嘘を吐き出した

君を守る為の言葉は

何一つ連れてこれず

時間の中で

溺れていくのを見ていたんだ


優しい微笑みで

零さない様に

少しずつ飲み込んで

気付かないまま

その中に身を沈めて

目を瞑っていたって

そんな奇跡は

何時だって僕を待っている


忘れないでいてほしいから

守られるだけの空間で

君を笑えなくするなら

僕はこの腕で

君を抱きしめたいんだ

単純な答えだから

それを見失って

また君を嘘を吐く

何も伝えられない癖に

何も届かない癖に


温かな言葉と

緩やかに落ちていく

嚥下した

見つけた愛しさと

胸に中に咲き出した

一つの真実と君の事を


また笑えるように

愛しい夢の話を

君に伝えられる様に

何も残さない様に

描いていくだけの

そんな簡単なことで

夢に堕ちていくんだ


雨が降って、

止んで、

また降って

繰り返して

濡れ出す街の風景

僕は溶け込めない

断罪にも似た壁と

何時かの約束


涙なんて

紛れて棄てた

誤魔化した胸も

心の中じゃ

何の意味もなくて

痛みだけを覚えて

悲しくて辛かった


明日の事は

何一つ知らないけど

離したくない手の温度と

約束の中に忘れた

君の笑顔が

僕を殺した


傘を差しても

濡れてしまうから

選んだ事より

痛みを無くしたくて

失っただけの

優しい嘘吐きを

僕は突き飛ばした

もう笑えない癖に

溶け込めない僕は

痛いだけの世界が

本当に苦しかった


それだけの事なのに

また雨が降るから

残った痛みも

誰かの傷跡も

辿れない苦しさも

裁けない罪も


全部終わるんだ

全部、全部。


そうやって、殺すんだ。


悲しげに歪ませた表情

晴れない空に吐き出す

重たい心持ち続けて

誤魔化した言葉も

君には伝えられなくて

ただそれだけの事が

何処か傷を付けていく


腫れた目蓋をなぞって

君に問いかけた

覚えているのかも

分からないクセに

ただ一言が伝わらなくて

食い縛って耐える

握りしめた掌

もう忘れたのか


千切れてしまったものも

優しい嘘なんか

必要じゃないのに

笑いあえない未来なら

僕は要らないのに

どうしていつも

上手くいかないんだろうね


触れられない距離と

晴れない空と

忙しなく動いていく時間に

僕らは変わっていく

何かを失くして

何かを手に入れて

傷付いた心と

雨が降り続けた窓の外

君に言えた言葉は

ただ一言だけだったんだ


上辺だけの言葉と

トラブルだらけの人生に

辟易してるところで

貴方の言葉なんて

届くわけもなくて


「幸せとはなんでしょう」


問いかけのように笑って

私が握るその鍵を

嘲笑うように指差した


もう一度繰り返すつもりかと

貴方はそう言うけれど

繰り返すだけの人生も

繰り返すだけの言葉も

感情も何も持ち合わせてなくて

一度だけの行き当たりばったり

無計画な私なんて

何の心配も得もないわ


だから縛るだけの鍵も

南京錠も必要ないの

ただ人を信じる事に

少し疲れただけだから


思い出せないからと

その瞳を静かに閉ざした

生まれ変われるなら

望んだ世界だけ

どうしても手に入らなくて


愛おしいと思うたびに

何処か遠くのところで

誰かが泣いてしまうから

消してしまった感情と

滲んだ視界の中で

君が笑うんだ


きっと幸せなんだ、

そう言えたなら

何も思わなかっただろうね

本当のところは

苦しいんだけど

変わらないだけの思いが

キツく胸に犇めくから

忘れたいと零した言葉だけ

誰かを傷付けてる気がした


逃げたいなんて

言えるわけもなかったのに

弱い僕が望んだ世界で

君が笑ったままに

眠りについてしまったから

その瞳には

もう何も映らない

世界も、僕も、優しさも

閉ざしてしまった心ごと全部

生まれ変われたら良かったのに


どうしてだろうね、

やっぱり滲んでしまって

泣き虫なままの僕が

君に笑いかけるんだ


もういいよ、なんて

優しい世界を望んだって

君がいなければ

なんの意味もないのに


幸せなんて

そんなもんなのに