裕福な家庭の子にしか出来ないような活動では… | フクロウのひとりごと

フクロウのひとりごと

愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
おもに吹奏楽の活動に役立つ情報を発信中!
バンド指導をご希望の方はお気軽にご連絡ください。

吹奏楽部なみなさん、吹奏楽部だったみなさん、活動にどれだけお金を使っていましたか。部費はいくらでしたか。楽器は個人持ちでしたか。お金がなくて活動を断念したことはありますか。吹奏楽はお金がかかる。でも…

こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 


 

 

  部活動の地域移行

 

今、部活動の地域移行が行われようとしています。
吹奏楽部も、国は、地域へ移行しようとしています。
吹奏楽って、お金がかかります。
楽器やそれに伴う消耗品などの高騰で、ますますお金はかかるようになってきています。
もちろん、指導者にだってお金がかかります。その負担を、

地域へ移行することでますます家庭に押し付けることになったら、どうなるのでしょうか。
そういうことを、国や文科省は考えているのでしょうか。
考えているようには到底見えないのですけども…
 

 

  お金がなくて

 

以前、ある高校吹奏楽部で、

月々1000円の部費が払えないからといって退部していった子がいました。
その子が辞めるとき、1対1で話をしました。
といっても、説得するとか問い詰めるとかではなく、ただただ話を聞く、傾聴する感じでした。
あのままなんにも言わずに辞めていくのではかわいそうだと思ったのですよね。
ほんとうは続けたいのだろうに…

生徒には、いろいろな家庭の子がいます。
決して、裕福な家庭の子ばかりではありません。
 

 

  いろいろな吹奏楽部

 

みなさんの吹奏楽部の月々の部費はいくらですか。
ぼくは、中学校の吹奏楽部では部費を払った記憶がありません。
備品の楽器をそろえる予算って、昔はそれくらいちゃんと出ていたのですよね。
高校の吹奏楽部の部費は、月々200円だったと記憶するのですが、違いましたっけ?

(誰に訊いてる?)
なにしろ、吹奏楽部にもいろいろありますね。
公立の学校で、部費を徴収することは禁止というところもあります。
そうかと思えば、毎年一千万単位のお金が動く吹奏楽部もあります。公立でも、です。
では、そのお金は一体どこから出てくるのか…
多くは、保護者からですよね。
でも、そんなふうであるのなら、

そこに入れない家庭の子は少なくないのではないでしょうか。
 

 

  格差

 

そういう、吹奏楽部間での格差、これは拡大する傾向にあるように思われます。
高額な部費や保護者会費を徴収する吹奏楽部。
備品の楽器なんか使えないから、入りたいのなら楽器を買ってくださいという吹奏楽部。
しかも、メーカーや銘柄、楽器店まで指定したり…
中学生や高校生に、『えっ!』と思うような高額な銘柄を売りつける楽器店…
活動費も年々増えているのではないでしょうか。
その一方では、お金がなくて満足な活動が出来ない吹奏楽部もある。
こういう極端な格差は、いったい誰が、何が作り出してきたのでしょうか。
それが地域へ移行されることで、ますます拍車がかかるとしたら…
あるいは、活動が停滞してしまうのだとしたら…
 

 

  裕福な家庭の

 

吹奏楽部、音楽を、裕福な家庭の子にしか出来ないようなものにしてしまってはいけない。
そう強く思います。
吹奏楽にはお金がかかります。
そのすべてを、家庭に押し付けるような改革であってはならない。
それでは単に『切り捨て』でしかありません。
これまでも、いろいろな意味で切り捨てが行われてきました。
コンクールの成績によって予算を変えるような学校もあると聞きます。
はたしてそれが教育でしょうか?
コンクールは、取り組み方によってはとても有意義なものです。が、
それではどこかなにかが間違っているように思いますね。
これ以上、格差や切り捨てを許してはいけない。
吹奏楽は、音楽は、やりたいと思えば誰にでも出来るものでなければならないと思うのです。

さて、吹奏楽部なみなさん、活動費、どれくらいかかっていますか。