シェアーエコノミーと旅館業法
欧米などではシェアーエコノミーが広がっていますが、日本では規制
の壁に阻まれてなかなか浸透しません。カリフォルニア本社のAirbnb
(エアービーアンドビー)は約世界190か国にサービスを広げていて
いますが、日本では旅館業法の壁に阻まれています。これは自分所
有の空部屋を旅行者等に貸出すことを仲介するサービスです。自分
の空いているリソースを他の人に分け合うというシェアーエコノミー
は世界では広がっていますが、たとえば日本ではタクシー配車アプリ
のUberが福岡で実験を行おうとしただけで国土交通省から指導が
入り中止に追い込まれました。
旅館業法を見たのですが第一条を見ると 「この法律は、旅館業の
業務の適正な運営を確保すること等により、旅館業の健全な発達
を図るとともに、旅館業の分野における利用者の需要の高度化及
び多様化に対応したサービスの提供を促進し、もつて公衆衛生
及び国民生活の向上に寄与することを目的とする」とあります。
皮肉にも「利用者の需要の高度化と多様化に対応したサービス
の提供を促進」するための法律です。おそらくどこが違反かという
と第3条2項「その申請に係る施設の構造設備が政令で定める
基準に適合しないと認めるとき」であって、要するに政令に委任
されておりそこで違反ということです。政令は閣議決定ですが
要するに官僚が決めたことです。官僚の決めることというのは
基本的に既得権益を守る現状維持という印象です。
確かに、野放図にシェアーエコノミーを放置した場合、安全性に
問題があったり、犯罪利用が出てきたりと副作用はあるかと思
われます。ただ、事細かく政令で何でも規格を細かく作成して
縛ると、活力ある社会の発展を大きく阻害すると思われます。
是非、外国人の旅行者を増やす意味でもその立法趣旨ともいえる
一条を生かし「利用者の需要の高度化と多様化に対応したサー
ビスの提供を促進」してほしいと思われます。
シャープ赤字350億ー回復はあるか?
いつも不思議に思いますが、日本経済新聞にまだ決算発表前なの
に第一四半期のシャープの営業赤字が350億という記事をみました。
事前に決算情報が漏れるのが当たり前のようになり、感覚がマヒしつ
つありますね。
さて、一方2014年のシャープの指標をみてみましょう。粗利益が
22.5%(在庫評価損調整後)で売上高販管費率が15.6%でした。デバ
イス業でベンチマークとして村田製作所をあげると同時期で粗利益
率は40%ただ、売上高販管費率は19%あります。パナソニックを
見ると粗利益、売上高販管費率がそれぞれ28%、23%です。
このようなラフな分析でもシャープの問題は浮き上がってきます。
絶望的に粗利益率が低いということで、工場稼働率の問題もある
かもしれませんが、基本的にはきっちりマージンが取れるモノが
ないという厳しい状況でしょう。
リストラと言われるものにもざっくり2通りあり、一つは贅肉を削る
で一つは病巣を摘出するです。売上高販管費率を見るとおおむね
贅肉は削られ逆に戦力となる人間が抜けたりといったむしろ筋肉も
そぎ落ちてしまったのではないかと巷では言われる状況です。
もう一つの病巣を摘出するですがこれはいわゆる外科手術的に問
題があるビジネス自体を売却または清算等により切り離してしまう
ことです。メディアが伝えるところによれば液晶パネル部分が収益
性的には病巣で、人でいえば病巣が命に係わる臓器、たとえば
心臓にあるような感じではないでしょうか。一方、病巣を摘出した
ところで元気になって全体を引っ張って行けるようなビジネスが
ないと企業も生きていけません。
シャープとしてはこの病巣である液晶ビジネスを摘出する外科
手術的な対応をするか、逆にこの分野に徹底的に資源をつぎ込
んで回復させる内科的手法をとるのかここ1~2か月できっちり判断
する必要があるでしょう。中途半端では生き残れないそのような状況
に追い込まれていると見えます。
安保強行採決に見られる合意形成意思の欠如
安保強行採決まで議論は116時間費やしたそうです。確かに時間
だけ見れば十分に審議を尽くしたと言えますが、では何が話し合わ
れたかというとひたすら集団的自衛権の行使が違憲かどうかの
解釈論に終始してしまったという感じです。本当はテロや強権的
国家である中国やロシアの台頭といった状況の中で日本国防と
いうものをどう考えるかの議論を深めてほしいと思っていました。
確かに軍国主義の台頭はもってのほかですし、アメリカにべったり
だったため、そのままベトナム戦争に参加させられた韓国のよう
にはなりたいとは思いません。しかし、一方で「日本は平和国家
ですから侵略しないでください」と言ってもテロリストやロシア、
中国など軍事力で事態を打開しようとする国々に囲まれている中
で平和ボケと言われても仕方がないでしょう。
難しい「合意形成」をどのようにしたら良いかということは自分も
ビジネスの中で考えてきました。やはりその中で共通点が何か
ということをまず探すという真摯な努力が必要ではないかと思
われます。議論でふつう全く正反対で全く受け入れられないなどと
いうことはまずありません。安保法制でいえば、テロや中国・ロシ
アの脅威というのは(おそらく)共通点ですから共通点の認識合
わせをしっかりやって、ではどこが相違点なのかをじっくり話し合
ってほしかったと思います。
自民党も相違点の中心である「存立危機」の部分をあいまいに
しか説明して法案を通すことが目的になってしまい。野党は特に
きっちりした対案を出さず、法案を廃案にすることにしか興味が
ありません。本来合意形成は意見が違う人々が話し合うことによ
り議論が深まり、より良い第3の案が見つかることに意味があり
ます。日本の国会をみていると勝った負けたかせいぜい足して2
で割るといった合意形成で、最低の結果しか出ないのは非常に
残念に思います。


