあの祠に閉じこもってるんだ。」
ナオキは、自らの手当てをした後、調べたい事があると言ってガーディアン達のいる祠に行き、それ以降ずっとそこに閉じこもっていた。
レントラーは、透視能力を使ってその祠を覗いてみた。
そこでは、まるで今まで以上に本格な調べものをしている事がわかるように、黙々と色々調べているナオキの姿があった。
「…どうやらそうみたいだね。それじゃあ、オレ達も今できる事をしていよう。少なくとも、いつでも出発できるようにはしておかないとね。」
「そうだな。」
その頃、ナオキは相変わらず黙々と調べものをしていた。
まるで、近未来のように、ナオキの周囲には空中に映し出されたモニターがところ狭しと並んでいる。
(…間違いない。これまでの事を踏まえれば、ギンガ団の目的や狙いはだいたいではあるけど、それなりに推測できる…)
モニターに映し出されたのは、ガーディアン達が収集したギンガ団に関する様々な情報だった。
それに限らず、『ある事』に関する資料のような映像も映し出されていた。
ナオキは、キーボードを押すように岩の部分にある個所を叩いていた。
どうやら、このモニターは下の岩の部分がキーボードのような役割をしているようである。
ナオキは、映し出されたモニターに触れた。
すると、タッチしたところがページを開いた。
どうやら、モニターは直に触れる形でクリックに相当する事などができるらしい。
今いる環境からは、とても考えられないハイテクぶりである。
時に聞こえるキーボードを叩くような音や画面にタッチするうえで聞こえる音を背景にナオキは考えを続けていた。
(幹部の一人であるマーズは、こんな事を言っていた…)
(全てを集めたギンガ団が何をするのかお楽しみに!)
(あの時マーズが言っていた事…当初は、ただ詳細を話さなかっただけだと普通に思っていたけど…)
ナオキは、マーズがあの時に言っていた事をふと思い出した際、サターンが言っていた事と照合した時にある疑問を抱いた。
(マーズが言っていた事を、サターンが話していた事を踏まえて考えるとしたら…『詳しい事はよく知らないけど』という背景のもとで言ったとも考えられるな…)
次に、ナオキが思い出したのは、ジュピターの事だった。
(ボスは伝説のポケモンの神話を調べ伝説のポケモンの力でシンオウ地方を支配する。)
(これからギンガ団は、みんなのためにすごい事をする。)
ジュピターの言動は、明確に話したのと、抽象的に話した二つがあった。
その中には、明らかに怪しいと言える内容もあった。
そして、ここでも『詳しい事を話していない』という事が表れていた。
その『みんな』とは、どちらの事を言ってるのだろうか…
ギンガ団のためというのが一番ストレートな結論になると普通に思うが、それもしっくりこなかった。
これも、サターンが言っていた事が反映されている事によるものだろう。
(今のところ推測できるのは…アカギ本人が言っていた事と、ジュピターが言っていた事が一致している事を踏まえる形で、『ギンガ団がレジェンドの力を使って、シンオウ地方を支配する』のだという事…)
普通に考えれば、すぐに導ける結論である。
しかし、それでもナオキは納得しきれていなかった。
(だけど…この推測…何かが引っかかるような気がする…)
ナオキは、この簡単なように思える結論に、ある疑問を抱いていた。
(この目的が、ギンガ団の狙いであるならば、それまでだけど…そもそも、それは本当に『ギンガ団全員』の狙いなのか…?)
ナオキは、サターンからあの一言を聞いて以来、ずっと疑問に思っている事があった。
それは、最終的な目的が『ギンガ団全員のための目的なのか』という事だった。
もし、そうであるならば、アカギは普通に目的の詳細を団員達に言うはずだ。
しかし、サターンが言っていたように…
(もっとも…ボスがテンガン山で何をやるつもりなのか…ボクも知らないのだがな…)
ギンガ団は、団員に限らず、幹部でさえも、『アカギの最終的な目的』を誰一人知らないという…
団員どころか、近い存在である幹部にさえも一番大事な事である『最終的な目的』を言わないというのは、どういうわけなのだろうか…
そして、ナオキはもう一つ、サターンの言っていた重要な事を思い出していた。
それは、あの意味深な発言をした後に言った事…
(だが少なくとも…)
サターンは少し間を置いて言った。
(これは、あくまでもボクの推測だが…ボスは、目的を達成したら、最終的に団員に限らず、ボク達幹部を含む全ての団員を切り捨てる可能性があるという事だ…)
サターンは、あの時こう言っていた。
その時の様子は、まるで今までとは違うような雰囲気を醸し出しているようだった。
(サターンの言っていた事を踏まえれば、結果的に…)
ナオキは、あくまでも推測であるが、まず一つの結論に達した。
次に、ナオキが考えたのは、『目的の詳細』だった。
(だとすれば、アカギがやろうとしている具体的な事は一体何なんだろう…)
ナオキは、心当たりがありそうな事をたどった。
(具体的に近い事を挙げるならば…カンナギタウンでアカギが言っていた事…)
(くだらない争いをなくし、理想の世界を作るための力を探している。)
(奴は、『争いのない世界を作る』と私に言っていた…一見、納得できるような事だったけど、あの時もしっくりこなかった。まるで、何かが引っかかるように…)
ナオキは、カンナギタウンで言っていたアカギの目的に懐疑を抱いていた。
理由の一つが、アカギが言っていた事と、あの時ジュピターが言っていた事が『ある重要なところ』で明らかに矛盾していたからである。
ハクタイシティでジュピターが言っていたのは、伝説のポケモンの力で『シンオウ地方を支配する』という事だった。
それに対して、アカギがカンナギタウンで会った時に言っていたのは、『争いをなくし、理想の世界を作る』という事だった。
ジュピターが言っていたのは、『支配する』というまぎれもない『自らの野望』である一方、アカギが言っていたのは、『理想の世界を作る』という、野望とはかけ離れた『理想論』だった。
アカギの言っていた事は、普通に見れば『この世界から争いをなくして平和な世の中にする』という、誰もが納得するいい理想を掲げた発言をしたという風にとらえられる。
それに対して、ジュピターの言っていた事は、『明らかにいけない事をやろうとしている』という事がわかるほどストレートな事だった。
ジュピターが言っていた事と、アカギが言っていた事は、明らかに『最終的に誰のためになるのか』という意味で完全に矛盾している。
ジュピターが言っていた事ならば、結果として『アカギがシンオウ地方を支配する』という形になり、その結果としてそれは『アカギだけのためになる』という結果になる。
一方、アカギ本人が言っていた事は、『アカギだけに限らない、みんなの(少なくとも、ギンガ団全員の)ためになる』という結果としてとらえる事ができる。
これらの事は、結果として『どちらもギンガ団全員のためになる』という結果が共通していないのだ。
しかし、それとは別にどちらの目的であっても、『確実に共通する事』があったのだ。
その事に気づいた時、ナオキの中で再び大きな不安がよぎった。
そして、ナオキはもう一つ調べた。
それは、『神話』についての事だった。
ジュピターが言っていた事に、『神話を調べる』という事があった。
ここからナオキは、『ギンガ団の最終的な目的は、レジェンドの存在や特徴に限らない、神話をもとにした事にあるのではないか』と推測してそれを調べる事にしたのだ。
ナオキは、映し出されたモニターに目を通した。
そこには、今まで集められたシンオウ地方の資料と、様々な神話について書かれた資料があった。
ナオキは、まずシンオウ地方の神話を調べた。
そこには、レジェンドに限らず、三大レジェンドのさらなる詳細も記されていた。
(カンナギタウンで、長老さんが言っていた事を踏まえると、あの三大レジェンドは『レジェンドを制御するための存在』…つまり、あの三匹の力は使われ方によっては、『レジェンドを意のままにできる』という事…捕まえる必要がないと言ったのは、こういうやり方があったからという事にはなるんだろうけど…)
ナオキは、一旦止まりあらためて推測した。
(…それだけじゃない。正当な捕まえ方をしないでレジェンドの力を利用するという事は…『正当な捕まえ方ではやろうとしない事』をやろうとしているからという事になる…)
ポケモンは、捕まえればその主の言う事をそれなりに聞いてくれる。
中には主のレベルの低さなどで聞いてくれない事もあるが、主のレベルがそれ以上ならば悪事だって普通に従う。
しかし、いかに主がレベルの高い存在であっても、規模によっては誰もが拒絶するほかないような事だったら、レジェンドならなおさら聞きはしない。
自らの意志でいつでも外に出られる例があるように、モンスターボールによる拘束は、そこまでの事ではないのだ。
(…つまり…奴がやろうとしている事は、それくらいただ事じゃない規模の事だという事…)
ナオキの中の不安はさらに募っていった。
シンオウ地方の資料の調べながら、ナオキはあの時の事を思い出していた。
(アカギは、テンガン山で初めて会った時、こんな事を言っていた…)
(キミは世界の始まりを知っているか?)
(このテンガン山は『シンオウ地方始まりの場所』。そういう説もあるそうだ。)
(…できたばかりの世界では争い事などなかったはず…)
(奴が頻繁に言っていたのは、『世界の始まり』、『始まりの場所』、『できたばかりの世界』のような、『開闢』を意味する事が多かった…)
一般では、物事の始まり、広い意味で言えば、世界の始まりを意味する『開闢』。
アカギの言動には、これまで頻繁にそういう事が飛び交っていた。
(そして、あの時も…それに近いような事を言っていた…)
(全てを終わらせる………いや…全てを始めよう。)
開闢よりも先に表れた真逆の言葉…
その言葉は、本人にとっては、『それこそが始まりの序章そのもの』であるかのような雰囲気だった。
その中で、ナオキは神話と照合して考えた。
(歴代の神話において、開闢の事を伝えている話はいくつもある…けど、その中には『既存の世界が既にある中で起きた開闢』というのもある…そして、その中で起きた開闢にある共通点は…)
ナオキは、シンオウ地方に限らない、様々な世界の神話を調べた。
その中で、まぎれもなく、『ある共通点』がある事がわかった。
ナオキは、今までの分析でわかった結論をまとめた。
(奴がやろうとしている事は、まぎれもなく『既存の世界がある中での開闢』…そして、サターンが言っていた事と、奴がやろうとしている事を照合してまとめるとすると…)
「…!!」
ナオキの中で、一つの結論がよぎった。
その瞬間、ナオキの表情は凍りついた。
(なんて事だ…という事は、奴の最終的な目的は…)
ナオキの中で、今までの経験をはるかに超越する感覚がよぎった。
「くっ!」
ナオキは、握りこぶしでその場の岩場を叩いた。
ナオキは、今まで開いていたモニターを閉じると、立ち上がり、祠のとある場所へ向かった。
(く…私とした事が…黒幕が既に近くにいた時に限らず…こんな大事な事にも…気づかなかったとはね…!)
新たな境地として始めた『妖怪ウォッチバスターズ』。
ウキウキペディアドリームとどちらを優先的にやろうか迷う環境にある中、ウキウキペディアドリームはそれなりに目的(そりゃあもちろん、コンたんちゃんの友情レベルマックスですけど)
を達成している事もあり、ひとまず今はバスターズを優先する事にした。
本編をやるまで、それなりに戦力なりそうな妖怪を集めるため、いったんは『カードを買う』という事に専念した。
それまでにゲットできたのは以下の通り。
ノーマル:『セバスチャン』『まむし行司』『おとなブル』『ツチノコ星人』『ミカンニャン』『あせっか鬼』『ドクロ婆』
『ハク』『ピントコーン』
ようやく『ピントコーン』をゲットした。
ウキウキペディアドリームでは、あっさり仲間になれたのだが、バスターズはだいぶ時間がかかった。
ノーマルでも、それが出されるまでねばらなきゃならないのが、こういうカードゲームの辛いところだ。
ノーマルでも、ここまで来てようやく当たるのは、ぴんとこんなぁ…
続いては…
シルバーレア。
シルバーレアは、ひそかにこれが初めてだった。
最初に当てたのは、『だいだらぼっち』で、その後に『ダイナシー』を当てた。
どちらかというと、レジェンドやスターを除くとシルバーレアの方が当たりにくいのだろうか…
続きましては…
キュウビさん参戦のもととなったムービーレア。
USAピョンに続いて、『フユニャン』を当てた。
2作品前の妖怪だが、前回も出演しているほど、その重要性がうかがわれる。
今回も出演するのだろうか。
もちろんそれなりに買った事もあり、ゴールドレアもゲットした。
ふぶき姫ちゃんの色違いともとれる妖怪『百鬼姫』ちゃんである。
ふぶき姫ちゃんと似ていると本人も述べているが、雰囲気的には真逆のような危なさを思わせるのが特徴的である。
それからさらに…
再びの『毘沙門天』様。
初めて当てたスペシャルレアをまたも当てた。
そして、そのラッシュは同名に限った事ではなかった。
待望の『弁財天』様もこの後にゲットしたのである。
キュウビさんと合わせると、アタッカーはどちらがいいか迷うゲットである。
その時によって変えようかな…
そう思いつつ買った矢先の事だった。
なんと、キュウビさんがまたも当たったのである。
その時は1枚だけだったが、それからまた後日、3枚目のキュウビさんを当てたのである。
この快挙はメダル以来である。
妖怪ウォッチへのひそかな関心のきっかけとも言える私のキュウビさん愛はここにも表れているというわけだ。
その3枚目のキュウビさんを当てた時に引いたのと、そのまた後日に引き当てたカードは以下の通り。
ノーマル:『家ーイ』『みちび鬼』『とらじろう』『へこ鬼神』『ツチノコ星人』
ムービーレア:『USAピョン』
スペシャルレア『弁財天』様、『毘沙門天』様
七福神で連続で弁財天様と毘沙門天様を当てた。
一番最初に当てたのもあってか、何かとUSAピョンもだいぶ当たっている。
ここまで同じ激レアを当てる事が出来ているにも関わらず、なぜ他のレアがなかなか当たらないのだろうか…
『いつまでもカードばかり買ってないで本編を麒麟と…じゃなくて、キチンとしなさい!』と言いたいのだろうか。
…もっともである。
というわけで、私は今日早速初めての本編プレイをした。
そのプレイを通して得たカードは以下の通り。
ノーマル:『ミカンニャン』『ハク』
既存のノーマルカードをプレイ開始時と、延長戦の時にゲットした。
そして、本編プレイの時に追加ボーナスを試しにした形で初めてのホイルレアをゲットした。
プリチー族の妖怪、『ほっとけーキ』。
意外と当たっていなかったシルバーレアを前回に引き続きゲットした。
初プレイは、キュウビさん、弁財天様、麒麟さんで出撃した。
初プレイとは思えないようなガチチームである。
それに合うかのように、記念すべき初陣は見事クリアした。
ただ、まだ内容ややり方があいまいの中でやったので、まだ過信すべきではないだろう。
ただでさえ、ウキウキペディアドリームでDランクの妖怪に逆転負けした事があったのだから…
ひとまず、初陣を見事最高の形と最高のポジションで飾れたのでよしとする。
ウキウキペディアドリームと比べて、アクションが多いので、確かにこのゲームは音ゲー以来のやりがいのあるゲームと言っていいかもしれない。
ウキウキペディアドリームに続いて、このゲームも音ゲーに並ぶ主流になるかもしれない。
ちなみに、私が名付けたチーム名は、チーム名という事もあり、私の名前にしなかった。
編成によっては、チーム名の意味がない可能性もあるが、マァそれは何とかなるだろう。
ひとまず、これからの目標としては、バスターズを麒麟と…じゃなく、キチンとプレイ出来るようになる事、そして何よりコンたんちゃんのバスターズのカードを一日でも早くゲットするという事である。(結局それかよ)
辺りは静寂に包まれていた。
その静寂をひそかに破るように、怪しげな音が時折聞こえてくる。
その静寂を先に破ったのは、サターンだった。
「…くっ…なぜおまえはそんなに強い…」
「その事については、一応話す事は出来るけど今回はやめておくよ。さっきもそれを否定されたばかりだからね。」
ナオキは言った。
『さっき』というのは、おそらくアカギとの事を言っているのだろう。
「…まあいい…その三匹のポケモンは好きにしろ…」
サターンは、三大レジェンドがとらわれている装置の方を向いた。
「このマシンのボタンを押せば、あの三匹を自由にしてやれる…」
ナオキは、サターンの言った方を向いた。
そこには、わかりやすく赤いボタンがあった。
そのわかりやすさは、返っていかがわしさを思わせる。
ナオキは、しばらくその装置の方を見続けていた。
ナオキの中では、案の定懐疑の念と迷いが蔓延っていた。
サターンの言う事を信じていいのだろうか…
勝負に勝ったとはいえ、今までの事やエルレイドの事を踏まえれば、サターンが素直に三大レジェンドの助け方を教えてくれるとは思えない…
今までの言動を踏まえれば、サターンが負け惜しみに三大レジェンドに万が一の事をしていた可能性もあった。
それをしないで、わざわざナオキにボタンを押させるというのなら、これも何か裏があるのだろうか…
ナオキは、サターンをちらりと見た。
それに気づいたのか、サターンはナオキの方を向いた。
サターンは、『どうした?やらないのか?』と言っているような雰囲気でナオキを見ていた。
その様子が結果的にどちらを意味しているのかは、わかりそうになかった。
しばらくして、ナオキはようやく動いた。
サターンの言う事を信頼したわけではないが、他に方法がないという事と、このままでいても埒が開かないという事もあり、ここはサターンの言った事を頼りにするのが無難だろうと結論づけたのだ。
だが、もし、それがサターンの悪あがきだったならば…
…そんな事を考えても仕方ない。
サターンの言った確実に近い方法を聞かないで、勝手な事をすればそれこそそれ以上の事態にもなりかねない。
ここはもう腹をくくる覚悟でいく他ない。
ナオキは、装置の前に立った。
ナオキの目の前に、全てを決する赤いボタンがあった。
どうなるかわからない境遇は、ただボタンを押すという単純な事でさえも躊躇させた。
ナオキの中で、装置のガラスの奥で苦しそうにしている三大レジェンドの姿がよぎった。
このボタンを押せば、あの三大レジェンド達をあの苦しみから解放させてあげられる。
けれど、それはどっちの意味でなのだろう…
…今更そんな考えを巡らせても意味はない。
このまま迷っていても、三大レジェンド達の苦しみが続くだけだ。
ナオキは、意を決してずっと下げていた手を上げた。
ナオキは、赤いボタンに手を伸ばした。
ナオキに今までにないような緊張感がよぎった。
ボタンまであと少しというところで、ナオキは手を止めた。
サターンの方を向こうとしたが、今更他に何を聞く意味があるとすぐに悟り、ナオキは再び装置の方を向いた。
一瞬手を止めたナオキだったが、ついにボタンに触れ、そして…押した。
ウイーン…
装置は特に怪しい動きを何一つする事なく、あっさりと開いた。
すると、さっきまで苦しそうにしていた三大レジェンド達は急に元気になったように、閉じ込められていた場所から抜け出し、部屋中をしばらく飛び回った。
しばらく飛び回った後、そのうちの二匹はすぐにどこかへ飛び去って行った。
残された一匹は、いったんその場にとどまると、急に飛び上がり、ナオキのもとに降り立った。
そのポケモンは、エムリットだった。
「?」
ナオキと目が合うと、エムリットはニコッと微笑み、そのまま二匹に続くようにどこかへ飛び去っていった。
辺りは、再び静寂に包まれた。
ナオキは、サターンの方を向いた。
サターンも、それに合わせるようにナオキの方を向いた。
『今回は信用して正解だったようだね』とサターンに言ってるような雰囲気で、ナオキはしばらくサターンを見ていた。
今までの行いやポケモンに対する仕打ちからすれば、サターンが三大レジェンドを助けるのに協力してくれた事は意外な事のように思えた。
しかし、ナオキはサターンに対するそういう疑いを抱きつつも、ある時からサターンに対して、別の雰囲気を感じていた。
そして、それがひそかにサターンの言う事が本当であるという事を確信できる根拠になっていたのである。
この結果が明らかになった時、ナオキの中でサターンに対するひそかな変化が表れていた。
しばらく静寂が続いた後、サターンがその静寂を破った。
サターンは、このラボで起きていた動向を詳しく話した。
「ボスは、3匹の体から生み出した結晶で、『あかいくさり』を作り出した。」
「『あかいくさり』?」
「そうだ。ボスによれば、それこそがテンガン山で何かをつなぎとめるために必要なものらしい…」
「つなぎとめる…?」
サターンの言う事からすれば、アカギはテンガン山で『あかいくさり』を使って何かをつなぎとめる事を目的に三大レジェンドを利用したらしい。
この説明からわずかに読み取れるのは、『アカギはテンガン山を通じて、シンオウ地方に訪れる危機をどうにかしようとしている』という事である。
しかし、『鎖』と聞くと、何かといいイメージが浮かんでこない。
むしろ、つなぎとめるというよりも、『しばりつける』というイメージの方が強いからだ。
「もっとも…」
「…?」
「ボスがテンガン山で何をやるつもりなのかは、ボクも知らないのだがな…」
幹部で特に優れていて、ナンバー2とも言えるような立場にいるサターンでさえも、アカギの目的の詳しい事は知らないらしい。
以前にも、こういう事に懐疑を抱かせるような言動は頻繁に耳にしていた。
下っ端の団員からは普通に聞いていたが、幹部の団員から聞いたのはひそかに意外な事だった。
下っ端ならともかく、幹部、しかもナンバー2に相当する立場にさえも『真の目的』を教える事さえしないというのはどういう事なのだろうか…
すると、サターンは付け加えるように言った。
「だが、少なくとも………」
「…!」
サターンが話した事を耳にした時、ナオキは今までにないような反応をした。
目的を果たしたナオキ達は、帰路に着いていた。
その帰路に着く中、ナオキは色んな事を考えていた。
(結局…ギンガ団の最終的な目的は何なんだ…?これまで、私が拾ってきたギンガ団の言動からすれば、それなりの推測はできるけど、どれもなぜかピンとこない…)
ナオキの中では、ギンガ団に関する様々な言動がよぎっていた。
団員が言っていた事、幹部が言っていた事…
その中には、それぞれが言っていた事と矛盾していたり、すれ違ったりするような事もあった。
それに何より、一番気になっているのは、『団員が目的の詳細を知らない』という事だった。
しかも、それは下っ端の団員に限らず、幹部さえもその詳しい内容を知らないというのが気になっていた。
サターンが語ったこの事実は、ナオキの中で織り成す懐疑をさらに広げていった。
(それからもう一つ気になるのが、サターンだ…)
ナオキは、ひそかにサターンの事についても懐疑を抱いていた。
(リッシ湖であんな事をして、仲間であるエルレイドをあんな形で見捨てたりしていたサターンが、バトルに勝ったとはいえ、こうも素直に三大レジェンド達を助けてあげただけに限らず、要注意人物である私に、ここまでの事を話してくれるなんて…)
ナオキの中では、今まで抱いていたサターンは、目的のためなら手段を選ばず、役に立たないとわかれば、仲間であっても切り捨てる冷酷さを持った人物でしかないというイメージしかなかった。
しかし、そんなサターンがそれとは真逆にここまで協力してくれたというのは、バトルに勝った誼があっても、とても考えられる事じゃない。
ナオキがサターンに懐疑を抱いたきっかけは、それだけじゃなかった。
ナオキは、あの時エルレイドがさりげなく言っていた事をひそかに気にかけていた。
(ボクとキミが最初にいた頃は、ボクにあんな事をするのに限らず、リッシ湖であんな事までするようになるとは思いもしなかったよ。キミもすっかり変わったな…一体いつからかつての礼儀を忘れてしまったんだ。)
(エルレイドはあの時、『キミもすっかり変わったな…』と言っていた…)
ナオキは、ふと考えた。
(今までの言動からすれば、サターンは『元々』こういう事を平気でする人物だとしか考えられないイメージだった…けど、エルレイドの言ってた事からすれば、サターンは『ギンガ団に入る前はそうじゃなかった』という風にとらえる事ができる…)
その時に、ナオキは思った。
(そもそも…サターンは、『本当に』悪い奴なのか…?)
ギンガ団の目的に限らない様々な懐疑を抱きながら、ナオキは帰路に着いた。
「あ、トライス!」
トバリギンガビルを出ると、そこで待っていたコウキがナオキに駆け寄ってきた。
「待たせたね、コウキくん。」
「ううん、いいんだ。よかったよ、キミが無事で。」
いつもと違ってなかなか帰ってこない事に心配していたコウキは、ナオキが帰ってきた事に今まで以上の安堵感を抱いていた。
すると、ナオキは言った。
「コウキくん。私は、テンガン山へ行ってくる!」
「え?」
コウキがナオキからの突然の一言に反応すると、それに続いてナオキは言った。
「ギンガ団は今、『テンガン山』に向かってるそうなんだ。どうやら、この後はそこで何かをするらしい。だから、私はさっきまでの戦いの事もあるから、一旦戻って、準備が出来たらそこへ向かうよ。君もいつでも戦えるように準備をしておいて!」
「…わかった。それじゃあ、オレも博士達にテンガン山に向かうように言っておくね。」
「任せたよ。それじゃあまた後でね。」
そう言うと、ナオキは『神鳥の羽』をまとい、飛び立つ姿勢を構えた。
「…?」
その時、コウキは何かに反応した仕草をした。
しかし、それからすぐにナオキ達は飛び立っていき、そのまま見えなくなった。
コウキは、しばらく空を見上げていた。
コウキは、ふと思っていた。
(…気のせいかな…トライスのポケモンの中に、どこかで見た覚えのあるポケモンがいたような…そもそも『あのポケモン』…トライスのパーティーのようだけど、つい最近見た覚えがあったような…)
コウキは、ある時の事を思い出していた。
その中で、ひそかに心当たりがあるように思える記憶があった。
その記憶は、コウキに新たな懐疑を抱かせた。
(そもそも…『あの時』、なんでいつの間にトライスがいたんだ…オレ達同様に、リッシ湖に異常を聞きつけてきたなら納得いくけど…どうしてだろう…なぜかしっくりこない…)
コウキが思い出していたのは、リッシ湖の事だった。
コウキは、エイチ湖に向かう時、ひそかにナオキ達が戦っているところに一度来ていた。
ナオキがエルレイドと戦っている時に、そこにいたポケモンにエイチ湖に向かう事を話していたのだ。
その時は、急いでいたのでそのまま行ってしまったが、その際にふと気にかけていた事があったのだ。
コウキは、しばらく考えていた。
(…もしかして…)
コウキの中に、一つの仮定が浮かんだ。
コウキは、しばらくその場で黙り込んでいた。
それから少しして、コウキはあらためて博士のいる場所へ向かっていった。
走る中で、コウキは考え続けていた。
(…トライス、もしかしてキミは…)
ひそかな懐疑とこれからの一刻を争う緊迫感の中、コウキはトバリシティを後にした。
「私と?」
「そうだ。」
エルレイドは、即答した。
「キミとは、共に実力を認め合い、そして友になれた存在。そんな境遇になった時、ボクはキミから感じたんだ。ボクとキミにある可能性に。」
エルレイドは、ナオキとの戦いを通して、お互いの実力に限らず、仲間になれた事を通して今までに感じた事のなかった様々な可能性を感じ取っていた。
それは、サターンといた時とは違う、それを超越する可能性を…
「かつては、共にぶつけ合っていた剣を、今こそ共に戦う者同士、力を合わせようじゃないか。」
エルレイドは、ナオキに言った。
エルレイドは、ナオキの仲間になった時からひそかに抱いていた。
かつてぶつけ合っていた剣を、今度は共に戦う同志として振るいたいという思いを。
ナオキとの戦いは、エルレイドに今まで抱く事すらなかった新たな境地を築いていたのである。
そして、エルレイドはそれを今こそ形にする時だと、仲間になったあの時から決心していたのである。
「…わかった。それじゃあ、私も参戦させてもらうよ。」
エルレイドは、小さく微笑み、こくりと頷いた。
ナオキは、トライス・ソードを構え、前に出た。
「ふん、今度はまた人間の参戦か。相変わらず、ボスの考え以上にわけのわからん奴だ…」
そう言うと、サターンは繰り出していたユンゲラーとドクロッグを二列に並ぶように立て直した。
「それじゃあ、再戦といこうか。」
そういうと、ナオキとエルレイドは息が合うように、同時に剣を構えた。
「今度という今度は、容赦しないぞ。邪魔者と裏切り者、両方とも今度こそ排除してくれる!!」
「そうはさせるか!いくぞ!!」
この掛け声と共に、ナオキとエルレイドは、同時に体制を構えた。
「ユンゲラー、『サイコカッター』!」
ユンゲラーは、スプーンを振りかざすと、念導の塊で出来た刃を放った。
「はあっ!」
エルレイドは、肘の刃を伸ばすと同時に弧を描くように振り、サイコカッターを打ち消した。
「く…」
サターンは、額に汗をにじませた。
「そんな刃ごときでボクに攻撃を当てる事などできはしない!」
エルレイドは、肘の刃を少し縮めた。
「次は、ボクの番だ!」
エルレイドは、素早さの高いユンゲラーに負けないくらいの素早さで飛びかかった。
「くらえ、『つじぎり』!」
ザシュ!
エルレイドは、ユンゲラーに横一線の斬撃をぶつけた。
ユンゲラーは、効果抜群のタイプと急所に当たった事が響いたらしく、さっきよりも大きい勢いでふっ飛ばされた。
エルレイドは、素早い身のこなしで後ろに飛び、着地した。
ユンゲラーは、かなりのダメージを負っていたが、特性とは別の精神力があるからなのか、どうにか踏みとどまっていた。
「ボク同様、防御が低いのに踏みとどまるのは予想外だったね…。でも、今度こそ決めるよ!」
エルレイドは、ユンゲラーに飛びかかった。
その時…
「!」
エルレイドは、ハッとした。
エルレイドが見た方向には、ドクロッグの姿があった。
(しまった…!)
ユンゲラーが踏みとどまった事同様に予想外の事態に見舞われたエルレイドは一瞬動揺した。
「油断したな、エルレイド!今だ、ドクロッグ!『どくづき』!」
「く…」
エルレイドは、目の前の相手と不意に襲ってきた相手に挟まれ、なすすべない状態になった。
動揺してひるんだエルレイドに、ドクロッグの爪が襲い掛かった。
その瞬間…
ビシャアアアアアン!
どこからともなく、激しい雷が放たれ、エルレイドとドクロッグの間によぎった。
その雷にドクロッグは思わずひるんでしまった。
「今だよ!」
その聞こえた声にぴくりと反応したエルレイドは、ハッと気づき、剣を構え直した。
ひるんでいた事に気を取られ、体制を立て直していなかったユンゲラーは慌てて反撃に出ようとした。
しかし、すでに遅かった。
「とどめだ!『サイコカッター』!」
エルレイドは、肘の刃を伸ばすと、そこに念導の塊を集め、ユンゲラーに切りつけた。
ザシュ!
さっきよりも深い当たりになったような斬撃音が響き渡り、ユンゲラーは倒れた。
今度は本当に戦闘不能になっていた。
エルレイドは、刃をひっこめると、後ろへ飛び上がり、ナオキのもとに戻った。
「お見事だったよ、エルレイド。」
「ああ。でも、ボクが勝てたのはキミが咄嗟に助けてくれたからだよ。ありがとう。」
「うん。」
ナオキとエルレイドは互いに握手をかわした。
またもポケモンをやられ、エルレイドに目の前で握手をかわされたのを目の当たりにしたサターンは、さらに憤りを感じていた。
「おのれ…一度ならず、二度までもボクの邪魔をしてくれるとは…」
サターンとは対極に冷静さを取り戻しつつあるナオキは、サターンに言った。
「周りを見ていなかったのは、貴様の方だったみたいだね。エルレイドへの一方的な憎しみを理由に私の存在をエルレイドがドクロッグを見逃していた以上に貴様は見逃していた、というわけだ。」
サターンは、エルレイドがナオキ側に付いた事を根に持っていたために、ナオキが参戦していたにも関わらず、それを見てすらいなかった。
サターンの中では、ユンゲラーを囮にして『エルレイドを倒す』という事しかなく、ナオキをどうするかは、ナオキの存在自体眼中にないほど考えていなかったのだ。
「まだだ!いけ、ドクロッグ!」
ドクロッグは、エルレイドとナオキのいる方へ飛びかかった。
しかし、二人は息が合うようにひらりとかわした。
「隙あり!『トライス・スラッシュ』!」
ザシュ!
ナオキは、ドクロッグの背中に電流の走った斬撃を加えた。
「く…怯むな!『どくづき』!」
ドクロッグは、体制を立て直し、ナオキに『どくづき』を打った。
ガキイン!
ドクロッグが爪を当てようとした瞬間、横からエルレイドが肘の刃を伸ばして、ぶつけようとした爪のある腕を止めた。
「『サイコカッター』!」
エルレイドは、すかさず念導の込められた刃をぶつけた。
バッ!
ドクロッグは、間一髪でそれをよけた。
「バカめ!同じような手は食わんぞ、エルレイド!」
サターンは、エルレイドに言った。
「そうかな?」
「!」
一瞬得意げになっていたサターンは、すぐに我に返ったような反応をした。
「『シャイニング・カッター』!」
ドクロッグが着地した瞬間、ナオキはトライス・ソードを振りかざした。
振りかざされたトライス・ソードから電流を帯びた衝撃波が放たれ、ドクロッグに向かっていった。
バリィィィィィィ!
よける間もなく、衝撃波はドクロッグに直撃すると、斬撃と共に激しい電流を浴びせた。
ドクロッグは、かなりのダメージを負ったかに見えたが、どうにか踏みとどまっていた。
この状況をサターンは、ただ唖然と見ていた。
「なぜだ…なぜこのボクがこんな奴らにここまで追いつめられるんだ…」
サターンがそう言った時…
「まだわからないの?その原因が、他でもない貴様自身にあるんだって事に。」
「!」
ナオキの言った一言に、サターンは思わずナオキのいる方を向いた。
「エルレイドが参戦していなかった時は、貴様はまだ冷静に戦えてる方だった。でも、エルレイドが参戦した時から戦況は逆転した。その理由は、ただエルレイドが戦力として参加していたからにとどまった事じゃないのさ。」
「なんだと!?」
ナオキはサターンに言った。
「エルレイドが参戦した後から、貴様はエルレイドに対する憎しみばかりに気をとられ、私がいるにもかかわらず、エルレイドしか見えなくなっていた。そしてそれが、見えるようになった私に対しても、ただ憎しみを抱く事に通じて、さっきまでの冷静さを欠き、ただがむしゃらに攻めてばかりいる状態になっていたのさ。」
「!」
この時、サターンはようやく完全に我に返ったような反応をした。
ナオキは、言った。
「怒りや憎しみを原動力に戦っている奴は、追い詰める事はできても、私達には勝てないよ!」
ナオキがこの一言を言った瞬間、サターンは何かに撃たれたかのような反応をした。
辺りはしばらくの間静寂に包まれた。
少しうなだれたように沈黙していたサターンは、顔を上げた。
「おのれええええええええ!」
サターンが全てを吐き出すような勢いで叫ぶと、ドクロッグが最後の力を振り絞るようにナオキ達に飛びかかった。
ナオキとエルレイドは、互いに向き合うと、こくりと頷き、再び前を向いた。
二人の前にサターン同様に物凄い形相をしたドクロッグが襲い掛かった。
そのドクロッグに、二人は怯む事なく、同時に向かっていった。
向かっていく二人にドクロッグの攻撃が襲い掛かる。
その瞬間、二人は同時に正面に剣を振りかざした。
「『ライトニング・スラッシュ』!」
「『サイコカッター』!」
ザシュ!!
電流と念導を帯びた斬撃が同時にドクロッグを切り裂いた。
ズシャ…!
ドクロッグは、着地する事も出来ないまま、そのまま地面に叩きつけられるように倒れた。
ナオキとエルレイドは、息が合うように同時に着地した。
ついに勝負に決着がついた。
それでも、辺りは静寂さを取り戻したように静まり返っていた。
「強い…だが、哀れだな…」
静寂を破るように、サターンは囁く声で言った。
その言動は、今までとは違う雰囲気を醸し出しているようなものだった。
辺りは、再び静寂に包まれていった。
ポケモンに代わるように関心が変わりつつある妖怪ウォッチ。
妖怪ウォッチ同様、ポケモンもジェネレーションチェンジしたわけなのだが、今回私はそれに乗らなかった。
以前ほどの関心どころか、前世代でいうニンフィアちゃんやフォッコちゃん相当する存在がほとんどいなかったのだ。
ニャビーちゃんやルガさんというそれなりの関心を持つ存在はいたが、それも関心を持ち続けるには至らなかった。
妖怪ウォッチは、私が当時ポケモンへの関心を持たなくなっていた時を踏まえて、その後を継ぐ存在として関心を持たせた存在なのだろうか…
楽しめる存在は最低限持っておくべきなのは実感している。
だからこそ、私は学生を終えた先行きの見えない中でも過ごせてきたのだから。
そんなわけで、私はその妖怪ウォッチでウキウキペディアドリームに復帰したのに続き、新たな妖怪ウォッチ関連のゲームデビューをした。
それが、ともだちウキウキペディアに続いて稼働した『妖怪ウォッチバスターズ』である。
ゴーストバスターズのパロディであろうが、妖怪は英語で『ghost』というので、まんざらでもない。
というわけで、早速手に入れたカードをピックアップする。
ノーマルは、『まさむね』『みちび鬼』『トムニャン』『とらじろう』『ドクロ婆』『寝ブタ』『セバスチャン』『カラカラさん』『へこ鬼神』をゲットした。
続いてはレア。
一番最初にゲットしたのは、『USAピョン』だった。
その後、さらに上のレアで『絶オジイ』をゲットした。
初めてゲットした一番レア度の高いカードは、『毘沙門天』様だった。
今回の弾には、七福神様もあるので、なかなか狙いどころのある弾である。
新たな妖怪に限らず、ジバニャンコを基本に既存の妖怪も導入されていた。
その一人に、オロチくんもいた。
『ムービー』とあるので、映画公開の誼で導入されたのだろうか。
それに限らず…
何と、麒麟さんもいた。
麒麟さんがいるというのはひそかに気づいていなかっただけに、これは予想外の狐福だった。
そして、その『狐』福は、さらなる形で舞い込んできた。
オロチくんがいるなら…と思っていたが…
キュウビさんも今回の弾に導入されていたのである。
バスターズの本格デビューが確定した瞬間だった。
ここまでの事になったのなら、バスターズもやらない手はない。
キュウビさんを主力に、ウキウキペディアドリームに負けない本格さでバスターズにも取り組もうと思う。
『いきなりこのイケメンで強いボクを活躍できるなんて、きみは幸せ者だねえ』
キュウビさんは、きっとこう思っているに違いない。
アニメでは、メンドーな奴と言われていたが、私は素でありがたく思っている。
ウキウキペディアでは出会えなかったキュウビさんをバスターズで存分に活躍できるという最高の機会と妖怪を得たのだから。
当初の目的は、今回の弾で導入されるコンたんちゃんだったのだが、結局ゲットできなかった。
シルバーレアだけに、あれだけあると、そこから当てるのは容易じゃないという事か…
マァ、今日稼働したばかりであり、これからしていく中でゲットしていけばいい。
その時になれば、必然的にゲットできる時は必ず来るはずだ。
何より、キュウビさんをゲットできたのだから。
『それは、光栄だねえ。ところで、プレイの方は?』
あ…
今回はカードを買うだけだったので、プレイそのものはまだしてなかった。
一応、まだライセンスゲットしてないからね…
万尾獅子みたいな理屈ばかりしてないで、キュウビさんに誓ってさっさとプレイできるようにしよう。
そういうわけで、あらためて私は妖怪の新たな境地を開いたのだった。


















