顧問CFO川井隆史のブログ -109ページ目

すき家の値上げー数字で検証する

おはようございます。今朝各紙ですき家の牛丼値上げがニュース


になっておりました。自分は吉野家派であまりすき家は利用しま


せんが基本的に牛丼のあのジャンクな味は大好きなので気に


はなります。さて、昨年の牛丼280円だった時期の財務諸表


の数値を比較しています。(すべて2014年連結の数字です


ので牛丼でない業態も入っています)






FL比率は原価と人件費の売上に対する比率です。ここでは


本社部門の人件費も入ってしまっていますがおおよその限界


利益率に近い指標になると思います。ここですき家の原価率が


競合に対して高いことがわかります。一方で売上高人件費率


が低いため、FL比率的には吉野家より良くなります。この姿勢


が深夜のワンオペなどで批判されるところかもしれませんが


また、販管費率も低く、スリムな体制で利益を出すという考えが


すき家にはあるのでしょう。


 今年の第3四半期を見るとすき家の原価率は43%まで上昇


しており、これが記事で述べられているように輸入牛肉の価格


の影響なのでしょう。同業他社は早々と値上げをしたのですが


すき家はスリムな体制で乗り切ろうとしたものの財務的に耐え


られなかったというところなのでしょう。



<牛丼>300円台、横並び…すき家15日に再値上げ(毎日新聞)

 牛丼チェーン最大手のすき家が15日から全国1956店(沖縄県を除く)での牛丼の値上げを決めたことで、デフレの象徴だった業界各社の価格競争は沈静化する。輸入牛肉などの原材料費や人件費の上昇を吸収しきれなくなったことが要因だ。ファストフード業界は、弁当などを充実させるコンビニエンスストアなどとの競争にも直面しており、顧客をつなぎ留めるアイデア創出に必死だ。

【グラフ】牛丼(並盛り)税込み価格の推移

 ◇原材料、人件費高騰…企業努力に限界

 「牛肉価格、人件費、電気代の三つが高騰している。350円は消費者に受け入れられるギリギリの価格だ」。すき家本部の興津龍太郎社長は2日記者会見し、昨年8月に続く再値上げに理解を求めた。

 並盛りは291円から350円に、大盛りは410円から470円にするなど、牛丼関連メニューを42~62円引き上げる。すき家によると、中国など新興国の需要増や円安の影響で、牛肉の輸入価格は昨夏に比べ1.5倍程度に上昇。景気回復による外食業界の人手不足に加え、深夜の1人勤務「ワンオペ」解消のためアルバイト従業員を増員したことで、人件費も増えている。

 牛丼業界では、昨春以降、価格の引き上げが相次いでいる。大手3社は昨年3月まで280円で横一線だったが、吉野家が昨年4月に300円に改め値上げを先導し、12月に380円に再値上げした。松屋は昨年7月に、290円の牛めしを関東の店舗を中心に380円の「プレミアム牛めし」に切り替えた。

 すき家は昨年4月に270円に値下げした後、8月に291円に値上げしたが、「300円以下」の一線を貫いてきた。すき家を運営するゼンショーホールディングスの2015年3月期の連結最終(当期)損益は102億円の赤字に転落する見通しになり、コスト引き下げ努力の限界を超えたと判断した。

 値上げに合わせて牛肉や玉ねぎを2割増量するといい、興津社長は「新しい価値は消費者に必ず受け入れられる」と強気だ。

 業界では値上げに合わせて客単価は上昇しているものの、客数は減少傾向が続いている。吉野家の1~2月の既存店売上高が前年比マイナスに沈んだことが競争の激しさを裏付けている。

 野村証券の繁村京一郎シニアアナリストは「値上げしても業界最安値であることは変わらない」とすき家の競争力に太鼓判を押すが、「300円以下という価格が選ばれた面もあり、一時的に客足が遠のく可能性は否定できない」と指摘した。【神崎修一】

社長の給与が高すぎる? -税務の面から

おはようございます。今朝の日本経済新聞でサムスン電子


のCEOの報酬がスマホ不振にかかわらず15億円であったと


いう記事をみて昨日の租税訴訟学会の研究会を思い出しま


した。日本でもプリント基板のキョウデンの最高顧問が


12億円の報酬を受け取ったと以前にありました。上場企業では


高額報酬と株主総会で批判される可能性はありますが


税務調査で課税されてという話は聞いたことがありません。


 しかし、未上場の会社では特に退職金などで過大であると


いうことで、一部を否認されることがあります。自分の顧問先


でも相談されることが多いです。税理士としての自分の


立ち位置は会社の算定方法をレビューして妥当であると


判断すれば、以下に述べるように一定の否認リスクはある


事は会社に納得してもらいつつ、恣意的な税務当局の


否認に関しては当局と争うと申し上げています。


 この否認の根拠は法人税法34条2項で過大な役員給与、


退職金は損金の額に算入しないという規定に基づくものです。


そして過大の判断材料として施行令70条(二)で①業務に


従事した期間②退職の事情③同種規模類似法人に対する


退職給与の支給状況の基準が設けられています。


曲者は同種規模類似法人の退職給与の支給状況であり


当然他社が退職給与の支給状況などは教えてくれるはずは


ありません。また、同種規模類似といっても例えばセブン


イレブンのようなトップ企業が他の二位以下の企業の状況を


参考にされて過大と言われても納得できないでしょう。


 租税訴訟学会の研究会で山本守之先生と山下清兵衛先生


が税法に対する問題点と税務当局の役員給与の恣意的運用


に怒りを覚えているのに非常に共感を覚えた次第です。

投資先に注文をつける機関投資家 -第一生命の社外役員選任基準

おはようございます。東京証券取引所と金融庁が


企業統治指針を発表してからいろいろと機関投資家の


間でも動きが出てきたようです。年金基金の運用を


する機関投資家などには受託責任(要するに他人の


資産を預かっているのでその人の利益に反したり


ちゃんと注意深く運用しなさい)があるのでだんだん


と企業側に対して少しづつ、株主としての意見をはっきり述べる


方向が見えます。


 生命保険会社も契約者の資産を預かっている以上


受託責任はあると思うのですが、どうやらこのあたりの


法律的な裏付けは、知る限りではややあいまいなようです。


ただし、営業上の要請で企業の株を持っていて、やや


企業統治に関する発言に及び腰であった生保が重い腰を


挙げたのは長い目で見れば株式市場にとっては


良い話だとと思います。ガバナンスが怪しいというのが


日本企業の問題点だと海外機関投資家からは思われて


いたようですから。企業側にするといちいち説明するの


は面倒というのはありますが株式公開会社なのですから


仕方ないのではないでしょうか。



第一生命、投資先の社外役員選任に基準 総会で反対も


2015/4/1 2:00
情報元
日本経済新聞 電子版

 第一生命保険は投資先企業の経営への監視を強める。取締役会などへの出席率が低い社外取締役や監査役の再任に反対する議決権行使の基準を明確にしたほか、企業との対話の窓口になる特別チームを4月に発足させ、企業に株主への利益還元や経営改善を求める。年金資金を運用する資産運用会社や他の機関投資家の間でも同様な機運が高まっており、株主が企業統治への関与を強める起点になりそうだ。