部活動の地域移行問題 | フクロウのひとりごと

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部活動の地域移行の問題については過去にも何度か書いていますが、日本部活動学会会長の神谷拓・関西大学人間健康学部教授が書かれたコラムがありましたので、それを紹介して、きょうは少し書いてみようと思います。

こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 


 

 

  学校か地域かという議論は不毛

 

そのコラムはこちらです。
読んでみてください。

 


さて、いかがでしょうか。
どう思われますか。
ぼくは、この見解に概ね賛成です。
部活動の地域移行、このままではいろいろと問題があるように感じています。

 

 

  お金の問題

 

まずは、お金の問題。
吹奏楽はお金がかかります。
楽器、そのメンテナンス、楽譜、消耗品、会場費、遠征費、指導者への謝礼…
こういうものにかかる費用をどうするのか、明確に答えられる人はいません。
受益者負担は必要だとの声もあるようですが…
もうすでに、受益者はけっこうな負担を負っていると思うのですよ。
こちらの記事にも書きましたが…

 


一千万単位のお金が年間に動く吹奏楽部もある。
格差は広がるばかり、という感じに見えます。
かかるお金について、文科省も自治体もなんにも言わない。
なにも考えていないように見えますね。
どうするつもりなのでしょうか。

 


  場所の問題

 

地域の受け皿、それに必要な会場、それは全然不足しているように見えます。
これについては、学校を開放するよりほかに解決策はないように思われますね。
少なくとも、それ以外の解決策がこの2~3年程度で見つかるようには思えません。
 

 

  エスカレートしたのはなぜか

 

以前、部活動改革ということがしきりに言われましたね。
あまりにもエスカレートしすぎだ、と…
そもそも、部活動がこんなにエスカレートした原因は何なのか…
大会の成績がすべて、というような捉え方に偏重していったからですよね。
もちろん、『目標』を設定することは有意義だと思います。が、
『学校の名誉のため』的な捉えられ方にも問題があるように思うのです。
そもそも部活動って、学校の名誉のためにやるものではありません。
では何のためにやるのか…

それを忘れてしまったから、こんなことになってしまうのだと思うのです。
もちろん、進学の内申書のためでもありません。
 

 

  切り離して何が残るのか

 

たとえば部活動を学校から切り離して、学校にいったい何が残るのでしょうか。
朝、学校に行って、教室に入って、6時間か7時間授業を受けて、4時くらいにはさようなら。
自分自身の学生の頃を思い出して考えてみても、それって何もないに等しいような気がします。
そもそもそれ、学習塾や予備校と、いったい何が違うのでしょうね…
いや、もしかしたらそれ以下かもしれません。
言いすぎでしょうか?
 

 

  やりたい先生

 

早く部活動を学校から追い出せと言う先生もおられる一方で、こんなふうに言われる先生方も…
「やりたい人だっているのだから、邪魔をしないでもらいたい」と…
改革とか移行とかいう動きによって、不自由を強いられている先生方や子どもたちも少なくない。
そのことも、忘れてはならないように思います。
先生方に部活動の手当てもつけられない文科省に、

はたしてまともな地域移行が出来るのでしょうか…
永岡大臣、見られていますか(見られていないでしょうね…)
なんだか机上の空論を押し通しているだけのように見えてしまいますよ。
なにしろ、注意深く見守っていきたい問題ですね。

さて、みなさんは地域移行問題、どう思われますか。


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