顧問CFO川井隆史のブログ -67ページ目

社会福祉法人を使った5億円の脱税事件




下新聞にあるように、遺言を偽造して社会福祉法人などに


寄付を装ったということで7人が逮捕されました。租税特別措置


法70条で社会福祉法人に対して財産を贈与した場合相続税は


かかりません。したがってこれ自体は違法行為ではありません。


ここでは遺言書の偽造という偽造有印私文書行使と、実際には


贈与せず私的に使ったという相続税法違反のようです。



この項目でよく国税当局とで問題になるのは「特別の関係がある


者の相続税又は贈与税の負担が不当に減少する結果となると


認められる場合」です。ようするに寄付された社会福祉法人が


実質的には相続人または被相続人が私物化しているようなとこ


ろだとあとあとこの条項を盾に国税当局から追徴を受けることに


なります。


これはそれ以前の問題で寄付自体がされていなかったように


新聞記事では読めており、明白な脱税という感が強いです。不思


議なのはこの手の案件でせいぜいふつう逮捕されるのは税理士と


本人の2人くらいなのですが7人も逮捕されているということです。


おそらく想像するに社会福祉法人のハコをつくるのに名義貸しし


た人たちかなと思われます。多少お金は受け取っていたとと思い


ますが非常に割に合わないことです。税理士も絡んでいるので


この新聞記事からはうかがえない何か露見しない仕組みを組み立


てていたのではないかと思われます。そのあたりは個人的興味とし


て知っとおきたいです。(当然使おうとはおもいませんが)

<相続税>5億円脱税容疑、7人逮捕…福祉法人への寄付装い

毎日新聞 11月22日(日)22時5分配信

相続税が免除される社会福祉法人への寄付を装うなどして約4億9500万円を脱税したとして、大阪地検特捜部は22日、東大阪市の不動産管理業、高木孝治容疑者(73)や落語家、税理士ら7人を相続税法違反と偽造有印私文書行使の疑いで逮捕した。
特捜部は7人の認否を明らかにしていない。
高木容疑者以外に逮捕されたのは▽落語家の桂小軽(おかる)(64)=東大阪市、本名・西裏文雄▽税理士の岩上順(63)=大阪市北区▽社会福祉法人元理事、榎森(えもり)広高(48)=堺市南区--の各容疑者ら。
逮捕容疑は共謀し、2013年11月に高木容疑者が死亡した兄から相続した預金や有価証券など約10億5000万円のうち、約8億5000万円を和歌山県内の社会福祉法人へ寄付したように偽装。相続税約4億9500万円を脱税したとされる。大部分の財産を同法人に遺贈するという、兄名義の偽造された遺言書などを税務署に提出していたという。
高木容疑者と40年来の友人という桂容疑者は逮捕前、「相続税が高いことに(高木容疑者が)ごねたことから始まった。兄さんみたいな人に意見はできんかった。相続してから高木さんらと北新地などで遊んだ」と語っていた。【藤顕一郎、岡村崇】

市販薬に所得控除




日経の一面に今朝市販薬を購入した場合1万円を課税所得から


控除する制度を厚生労働省と財務省は新たに設けるようです。


だいたい政府が考える所得控除はとにかく使い勝手が悪いものが

多いのですがこの市販薬の所得控除は久しぶりにヒットではないか


と思われます。



1つは納税者にとってで、1万円超なので医療費控除の10万円


超(所得水準によっては多少下がりますが)を差し引くのと比べ使


い勝手がいいことです。2つめは確かに薬を医者に処方してもらう


と3割負担(後期高齢者は1割負担)なのでそのために医者に通う


人というのは少なからず存在しているので、医療費削減効果は


あると思われます。しかし、後期高齢者だと所得税負担減少部分


は住民税とあわせても普通は多くて15%~20%程度なので医療費


が1割負担なままであれば政策効果は低い気がします。このあた


り国民医療費の負担割合の考察も一緒に行う必要があると思い


ます。


ただ、年度末確定申告の無料相談をやっていると多いのがお年寄


りの医療費控除ですから、これが導入されるといらっしゃる方が


増えて結構込み合うかもしれないのは少し心配ですね。

東芝事件で新日本監査法人が処分




今朝、読売新聞で新日本監査法人が処分されるというニュース


が載っていました。公認会計士法では①虚偽証明、不当証明に


対する懲戒処分と②法令違反に対する懲戒処分があり、記事を


読む限りどちらかはっきりとは書いてありません。ただ、②のうち


監査業務執行方法違反、業務管理体制整備違反に当たるという


考え方もありますが、どちらかというと①で相当の注意を怠った


ことによる虚偽証明・不当証明ではないかと想像されます。記事


で「不審点への追及不足」が挙げられているからです。


相当の注意を怠ったことによる虚偽証明・不当証明とされた場


合、「課徴金(監査報酬の1 倍)+契約の新規の締結に関する業務


の停止6 月 +業務改善命令」 又は 「業務停止1 月」が基本となり


、個々の事情により過重・軽減されます。業務停止はあまりにもイン


パクトが大きすぎ、中央青山監査法人の際のようにある程度つぶ


しても構わないと腹をくくっていない限り行わないと思われます。


ということで課徴金(監査報酬の1 倍)+契約の新規の締結に関


する業務の停止6 月 +業務改善命令」で多少課徴金や業務停止


期間が多少過重されるというのが落としどころではないかと思います。



問題点として挙げられている「内部手続きの形骸化」は昔の大監査


法人の部屋制度(力がある代表社員の案件にはあまり他の代表社


員が口出しできないような体質)が残存していたという一部の関係者


から私が直接聞いた話を裏付けていると思われ改善して欲しいと


思います。「不審点の追及不足」はもしかすると単なる担当会計士の


力量不足や怠慢かもしれませんが、私は金融庁検査対策として直接


監査目的を達成するのに重要でない手続きや書類作りがやたら多く


なったということも大きく影響しているのではないかと個人的には思


います。後者の方がこの事件でなお一層細かさ煩雑さを増して悪化


するのではないかと心配しています。