自分を正当化して

濁ったレンズ越しに

積み重ねた瓦礫の山を見た


どうして其処に在るんだい?


夢の様なお伽噺を繰り返して

『幸せ』なんて安易な言葉で

何度も摩り替えてしまって

誰でも良いだなんて

簡単に言ってみせて


振り下ろした鉄の塊に

君の瞳が赤く光るみたいに

酷く淀んだ硝子玉を転がして

吊り上げた口端に

淡く引かれた紅の嘘で


銃声を引き摺って

蹴飛ばした鉄の檻を

二人抱え込んだ

寝れない夜を飲み込んで

滲んだ隙間風に

冷たくなる頬と

視線を外したその瞳を


笑える筈もないよ、


だって、×××だって、

君が言うだけの世界なら

優しいだけの世界は

きっと嘘塗れになってさ

力を込めた指先で思いきって引いた

引き金は誰の為の終わりだったのか


その先見えなくなった

煤けた汚れと罅割れたレンズで

ゴーグルを外したその手は

最後の終わりを引き連れて




「少年はレンズ越しに終焉を見た」


少年は思い出す事を諦めた


何時の頃か

激しい痛みを伴って

記憶を抉る様な

言い様もない感覚に溺れて

白昼光の束を集めて

眩む夢の中で

誰かが弾いた結果を

データの海で拾った


コード:レス

0の檻で飼い殺した

狂気の獣は

何時だってそうだ

変わらないまま

1の槍で刺し貫いた

言葉の端を折って

餌として与える様に

傷に口を付けた


霞んだままの記憶

思い出だなんて

陳腐な言葉で現す

踏み躙ったモノを

その手で抱いたまま

掻き毟る様に爪を立てた


少年にはそれが全てだった

白い欠片だらけの海に

少年は投げ捨てた事を

事象を、現実を、夢想を、幻覚を

並べたままの羅列に

静かに参列した

死亡通告は君の手で終わらせて


其処に転がる

屍を見下す様に

少年は足をつけず

浮かんだままの夢で

感傷に浸る様に

誰かの夢だと瞳を伏せた





「少年はそうして心を殺した」


忘れてしまい程

苦しい事も

目を逸らして

同じ事の繰り返し

分かってくれるかな、

言いたい事は

たくさんあるけど


間違いだらけの言葉を

繕う様に誤魔化して

違う、そうじゃないって

言いたい事も言えなくて

結局誤魔化して

勘違いだらけの僕の手を

優しく握り返して

その温もりに僕は独り

訳もなく泣きそうになるんだ


いっそ忘れてしまえば

この痛みもなかった事にして

優しさを殺して

僕は呼吸するんだ


中途半端に隠した

少しだけ見えている様な

そんな感情も君は

きっと気付かないふりして

僕はまた苦しくなって

言えなくなるんだ


たくさんの言葉は

たくさんの心で隠して

少しの言葉が

少しずつ溢れだして

夜がきて、

朝がきて、

また夜がきて、

そして。


どれだけ言ったって

伝わらないなら

もうどうすればいいのか

教えてほしくて

また僕は笑えるのかな、

何一つ言えないけど。


君は笑うだろうね、

優しさに溺れて

僕は死んでいくのに。


讃える様に

孤独と栄光を

両手に携えて

呼吸と共に

吐き出した賛美を

二人の世界で

何処かへ落とした


語る言葉など

持ち合わせていないから

呑まれそうな程

白く濁り始める空を

視界に埋める事を厭わないで

伸ばした指先で

迎える絶望の淵を

踏み躙る

その痛みの先で


貴方は何処にも居ない

きっとこの言葉の全てを

貴方が知る事はなくとも

白いままの世界を


迎える


絶望の果てを


彼方を


二人で。


優しくはなれなかった

遠く遠くに返した

言葉の全てを

追いかける様に

手を伸ばした、

届かなかった。


また明日、

さようなら。

きっと言えなくて

足跡なんて要らないよ

僕は其処に居ないから

曖昧に笑ってしまって

伝わらない訳じゃない

僕が一人拒んでいるんだ

変わっていく時間を

認めたくないんだ


一つ、出来る様になった事

一つ、出来なくなった事

増えては減っていく

出来る事や出来ない事

弱くなっていく自分が

静かに立ち竦んで

諦める様に

天を仰いでいるから

雑踏に紛れて泣く事も

簡単じゃないんだ


優しくになんて

なれやしないよ

僕は何時だって

君の為には生きれないから

無償の優しさや愛だって

僕にはもう必要ないから

それだけでいいよ


変わりたくない事も

出来なくなる事も

怖いけど、

それだけだから


本当に怖い事

本当に届かなくなる事

それだけが

僕の心を締め付けていくから


また明日、

さようなら。


きっと、笑える様に。