諦めた回数と

反芻した情報

突っ掛かっては

喉奥に刺さる

些細な傷痕が

微かに痛みを漏らして

「ああ、終わるんだな」と

誰かが遠くで呟いた


その手のナイフは

頸動脈を静かに見据える

狙い定めて嘘吐いて

赤く滴る悲しみも

それしか要らないって

転がす様に上乗せして

夢が見たいのは僕じゃない

そう言って胸に仕舞った


箱の中じゃ本音は言えなくて

だけど抑えきれない本能と

隠したままの理性が

曖昧な境界線をなぞった

変わりなんてないよ

僕は僕だけなんだと

口端あげるように笑えば

確かにそうだ。

隠しきれる気がした


振り上げた腕も


下ろされたナイフも


見開かれた瞳も


引き攣った喉も


掠れた声も


全部本当の事で


愛されたいと嘯けば


安い答えと共に差し出される




貴方の愛を僕は一人噛み砕いた


きっとそれが、そうなって

ぼくが、あれをこうして


そうして、どうして。


こうなって、そうやって


何度も何度も誤魔化して

嘘吐いて、馬鹿にして

浮付いて、沈んで

僕は生きてきた

僕は生きていた


吐き出した言葉も

吸い込んだ感情も

幾つあったって足りなくて

幾つあったって多過ぎて

きっと僕の欠けた部分が

痛みを孕んで

膿を溜めているんだって


気付いても痛くて

結局そんなもんで

それならどうしたって

苦しいものは苦しくて

耳を塞いだって

目を閉じたって

離れない言葉が

何時までも僕を苦しめる


貴方はそんなつもりじゃなくても

僕が殺した心が

叫んでいるんだよ

掻き毟った胸が

犇めく心が

ざわめいて離れない

離さない


どうしても、どうしても。


あれが、そうして、

こうなるんだよ。


どうしても。どうしても。


愛しくて、悲しくて

優しくて、苦しくて、

温かくて、寂しい。


寂しい。


どうしてだろうね、


貴方は何処にもいないのに。

貴方は此処にいたはずなのに。


胸が犇めく

死にたくなる程の激情

誰にも気付かれない様

静かに奥に仕舞って

笑いかける様に

全部隠して


見つけたのも

思い出したのも

僕が僕でいれる様に

色付いた世界も

鮮やかに死んでいく世界も

終わりを迎えて

僕を置いていくんだ


滑る頬を辿って

何度だって言うのに

言いたいのに

君は耳を塞ぐ

だから言えなくて

胸の中に溜まっていく

本当の言葉も

隠したい事も

届かないで墜落していく


どうして手を伸ばさない

どうして、なんて

とても勝手な感情

それでも死にたくて

けれど望みたくて


呼び起こす様に

目蓋をあげれば

極彩色の世界が

死んでいくから

僕が生きていくんだ

笑えなくても

殺した心も

もう一度呼吸し始めて

また僕が此処に還って

微笑む様に


世界が死んでいくんだ


耐えきれない事も

足りない事も

我慢する事を覚えて

爪を立てて

唇を噛めば

ほら、

何も無かったように

また笑えるから

気付かないで

知らないで


どれだけ辛くても

きっと届かない

変わってしまったのは

誰でもない

私なのかもしれないけど

それでも伝えたかった

言葉にしたかった事は

全部消えていったんだ


煙の様に

高くのぼって

水の様に

早く落ちれば


また笑えるかな

消してしまった事も

笑えなくなった事も

全部リセットして

隣で笑っていたいな


また耐えて、

耐えて、

耐えて耐えて耐えれば

また笑えるって

そう思ったのに

君はそう言うんだね

笑えてないよって

私の頑張りも

君の歪んだ顔も

滲んだ心も

全部無意味で、

悲しくて、

残酷なんだね


分かってたけど、

もう一度やり直して

君の手を取れれば

笑えるかな

笑いたいな、


今日を迎えられる、かな


腐りきった林檎

色落ちした脳みそ

嘘ばかりの色紙で

継ぎはぎ白紙返して

なんで愛されたいのさ


どうせ飛び交う罵声に

背を向けて逃げ出したって

意味がないの分かってるのに

少しでも遠くに在るのは

掲示板に書かれた言葉に

見えない僕を望んでさ

理想郷と現実世界の歪みに

枯れた喉が引き攣れる


叩かれた意識の端っこで

膝を抱えても

君が手を離しては

どうせ進めやしないし

それなら逃げろと

絶壁に向かって馬鹿をしでかす

死んでしまう前に終わるロンド


ただ愛されたいだけの嘘と

拡声器から漏れ出した

本当の思いが重いだなんて

なんという皮肉なのか


時間かけたお人形も

汚れきった洋服の紛れて

最低な言葉に

罵声皮肉嫌味の応酬と

幸せ混じりの溜め息零す

線路に乗っかっても届かないのに

この足で蹴り飛ばした

頑張るなんて

誰かの基準に倒れ込んで

どうせなら愛を語って

そのまんまと笑って

逃げ切れない現実に泣いてみようか

嗚呼だから嫌なんだよね!

(頑張るとか愛するとか誰かに認めてもらうこととか)