顧問CFO川井隆史のブログ -91ページ目

国立競技場問題を整理する




国立競技場問題でもめています。大きな確実な問題点として整理


すると以下の3つかと思われます。①総工費が2500億円と当初の


1625億円から著増した②維持費が50年間で約1046億かかる③


年間収支が見込みも3.3億から3800万へ減少(維持費をいれずに)


の3つかと思います。(デザイン自体の可否や建築構造的な話は


よくわからないのでそのあたりはすみませんが問題点としていれ


ていません)はっきり言ってこれほどプロジェクトの収支が変わっ


たら、企業のプロジェクトであれば100%やり直しです。しかし、これ


は独立行政法人日本スポーツ振興センター(JSC)の有識者会議


で了承されました。


  JSCの理事長の河野一郎氏は筑波大大学院教授で、残りの理事


4人のうち2人は文科省からの天下り官僚、1人は国立競技場プロ


パーで実質的に文科省の支配下にあると言ってもいい団体です。


役所のやることの不思議さはいったん計画を作ってしまったら後


でそれが間違ったことがわかっても、修正せずにそのままやって


しまうことです。今まで河口堰やダムの問題でずっと我々が目に


してきたことです。また、「有識者会議」などという何の権限も責


任もない機関が最終意思決定機関というのも役所が行う常


とう手段です。


  確かに国立競技場をデザインからやり直したら今までのコ


ンペ等にかかった費用含めてすべて無駄になるでしょう。しかし


これはサンクコストでありもともとこのまま計画を進めても回収


できません。すべてのやり直しを含む収支を総合的に見ての


判断が必要かと思います。


 株式会社であれば収支が赤字になるとわかっていて投資を


行った場合、刑法的には背任の可能性があると思われますし、


会社法的には株主代表訴訟の対象になるでしょう。独立行政


法人も「独立」と名乗るならばその程度の覚悟は決めて行って


ほしいものです。赤字になってその部分が税金で填補された


場合は国民がその損害を理事等に填補するよう請求できる


方法はないのでしょうか?有識者会議が決めたとしても理事等


には意思決定を委任した責任があるはずです。是非法律家の


方はその方法を考えていただき声をあげていただきたいです。


目的はJSCの方々にもう少し重い責任を認識して、このプロジェ


クトを進めてほしいからです。

世界遺産を巡る韓国との紛争とヤクザ流交渉術




 最初に断っておきますが自分の基本的関心は企業経営なので


特にこの文章で嫌韓感情をあおる意図は全くありません。ただ、


基本的に日本政府と韓国政府の交渉を見ていると事なかれ主義


の大企業と知性派ヤクザの攻防を見ているようです(実は自分も


以前交渉をしていたことがありました)。企業経営支援に携わる者


として他山の石にしたいと思っています。外交は所詮勝てば官軍


なので残念ながら多少下品なやり方であろうと勝った方が正義です。


そういった意味で日本は”Forced”を入れられた時点で決定的な負


けで、今後はこれを突破口に世界中で街宣活動等(世界中での抗議活動)な


どが始まるでしょう。



 ヤクザの交渉はまずどこか脛に傷をもつ企業を探し出すことにありま


す。そして因縁をつけていくわけです。私は従軍慰安婦や強制労働


問題で日本人が反省をすること自体は否定しませんし、全く事実無根


とは思っていません。しかし、ここではヤクザと一緒でことさら大きく


騒ぎ立てて、慌てさせるのが韓国の第1ステップです。すねに傷を持って


いても事実を誇張し騒ぎ立てたら、誇張部分ははっきり否定して毅然


とした態度をとらなくてはなりませんし、うろたえては相手の思う壺です。


 ヤクザもそうなのですがいきなり最初は大金を吹っかけますが、ある


程度相手が抵抗するといったんはひきさがります。そして小さい条件で


妥協を迫ります。「これで終わりにするから・・・」と言われて、事なかれ


大企業などはついお金を払ったりしますが当然これで終わりません。


(いわゆる河野談話に当たります)これを既定事実としてどんどん要求


はエスカレートしていくわけです。断ると街宣車で騒いだり怪文書を配


ったりとどんどんプレッシャーをかけていきます(世界中での慰安婦像


などは街宣車のようなものです)。今回の世界遺産騒動のようにいった


ん納得したように見せかけて直前にひっくり返したり、硬軟使い分けて


揺さぶります。


 ポイントはどこかというと基本的に妥協しないことです。もとから丸く


収める気はもたずに、腹をくくらねばなりません。そういった意味で安


倍首相は朴大統領と会談はしないなど、よく我慢しましたが、やはり


修羅場をくぐっていない官僚は最後に安易な妥協をしてしまいました。


直前でちゃぶ台をひっくり返すのはヤクザがよくやるテクニックです。


特にいったん収集の目が出てきたところでのちゃぶ台返しは、ついつい


現場の担当者(官僚的な人々)は上から叱責されるのが怖くて安易


に事態を収拾させようとします。しかし、これは終わりのない要求の始


まりになるでしょう。



 私は日本が事なかれ主義である限り韓国がこのようなヤクザ的交渉


術を使うのは下品であっても外交の戦術としては正しいと思います。


繰り返しになりますが外交は最終的には勝った方が全てを正当化で


きます。当然企業を脅すヤクザは悪かもしれませんが我々は


「相手が悪い」など言っても何も解決しません。自分自信が毅然とした


態度で自分自身を守っていかねばならないのです。

東芝不正会計の裏側に何がある -つるし上げ会議

 週末、東芝の不適切会計に伴う損失は1,000億を超えるといった


記事が新聞紙上をにぎわせました。それに対し会社側はプレス


リリースを発表してそのような確定した事実はないと述べていま


す。意外に新聞の誤報は多いのですがこの手のニュースはわり


と確かな筋からのリークが多く、おおむね正しい気がします。





東芝のプレスリリース http://www.toshiba.co.jp/about/ir/jp/news/20150704_1.pdf


 さて、ほかにこの関連で興味深いのは一種の「つるし上げ会議」


の記事でした。定例会議で予算未達だとひたすら事業の責任者


が長時間皆の前でつるし上げにあうといった記事でした。これは


あくまで想像ですが、予算自体も上意下達でかなり達成が困難


な数値目標が与えられ、それが達成できないとひたすら責めら


れるといったことが常態化していたのではないかと思われます。


 当然数値目標はストレッチした達成にはある程度努力が必要


なものが必要です。しかし、現実から離れた無理な目標を上から


与えられれば必然的に下は不正をしても数字だけは創ろうと


します。私は、特に大企業でビジネス上の結果はでていないの


に「数字だけを創る」作業に大きな労力が割かれていることに


悲しい思いを抱いてきました。売上でいえば最初は得意先に


必要以上に早く納品を依頼することから始まりますが、どん


どんエスカレートして最後は会社側で得意先名義の倉庫まで


用意してそこに納入したりが始まります。こうして「数字を創る」


レベルから「不正」レベルに徐々に入っていくわけです。一般


論ですがたいてい「厳しい」レベルでは不正には走らず「理不


尽に厳しい」と不正に走ります。


 「つるしあげ会議」が意味のないことは「できなかった理由」


をひたすらネチネチと追及することだからです。当然怠慢でやって


いなければ追及されてしかるべしですが、おそらく東芝レベルの


一流企業の上級管理職ではその可能性は低いと思います。そこ


をひたすら「できなかった理由」を追求していけばたいてい「XXを


やっていなかったからだ」というような結論になりがちです。このよ


うな思い付き的な「XXをやるべき」というのはたいてい総花的にやる


ことを増やし経営資源を浪費するだけです。

 

 本来会議の意義は困難な課題に対し皆の英知を集め新たな解決


法を見つけることにあります。ひたすら上意下達的に責めて萎縮して


嫌な気分になる会議で英知は絶対に浮かびません。残念な会議が


不正会計の裏側にあったと言えるでしょう。