僕らしいと

君はそう言うけど

僕って何ですか?

騙し騙し生きてきた

『僕』は何処に在りますか?


見開いた瞳の中で

僕は呼吸を失う

その双眸が映す世界の中で

鼓動を止めてしまえ


震える指先が

その掌を掴む

離さないで、

放さないで、

これ以上の嘘は

吐きたくない。


噛んだ唇が

静かに紅を浮かべて

泣きそうに揺れる

睫毛は夢を殺した


僕が死んでいく

細胞の奥で

残酷な世界の終わりを

その腕で抱きしめたのでしょう?

まるで虚ろに瞬く様で

僕は僕を選べないから?


最後の瞬間まで

知る事の無い

許す事も許される事も

そのどちらも無くなって

誰も変わらなくなっても


死んでしまった僕の骸は

悲しげに泣いてしまうでしょう。


踏み出した足と

伸ばした腕は

誰も拒まない


空は、今日も蒼い

眩んだまま

焼けそうな道の上

転がった罵声も

燃え尽きた灰の様で

瘡蓋が出来た心を

守る様に掻き抱いて


背中を丸めて

腹の奥底

温める様に

隠す様に

全部抱えて

その癖痛みを伴って


笑えない冗談だって

言って笑えよ

矛盾なんて

そんな事どうでもいいんだ


この指が引き連れて

突っぱねた理想が

夢見がちな思想に

溺れてしまった様に

まるで凍ってしまった

そんな気がして

何も言えなくなる


別にそれでいいよ

チリチリと焦がした

焦燥にも似た衝動が

目を伏せた未来を

飲み込んでしまうだろうから


この腕は何を抱く?

この足は何処へ向かう?

分からなくたっていいよ

僕が選んだ世界の果てで


僕と僕の望んだ

未来が在ればいいんだ


理由、が


心を閉ざして


言うべき言葉を


見失って


どれ、を望んで


それ、を選んで


まるでこれしか


選択がないみたいな


いっそ死んでしまえば


何も無くなってしまえば


答えが出るのかな


単純で最低な


最高の答え合わせだ。


意味を消してしまえば


理由も何もないのに


まるでそれが正しいみたい、


そんなわけないのに


いっそその手を振り払って


誰も彼も僕に憎んで


最後は僕が消えれば、


何も複雑な事はない、


何もかもが無くなるだけだ


それなのに、それなのに


誰だってそんなもの


望んじゃいないなんて


そんな嘘を吐いてまで


僕の意味を、


理由が、


どれだけ鮮やかでも

僕の瞳には残らない

張り付いたまま

動かない道化師は

曖昧に笑ったまま

逃げ道を塞いで


「僕が正しいんだ」って

そう言って遠ざけた

本当の言葉は

一体どこに落ちて

まるで着地点の無い

取り留めも無い

夢の様な現実を並べた


夢見がちの僕の理想を

色褪せたみたいに

つまらなそうに口を尖らせて


「一色の何が正しくて

何が正しくないかなんて

分かりはしないし、知らない


それでもまるで、まるで何も

最初から無かった様な

空白を選んだって何も変わらない」


そうだろう?そうだろう?って

まるで鮮やかな世界が

僕の目の前に敷き詰められて

その上を辿る僕の足跡が

何時になく饒舌で


きっと愛おしいんだろう?

その言葉の先で僕が

満ちている色彩に溺れたって

そうだっていいさ。


「そうやって生きれたらいい」


正しさを殺してまで

手に入れた世界で

鮮やかに呼吸を続けて

鼓動を積んでいくだろうから



弱虫の僕が

見ないでくれと叫ぶ

覆い隠した両目は

何も映さないのに


真っ暗、暗闇で

僕らしさを一人探して

なんだって僕なんだ、

どうでもいいことすら

殺してしまえと

握ったままのその刃を

喉に突き立ててみなよ?

たったそれだけの事なのに

涙が溢れてしまうんだ


伝えた言葉の先で

また死んでしまったと

踏み躙ってさ

こんな何も聞こえない

耳を塞いでしまえば

声なんてないんだ

誰も変わらないよ


だって君は

知らないんだろう?


僕ばっかり飲み込んだ

苦いだけの現実が

放れていく掌を

嫌にリアルに映すから


ねぇその瞳は

一体誰の為?

消えたって分からないだろう?

殺してしまったと

嘆くよりも先に

その喉に突き立てて