自分を正当化して

濁ったレンズ越しに

積み重ねた瓦礫の山を見た


どうして其処に在るんだい?


夢の様なお伽噺を繰り返して

『幸せ』なんて安易な言葉で

何度も摩り替えてしまって

誰でも良いだなんて

簡単に言ってみせて


振り下ろした鉄の塊に

君の瞳が赤く光るみたいに

酷く淀んだ硝子玉を転がして

吊り上げた口端に

淡く引かれた紅の嘘で


銃声を引き摺って

蹴飛ばした鉄の檻を

二人抱え込んだ

寝れない夜を飲み込んで

滲んだ隙間風に

冷たくなる頬と

視線を外したその瞳を


笑える筈もないよ、


だって、×××だって、

君が言うだけの世界なら

優しいだけの世界は

きっと嘘塗れになってさ

力を込めた指先で思いきって引いた

引き金は誰の為の終わりだったのか


その先見えなくなった

煤けた汚れと罅割れたレンズで

ゴーグルを外したその手は

最後の終わりを引き連れて




「少年はレンズ越しに終焉を見た」