顧問CFO川井隆史のブログ -63ページ目

セーラー万年筆の社長解職は無効か?




セーラー万年筆で代表取締役が解職されましたが、ご本人は解職


決議は無効だとして法的措置も辞さないとおっしゃっているようです。


ご本人は平成21年から就任していますが、経常利益、最終損益とも


に5年連続赤字です。事業の柱は文具ですがそのほかに射出成型


のロボットを製作しています。低迷の原因としては縮小する国内市場


の売上がまだ8割を占めるといった海外展開の遅れではないかと思


われます。


特に不測の事態により赤字転落というわけではなく就任以来業績の


改善が全く見られないわけですから内容的には解職されて仕方が


ないと思われます。代表取締役解職決議には会社法362条2項で


取締役会で解職できますので、もし問題があるとしたら定足数が


足りないこと、出席者の過半数の賛成がないまたは定款等で解職


決議に何かしら要件が加重されているのにそれを満たしていない


などの条件があるかと思われます。上場会社でもありますしきちん


と会社法に沿った取締役会の運営が望ましいですが、この業績で


新聞記者などに「法的措置も辞さない」などと息巻くのはやや見苦


しいという感じがします。

残念な税制改正大綱



来年度の税制大綱が決まりました。大きな目玉は法人税減税


と消費税の食料品全般への軽減税率適用です。軽減税率適用は


売り手となる事業者への手間など社会的コストが高い割には効果


が薄い、どちらかというとポピュリズムの典型で非常に残念です。


第一生命経済研究所の推計によると日本の世帯年収の平均で


ある年収550万円の世帯の年間負担軽減額は1.3万円にすぎない


ようです。日本の財政の将来を考えるとそのくらい負担すべきでは


ないでしょうか?日本で年間1万円程度支出が増えて困窮する人


は非常に限られると思います。その一方の事業者側の手間や投資


、一方で増加する可能性のある益税などの社会的損失の方が大き


な気がします。


もう一つの柱である法人税減税は約2%の減税でついに30%を割る


ようです。一方で赤字企業にも外形標準課税の増税でその財源は


確保するようです。ただ、外形標準課税については資本金1億円


以下の企業については適用されず、実は中小企業とは言えない企


業もその中には紛れ込んでいます。資本金1億でといった基準で


区分けするのが適切なのかは今後の議論として重要だと思います。


一時、話題になりながらも立ち消えになったのは配偶者控除など所


得税の改正でしょう。軽減税率のドタバタで議論がわきに追いやられ


てしまったのは残念です。会社員の夫と専業主婦といった世帯像


が崩れて行っている中、現状の配偶者控除の仕組みは矛盾が多い


と思われます。しかし、これは社会保険料の130万円の壁と一緒に


論じてほしいです。



よく新聞紙上などで点数付けが行われていますが自分のこの税制


改正の点数は50点です。法人税の減税はなされましたが、「庶民の


生活を守る」といった感情的な議論が先行して、将来に禍根を残す


ような軽減税率が残ったこと、所得税の見直しが行われなかったこ


とからかなり自分の点数は低いです。

マイナンバーが届き始めました



12月に入ってようやくマイナンバーが届きました。私の住んでいる


練馬区ではほとんど届いたようです。周りの例でいうとざっくり年商


1億~10億あたりの企業の層が一番対応が難しいのではないで


しょうか。10億以上の層になるとある程度社内電子化が進みできる


限り人の手を介さないようシステム化で対応できます。ただ、小売り


や多数の個人情報を管理するタイプの大企業はシステムで対応する


から大丈夫ではなく漏えいリスクに備えて大変とは思いますが・・・。


逆に年商1億未満ですと、もともと下手をするとエクセルで帳簿を


管理していればいい方といったところなのでシステム管理などは


かえって危険だと思います。IT関係のコンサルの方から対策をお


聞きしたところ、「経理・総務担当の奥様などが紙で入手して金庫


に入れてその他誰にも触らせないようにしておいてください」との


ことでした。コロンブスの卵的発想で単純ですが固い方法と思い、


自分の小企業のクライアントにはそのようにおすすめしています。


年商1億~10億くらいの企業だとITの担当者がいるかいないかの


境目くらいです。ITの担当者と言っても幅広く、ネットワークやセ


キュリティ対策にも詳しい方でなければ対応は難しいのではない


でしょうか?この層はITベンダーから不要に高いマイナンバー


ソフトを購入させられてしまったり、逆に貧弱すぎる対応で被害


が出てしまうか両極端になりやすいです。実は割と良心的な中


小企業対応のITコンサルタントなど(ITベンダーの代理店のよう


な方ではなく)はいらっしゃるのでそういう方にきちんと相談する


ほうが最終的には安く済むケースが多いです。しかし、コンサル


タントが本当は一番必要なのに使わない層が多いのもこの層


なので悩ましい限りですね。