終わっていく最終選択権を

誰が君の為に差し出すだろうか


さようならを浮かべて

振り払った銃口は

並べた現実を

丁寧に打ち落としていく


仮想的だろう?

蹴り倒したお人形を

大好きだなんて口にして


悲しい言葉を選んで

涙を浮かべて喜んで

そんなお安い芸ならば

さぁ一つ終わらしてごらん

そんな事に興味もないのに


笑い声に硝煙を呑み込んで

何処までも重ならない価値観と

主体的な脳みそを

大好きと嘯くんだろう


コンクリートの街角じゃ

誰も見やしないよ

最後の曲がり角じゃ

知らない誰かの双眸で

踊る二人で微笑んで


偶像的だろう?

そのお人形を愛したのは

嘘の様なお前の口先で


明け渡さない心の先は

誰も信じやしない癖に


生きる事が辛くなければ


舌で転がす苦みも

喉を震わす涙も

全部全部投げ捨てて


貴方を苦しませるもの

貴方を悲しませるもの

貴方を立ち止らせるもの

貴方を惑わせるもの

全部全部取り去って


貴方を胸元に咲き誇る

一つ一つにキスを交わして

どれでもいいんだよって

笑ってあげるのに


生きる事が悲しくなければ


きっと僕は貴方を

もっと愛せただろう

一つ呼吸をして

その声で

その瞳で

その腕で

その愛で

僕は貴方を

何一つ違わず

愛する事を

戸惑わなかっただろう


生きる事で死ななければ


最後の言葉なんて

何一つ要らなかっただろう

必要な言葉達は

どれもこれも悲しく

どれもこれも重くて


どうしたって愛を

語るには足りない

言葉が何一つ

足りなくなるんだ


今一つ愛を語るなら

僕が貴方と生きた日々を

歩き出した終焉と

引き連れた絶望にキスして


貴方の胸元に咲き誇る

最愛を殺める術を

僕は永遠の愛だと思ったんだ


選んだ道が正しいとして

僕はどれだけの犠牲を

この道の上に置いてきたのか


その始まりは

もう思い出せないけど

たくさんの言葉が

目の前に落ちていて

鮮やかに色付く

鮮烈に息衝いた世界は

何度も目を開けて


正しさを掲げた

その呼吸の先で

君は笑う事もなく


選んだ道が間違っていたとして

僕はそれを間違いだと

果たして言い切る事が出来るのか


道の先で転がる死骸が

どれだけ僕を責めるのだろう

その歩みを淀ませる

霞んだ笑みの上に沈む十字と

失くしただけの言葉と


さよならは要らないさ

選んだ道の正しさを

僕はきっと必要としない


どちらだって良かった

僕が僕であるなら

選んだ事実があるなら

僕はどちらだって良かった


嘘を伝えないで

優しいなら

本当だけを口にして


泣かないで

だけど辛いなら

そんなに笑わないで

苦しいだけの言葉なら

知らないふりを続けて


降り続く雨の上

立ち竦んでまで

続けないで

そんな舞台なら

いっそ飛び降りて、


終わらせてしまって

嘘だらけの世界なら

もう二度と

君と逢えないなら

そんな世界なら

何も要らない


必要な言葉を並べて

本当だけの信じて

笑っていられるなら

僕が此処に居る事

静かに笑ってまで

泣いてしまうって

そう言って笑っておくれよ

何も返さない君の声を

僕は知りもしないで


冷たく微笑む君を

そんな雨の中で

嘘だらけにしてしまうって

怖くなってしまって


君の為の嘘だなんて

そんな嘘をついてまで

君を望んだ僕の最後を

君は笑うだろうか

それとも泣くだろうか


どうしたって分かりはしない

それでも君の為の嘘を

本当に信じていたんだ


明日が終わるなら

君は笑うだろうか

皺くちゃに投げ出した

シナリオ通りの台本と

静かに差し出された絵本と


その夢の話が本当なら

この夢の話が嘘であれと

痛いだけの心に触れて

優しく傷口を撫ぜて

溢れ出した感情なんて

何処にも行きやしないよ


眠る様に沈んでいく

君を傷付けた愛の話を

柔らかに語るその声に

僕は何度泣いてしまっただろう

薄くぼやけていく意識に

溶けていく君の声を


明日がこないというのなら

どうしてこの胸は

こんなに痛いのだろうか

夢を見ただなんて嘘吐いて

投げ出した四肢を抱いて


身体の隙間から覗いた

その闇の事ならもう良いよ、

夜が終わる日の事を

真白なページを捲りながら

君はその瞳に静かに湛える

悲しみを僕は知っていた


明日が終わるんだろう、

眠りながら沈んだ

君を傷付けた世界を

僕が愛せるように


その話の続きを

君が話せるように