暫くは人来ぬ郷や雉鳴けり
「方円」2012年5月号清象集掲載。
雉は日本の国鳥。春の繁殖期に己の縄張りを主張するため、「ケーンケーン」と高い声を出す。「人来ぬ郷」という表現をしているが、ここは奈良県明日香村。観光客がひっきりなしに来る場所でもある。しかし、観光エリアから外れると、普通の村であり、田園風景。普通の生活がある。そんな静かな明日香村に、雉が声を張り上げて鳴く。人の気配はないが、普通の生の営みがそこにはある。そんな光景を詠んだ句。
私の職場は京都市の南の方。通勤に近鉄京都線を利用している。奈良から京都までを走る路線で、電車には外国人観光客がよく乗っている。最近はその数が増えている気がする。こんな所にもいるのかという場所でもよく見かける。京都は一大観光都市。同時にそこで生活を営む人もいる。雉が鳴いていた明日香村は、観光エリアと生活エリアが明確に分かれているという印象が強かった。しかしオーバーツーリズムが叫ばれる昨今、人の営み、生の営みというものが脅かされるのではないかという懸念がある。どの地にも住民がいて、生活を営んでいる。それを忘れないように、土地の人たちに敬意を示すことが出来ればいいのだが、そう考える人ばかりでもなさそうだ。案じられる。
(絵はAIによる創作です)
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