忘れてしまうのだろう?

夢見た事さえ

名前も全部忘れて

膨らんでは吐き出す

呼吸を繰り返すんだろう?


小さな言葉を描く

それは理想郷の様で

悲しげな君の横顔を

僕は何一つ知らないんだ


きっと愛おしいと

言えない僕は弱虫で

眩ませた視界と

存在理由はその後で


霞んだ世界は

雨が降った後の

澄んだ空気に

僕は何も伝えられず

言いたい事は

全部全部胸の内に

隠してしまおうか

何一つ気付かないで


忘れた事さえ

今は忘れてしまって

夢のその先の理想に

僕は名前を付けたんだ

それでも僕は

何一つ言えないまま


寂しそうに瞳を揺らす

君の声に泣きそうになりながら


きっとそれが

愛おしいということなんだろう?

それだけは知っているよ

分かっているよ


忘れてしまったとしても

その手を取ることを

躊躇わなかったんだから、


差し出した夢を

静かに噛み砕く

飲み干したその瞳は

カラカラと笑って


掠れた喉で

吐き捨てた幻想を

黒く塗りつぶした

罪ばかりの夢と

罪悪に満ちた虚ろと

目蓋に貼りつく

無限の回廊を覗いた

誰も選べないのでしょう?

鮮やかな言葉も

色褪せた世界も


散らばったまま

何も戻さず

思い出は綺麗なまま

鍵をかけてしまおうか


欠けた事には

誰も気付かないで

私は拾い集める

それが本当に

望んだ事なのか

分からないままに

忘れてしまえば

罰を嚥下するから

置き去りにされたままの

私の幻想に溺れる


明日は、きっとそうであろう。

笑えもしないまま

カラカラと目蓋が張り付いて

言葉の一つ出せず

声の一つあげる事も

もう叶わないのだろうけど


言葉を失って

見えた明日の色を

僕が殺した


どれだけの愛で

呼吸を止めてしまって

忘れてしまうんだと

零したってさ


意味なんてないよ。

夢の一つも

見れないんだから


死んでしまおうか

きっと楽になれるよ

誰も何も知らないで

誰も何も気付かない

そんな世界なら

きっともっともっと、

呼吸がしやすかったんだ


仮初の世界で

夢を騙る様に

ハリボテの檻は

簡単に壊れてしまうだろう?


こんな言葉で

明日を殺めてしまうなら

僕の吐き出した嘘を

全部飲み込んでしまって


理由なんてないんだ

夢の一つに

胸打たれるくらいなら


最後を選んで

最初を弔う

手向けたものは

きっと継ぎはぎだらけ


それでも笑っているよ

どれだけ辛くとも

明日を殺した僕の心を

君が許さない限り


忘れたふり、

幼い記憶を辿る様に

夢を食んだ


緩やかに嚥下する

詰まりそうになる喉を

必死に抉じ開けて

一つも残したくはないんだ


許しておくれよ

何時しか失った

表情の奥底で

冷たく固まった

感情が転がってるから

静かに頬を伝う

涙を選んだんだ


忘れないでほしいと

何も言わずに笑う

曖昧に解いた心は

まるで撫ぜる様に

掌を擦り抜けるんだ

鮮やかにくすんだ

まるで『本当』を隠す様に

欺いた仮面の裏を

君は知らないだろう?


僕だってそう、

忘れてしまいたいんだって

付き従う影の様に

歪んだ表情を隠して

それでも此処に在る。


幼い心を撫ぜて

口に含んで甘くなる

世界を僕は知っているから


夢の様に、

忘れてしまわないで。


その口を塞いで

只管に遠ざけて

抜けていく力と

零れ落ちた

意識の最果てを

覗いたのは誰だった?


子供の様な言葉で

死んでいく何かを

静かに見ていた

湖面の様な瞳は

凪いだまま忘れていく


だって、誰も望んじゃいない。


地面に散らばる

誰かの思い出も

語る事はなくて

消えていってしまう

そんな単純な物なら

最初から要らないんだ

最後まで要らないんだ


誰も選びやしない

取捨選択ばかり

弱肉強食の世界は

誰も彼も目を逸らして

誰も彼も優しくない


きっと、それで良かった


変わらないでいようと

知らないでいようと

笑顔を浮かべたつもりで

何時もどおりを演じたつもりで

歪んだヒビを映す


世界は痛みを覚えて

熱を孕んでしまった様だ

苦しくなる呼吸と

抑え込んだ嗚咽を飲み込んで

崩れていく言葉を壁を

見ない様にしてさ、


笑う事も泣く事も

全部全部捨てたんだって

そう言って笑いながら泣いたのは

他でもない君だったろう?