糸瓜忌や床より望む庭の景
「雲の峰」2023年11月号青葉集掲載。
9月19日は俳人・正岡子規の忌日。絶筆の句「糸瓜咲いて痰のつまりし仏かな」から、こう呼ばれている。また子規が「獺祭書屋俳話」で俳句の独立を説いたことから「獺祭忌」とも呼ばれる。「病床六尺」という作品名からわかるように、長く病床にいた。今回紹介する句は、そこまで深刻なものではなく、朝目覚めて、2階の寝室から庭を眺めた。カレンダーを見ると9月19日。ちょうどその日は子規忌だったという、ただそれだけの事なのだが、「糸瓜忌」という季語を使う事によって、日常のなんでもない風景に重みを持たせた句。
2021年9月19日、母死去。今年で5回忌だが、偶然にもその日が糸瓜忌だったと知った。母は短歌を嗜んでおり、詩歌には多少興味があるようだった。単純に日付が一致しただけなのだが、何となく誇らしげに感じてしまう。これも何かの縁かもしれない。子規のように病床で紡ぎだす言葉には到底及ばないが、いつでもどこでも、言葉というものを磨いていかねばと、改めて決意した。
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