顧問CFO川井隆史のブログ -103ページ目

武田薬品一時6%安 -会計士的見方



武田薬品が上場以来初の最終赤字になることが嫌気されて一時


株価が6%安になりました。プレスリリースをみると営業利益が


1300億の赤字、最終損益が1450億の赤字です。ただし、


2700億分は糖尿病治療薬アクトスの副作用問題の和解費用


です。これがもし日本基準でしたら特別損失になるので営業利


益は1400億の黒字だったはずです。しかし、IFRS(国際会計


基準)であるため特別損益という概念はそもそも存在しないの


で営業利益がそのまま赤字になったわけです。ただ、今までこ


の訴訟で最終的にどの程度の損害を武田薬品がこうむるか


については今まで開示がされておらず、ある意味株価の上値


が重かった面はあります。


 本来IFRSでは偶発債務(まだ実際に債務とはなっていないが


将来債務になる可能性があるもの)の段階でどの程度の金額に


なるかを開示しなくてはなりません。ただし、例外事項として非常


に開示することにより不利益が生じる場合などは非開示が許容


されており(IAS 37.92)、今までその例外を適用していました。


たがって、損害金額が不明で投資家で不安視した面はある


かと思います。



私は技術的な面はわからないのでこの和解が正しい判断か


コメントを差し控えますが、投資家的には不確実性が大きく減り


、本業に集中できるという面ではよかったと思われます。

すしざんまいー千客万来(豊洲場外施設)撤退に思う




 すしざんまいが豊洲の場外施設千客万来から撤退しました。


東京都民としては豊洲の場外施設は行ってみたい場所で


残念ですが企業の判断としては妥当だっと思います。今回


投資額は約180億と発表されていますが、企業は設備投資


をする際、計画を立てます。ざっくりわかっている範囲で想像


すると 客単価 x200万(年間予想集客数として発表)x


粗利益率 -人件費 -借地料 -その他経費 -借入返済 


が自己資金投資部分を回収してきちんと残余部分があれば


投資をするわけです。



 今回実は一番インパクトが大きかったと思われるのは、場


外施設利用客の車での来場が、市場関係者の搬入の妨げ


になるということで制限される恐れが出てきたところでしょう。


車で来れないと上記の集客数の予測が大きくぶれる可能性


があり、客単価および集客数両方に影響を与える大江戸温


泉の継続が止めを刺したという感じです。これだけ収入部分


が予測できないと固定費部分を下げたいところですが都は


借地料の減額については応じなかったということです。



 入札の条件を後で変えることはできないため借地料の値


下げに応じないという都の判断は一理あるとは思われます。


ただ、この場外施設へのロジスティックスの面が解決しないと


不確実性が大きすぎて少なくとも民間企業にとって投資は


できない気がするのですがどうなのでしょうか?このあたり


都として調整してほしいところです。

サッポロビールに115億円返還せず -今後どうなるか


サッポロの極ゼロが第3のビールとならないという国税当局の解釈


によりいったんサッポロビール側が酒税を納付していました。


今回、異議申し立てをして返還請求をしていたのですが国税当局


から申し立てを認めないとの返答がありました。



国税通則法の改正により3か月という不服申し立ての審理期間


の目安が明示されていて、今回も「今年の1月に返還を求めて」


「4月28日・・・通知」されておりおおむね目安通りに通知がされ


るようになったものだと思いました。今後サッポロ側で争うとす


ると国税不服審判所に審査請求をすることになります。


一応独立した機関と称していますが国税庁の機関であり、国税


からの出向者も多く批判が多い機関です。ただし、これも新しい


国税通則法により1年以内の解決が目安とされ、国税庁側


含めたすべての関係者の招集や国税庁側への質問などが


できるようになり少し公正性は担保されるようになりました。


税理士業界のあくまで感触ベースですが以前よりは多少納税


者側有利な審判が増えたという話は聞きます。


  そして、国税不服審判所でも認められない場合は裁判所に


提訴となります。ただ、納税者の勝率は7~8%程度です。


裁判所の判決を見て正直言ってあまりに国税庁寄りと思う


判決も多いです。ただ、これも徐々に改善されているような


気はします。 サッポロ側がある程度説得力のある材料を


持っているならば国税不服審判所に審査請求、それでだめ


なら裁判所に提訴になると思います。115億円を取り戻す


努力をしなければ株主代表訴訟の恐れがあります。


今後の動きは気になります。




サッポロビールに「115億円返還せず

酒税分類問題で国税当局が通知 サンケイBIZ 4月28日(火)15時57分配信


サッポロビールは28日、酒税分類に関連して、昨年追加納税し、今年1月に返還を求めた115億円について、国税当局が「返還しない」と通知してきたことを明らかにした。この問題は、昨年5月まで、税率が低い第3のビールとして発売してきた「極ZERO」について、第3のビールではない可能性が指摘され、いったん生産・販売を中止。さらに、第3のビールでない場合に適用される高い税率との差額として、115億円と延滞税の1億円を国税当局に昨年8月までに追加納税した。サッポロでは7月から極ZEROを税率の高い発泡酒として再発売したが、サッポロでの再検証で、極ZEROが第3のビールであることが確認。このため今年1月に115億円の返還を国税当局に求めた。これに対し、国税当局が28日に返還しないことを書面でサッポロに通知したが、その理由は公表されていない。サッポロホールディングス広報室によれば「現時点では対応は決まっていない」が、異議申し立てなどの措置で、再度返還を求める可能性がある。サッポロホールディングスの平成27年12月期決算では、115億円の返還がないことを前提としているため、業績に与える影響はないとみられる。