シャープ液晶分社化に思う
ついにシャープの液晶事業が分社化するようです。シャープの
第二四半期の決算発表をみると営業利益は250億円の赤字です
がディスプレイデバイスが264億円の赤字でほぼこの分野が業績
の足を引っ張っているのがわかります。下半期はやや挽回すると
みてはいますがそれでも300億の営業赤字です。特に中国を中心
とした値崩れが激しくそれに対するコスト削減が追い付かない状
況です。中小型液晶を中心にターゲット絞っていくとしていますが、
競合との特に有機ELの投資競争に耐えられる体力は残されていな
いのかもしれません。
今後液晶がシャープ本体から離れた後どのような方向性に持って
いくのかが重要でしょう。ざっくりデバイスとプロダクトがほぼ半々
の売上でしたが今回の液晶分社化でプロダクトがほぼ80%以上
を占めるようになります。家電分野では空気清浄器や電気無水鍋
ヘルシオなどでは一定の存在感とブランドがありますが、基本的に
は2000~3000億程度のビジネスがならんだ総花的な感じが否めま
せん。液晶がなくなって社内の危機感は最高潮ですから逆にここで
方向性が見えれば大逆転も可能です。今が最大の頑張りどころでは
中小企業の設備投資減税は効果があるか?
自民党税制調査会が中小企業の新規設備に関して償却資産税
(固定資産税)の税を半減させる案をだしています。目的は国内の
設備投資を後押しすることのようですが正直申し上げていかにも
小出しな案であまり効果がないと思われます。日本経済新聞の1面
に載るのも不思議でよほど1面を埋めるネタがないのかなと思います。
償却資産税の税率は1.4%でしかないので1000万の機械を購入した
時、50%の減税と言ってもわずか7万円にすぎずそれも3年間のみ
です。赤字中小企業にも適用可能なのでまったく恩恵がないとは
いえませんが、この程度で新規設備投資を行うインセンティブが
生じるかというとほぼないと言っていいでしょう。このようなときに
「年間の設備投資額約1兆円が対象」というといかにも大規模な
減税に聞こえますが、もともとの税率1.4%が0.7%に減るだけで
すから1年間の減税額は70億円にすぎません。まあ、無視して
いいくらいの金額でしょう。
同じ設備投資推進が目的でしたら現状のモノづくり革新サービス
補助金、生産性向上設備促進税制など補助金と税制を整理して
本来必要な企業に適用できるようにしていただく方がよほど役に
立つのではないかと思われます。
中高年の大企業から中小企業への転職はうまくいくか?
一億総活躍社会の実現の一つとして、高齢者の就職支援で働く意欲
のある高齢者などが働き続ける仕組みが考えられています。その中
で中小企業などに経験豊かなシニアを人材不足に悩み中小企業に
再就職してもらうという案があります。今日も厚生労働省が中高年の
退職予定者向けの人材バンクを創設するニュースが新聞に載ってい
ました。
大企業から中小企業への転職では2つの壁があると思います。一つ
は取引先の態度の変化のショックへの対応です。私も40代で外資
系の大企業からベンチャー企業に転職しましたが、覚悟はしていたも
のの取引先の変化にはショックを覚えました。世界的な大企業だと
極端な話すり寄ってきた人々に中小企業に入ってきたとたん、冷た
く突き放されます。具体的にいうと大企業だったときは向こうから時間
を積極的にあけてくれましたが、中小企業に転職した途端、結構忙しい
のでと会ってもくれなかったりします。相手もビジネスなので利益が
小さそうな先には優先順位が下がるのは当然ですが淋しい気になり
ます。
2つ前は内部的なリソースの問題で、大企業では当然あるような管
理資料が中小企業では存在しないので困ります。中小企業の社員は多
能工で様々な仕事をしていますから、大企業のように資料作りだけ
やっているような悠長な社員はいません。ナイナイつくしの中でどう
やっていくかを考える必要があります。場合によっては最低限意思
決定に必要不可欠なものは自分が先頭に立って作っていかなけれ
ばならないし、優先度の低いものは多少不便でもあきらめなくれは
いけません。
このような壁に当たって愚痴ばかり言っているようでは人望はなく
なるし、煙たい人になってしまいます。当然転職にはスキルや社外
人脈などは大切ですが、環境の変化に対する順応性が一番大切
な気がします。順応性を身に着けるのはどうしたらいいのでしょう
か?これが一番「仕組みのハコ」よりも大切だと思われます。


