政投銀と星野リゾートの旅館再生ファンド
星野リゾートと日本政策投資銀行が共同で経営難の旅館・
ホテルの再生を支援するファンドを立ち上げるようです。以前
中小企業支援協議会の方とお話しした際も、地方では旅館の
再生がわりとホットな課題になっているようだとのことでした。地方
の振興で観光業が柱の場合、旅館が再生されて集客力をもつと
その他の産業への波及効果は高く結構地方公共団体を含め
力を入れているようです。そして一方外国人旅行者の増大に伴
いチャンスは広がっており、再生の良い機会なのでしょう。
しかし、一方で専門家は金融畑や財務畑の方が多いですから
無駄なコストの削減などによって利益率を高めたり、資金繰りを
改善などには長けていますが集客というポイントでアドバイスでき
る方は少なかったかもしれません。そういった意味で星野リゾート
の持つ予約システムの開放やブランド力を高める方策とともに
資金を投下すれば再生の確率は高まると思われます。地方振興
に役立てばいいと思いますね。
期待ギャップ
日経で「わかる監査」が連載され始めました。今回の始まりは期待
ギャップの説明から比較的やわらかめに始まった感があります。
一般の方々の認識としては「監査で不正が見つかるはず」と思っ
ていますが、実際の監査の目的は「保証」です。会計士協会の
Webサイトでは以下のように述べています。「何を保証するのか
というと、企業が作成する財務諸表が会計の基準に準拠して正
しく表示され、なおかつ重要な虚偽の記載がされていないという
ことについてである」ただ、今回問題になっているのは東芝の不
正を摘発しなかったことよりも財務諸表に虚偽の記載があって
それを発見できなかったことにあります。
ただし、不正については現在金商法193条の3「法令違反等事実に
対する通知」を監査役等に書面で行わなければならないと定めて
います。以前この条項が話題になったオリンパスの事例では担当
監査法人がこの条項の発動を示唆してその結果不正が表に出た
という経緯もありますが、東芝の件ではそのような話は聞きません。
もし、東芝の件で監査法人の責任がないとすれば会社ぐるみの
不正で巧妙に隠蔽されていて監査法人がわからなかったという
ことだと思います。
ただ、外部的にみると工事進行基準の評価や部品売上の不正計上
など非常に通常の監査手続きの中でリスクの高いとされている分野
で「しかるべき監査手続きがとれない」のは疑問が残ります。また、
あまり新聞等では話題になっていませんが、各部門の数字に関し
ては部門長の独断で操作が可能であったという内部統制上大きく
問題があり、それが内部統制の監査でなぜ発見できなかったかも
かなり疑問です。品質管理がしっかりしていると思われている大手
監査法人で生じたことですから、監査調書などで原因究明はしっか
り行ってほしいと思います。個人的には責任追及よりも今後の改善
につながるような動きにつながると嬉しいと思います
ユニコーンがゼロの日本
今日日経を読んで、恥ずかしながらユニコーンという設立間もない
のに企業価値が10億ドル越えの企業を指す言葉を初めて知りました。
当然私の勉強不足もあるのですが日本でそのような企業が存在しな
いこともあります。このような企業は日経の記事によるとアメリカで
3103億ドル、中国で1138億ドルなどです。アメリカと比べると中国は
小米など別に仕組みは新しくないタイムマシン型(先進国の技術をそ
れがない国に持ってくる型)が多いですがそれでも設立まもなく爆発
的に伸びていくのは国的に力があります。
よくベンチャーの生態系という言葉がありますが、日本でも少しずつ
シードやアーリーステージといった設立間もない段階でも投資して
くれるベンチャーキャピタル(VC)も生まれて土壌は育ちつつある気
はします。しかし、個人的な感想としては基本的な部分はまだまだ
な気がします。
一番に感じることは日本の大企業のベンチャーを見る目です。とに
かく日本の大企業は信用第一である程度確立した信用がないとお付
き合いしてくれません。したがってベンチャーがいかに優れた技術や
アイディアを持っていてもなかなか相手にしてくれません。私の個人
的な例だと日本の大企業では大手コンサル企業などとジョイントまた
はサブコンの形でしか相手にしてくれませんが、米国企業などは結構
気軽に大企業でもネット経由で海外から問い合わせが来て仕事の
依頼がちゃんと来るので逆にびっくりします。かなり初めて取引する
ハードルは日本企業に比べ低いです。まだまだ、日本の一般的な
大企業は減点主義で無難な線を追いすぎる特徴があり、そのあた
りベンチャーは日本で起業しても売り先や提携先がないのではな
いでしょうか。
VCにしても金融機関出身者が多く、仕組みがある程度完成した後
の成長支援には長けていてもビジネスモデル自体を組み立てるこ
とや販路開拓などに協力できるタイプは非常に少ない気がします。
そういった意味で真の生態系はまだまだ育っていない気が残念な
がらしてしまいます。


