顧問CFO川井隆史のブログ -92ページ目

重要業績評価指標を変えるということ -携帯大手の戦略転換

 今日は久しぶりに梅雨らしいしとしとと雨が降る日です。


しばらくずっとお客様関連でかかりきりだったので事務所で山の


ようにたまった残務を(のんびり?)処理していきたいと思います


  さて、KDDIが通信事業の収益性を表す指標として従来ARPU


(1契約あたり月額平均収入)からARPA(1契約者あたり月額平均


収入)に変えると発表しました。このような指標をKPI(重要業績評価


指標)と呼びます。






この意味づけとしては、たとえば財務的目標が営業利益だとして、


経営者がいくら「営業利益をXX億円ににするぞ!」と号令をかけた


としても現場の人は何をやっていいかイメージがつかないでしょう。


そこでたとえば1契約あたり月額平均収入をKPIとすれば(単純に


それだけがKPIだとすれば)契約にいろいろなオプションを付けて


単価を高くするなどの方策をとるでしょう。よいKPI、個人的にキラ


ーKPIなどと称していますが①最終的な目標と正の相関関係が


ある②現場サイドの具体的な行動につながるがポイントと思い


ます。たとえば、非常に単純にKPIが契約者数を伸ばすことだけ


だったとすると、②の契約者数を伸ばすための具体的な行動に


はつながりますが、利益を無視した値引き競争で最終的な目標


である営業利益的にはマイナスになってしまい、①の最終的な


目標に対して負の相関になるかもしれません。


 このようにKPIはその企業の最終目標に至るための戦略を反映


しているものであり、KDDIも単に携帯の1契約で収益を獲得する


のではなくタブレットなど他の携帯ではないサービスで総合的に


顧客を囲い込もうという戦略の変化が見て取れるわけです

国際通販課税 -アマゾンを狙えか?




昨日から出国税制度が始まりました。ざっくりいうと1億円以上の有価


証券等を所有している日本の居住者が海外に移住すると(または非


居住者に譲渡)、その含み益に(売却したと仮定して)課税するもの


です。そのせいか、昨年周りにシンガポールや香港に移住してしまう


人が何人かいて少しさびしい思いをしました。


  さて、国際通販業者で現地に倉庫だけ持っている場合、恒久的


施設(PE)とはみなされないのでその国で課税されないという部分を


見直して倉庫をPEとみなおそうという動きがOECD諸国で起こって


いるようです。日経新聞の例ではアマゾンの日本法人をあげてい


ますが、この元はアマゾンが欧州でタックスヘイブンのルクセンブ


ルグに現地法人を持ってほとんど他の欧州の国で課税されてい


なかったことから始まったのではないかと思われます。


まだ、OECDから出ている原文等は見ていないのではっきりしませ


んが、これは通販などのその国に店舗を持たないB To Cに限定さ


れるようですが、特に新興国などでは拡大解釈をしてPEとみなし


て課税するのではないかと心配されいています。確かに特に中国


などでは地方政府がPEを恣意的に運用して海外企業に課税する


といった例をちらほらと聞きます。



日本の一般的な大手企業だと税務部門というのは経理の中の


「税金の計算や申告書を作成する」作業をする部門ですが欧米


系のグローバル企業だと税務部門は「税金を安くするスキーム


を創る」クリエイティブな部門でKPMGやEYといった国際税務事


務所から年収最低数千万で引き抜いてきたつわものが集まる


部門です。このあたりで税金に関する考え方はずいぶんちがう


なあと思う次第です。

骨太方針決まる -危機感が感じられず




昨日臨時閣議で経済財政運営の骨太方針が決まったようです。


私のような民間の人間の感覚だと本来は実抜計画(実行可能な


抜本的な計画)でなければならないはずです。債務超過かつ営業


キャッシュフローがマイナスの企業がここ3年で売上を増やす計画


を立てるからコストの増加は認めてくれなどと計画を出しても普通


は認められません。基礎的財政収支を18年度にGDPの1%程度に


するという計画なようですが、普通3年もかけて営業キャッシュフロ


ーが赤字などという計画はまず許されないわけです。


かつて民主党が行った事業仕分けは評判が悪いですが、劇場的に


行ったことと、仕分け後モニターする仕組みがなかったというやり方


の問題だと思います。国の事業再生と考えると①国が行っている事


業をゼロベースで金額的重要性のあるものから精査して止めるか


継続か決める②調達価格の妥当性を精査するといった地道なコスト


削減を行う③集中購買のようなやり方で調達価格を下げるなどの、


いわゆる大胆な歳出削減が必須だと思われます。


必ず出てくるのが歳出削減の景気への影響ですが企業でもコストを


削減すれば売上に影響が出てくる可能性はあります。ただ、歳入に


影響を与える景気の低下をどの程度抑えるかはやり方次第です。


普通は一定の尺度で景気に与える影響と歳出削減を事業ごとに


2軸でプロットしていけば見えてくるとは思います。当然国は巨大で


複雑さは相当だと思いますが基本は一緒だと思うわけです。