顧問CFO川井隆史のブログ -104ページ目

KFC減損損失で赤字発表 -監査法人との攻防か?

 マクドナルドの不振ぶりがニュースをにぎわしていましたがKFCも


以下のように5億円の赤字となりました。ただ、多少異例に感じた


のが決算発表の日に599百万円(そのうちピザハット481百万)の


減損損失を発表し、業績予測との差異が出たと発表しています。


ふつう減損の発表というのは決算と同時に突然発表されるもので


はなく、たいていは事前に行われます。なぜなら、監査法人から


減損の認識が必要な可能性が高いということはかなり前から


申し渡されるはずだからです。



 多少乱暴目に、ここでの「減損損失」を説明すると主としてピザ


ハット部門の赤字体質が続いていると判断されるのでその部門


の固定資産は価値がないだろうということでその固定資産を評価


減するものです。


 少し専門的な説明としては資産グループ(ここではピザハット


が主)の営業活動から生じる営業利益(またはキャッシュフロ


ー)が継続的にマイナス・またはマイナスになる見込みである


場合には減損の兆候となります。そして、将来の割引前キャッシ


ュフローの総額が資産価額を下回る場合減損を認識します。


 ピザハット部門の営業損益をみると平成25年△2百万、


平成26年△36百万、平成27年△1164百万と推移しており


少なくとも「減損の兆候」があったことは明らかだと思われます。


加えて27年の第二四半期短信でもすでに△641百万の損失


を計上しており、表面的な数字だけで見る限り減損損失の計上


の必要性は高いと思われます。


 以下は単なる憶測ですが・・・・


考えられることとしては会社側はこのピザハットの不振は今年が


底で来年からは上昇に転ずると考え、監査法人側にも理解を求


めていたことがあるでしょう。しかし、監査法人側はその具体性が


乏しいと判断し、その攻防が決算発表のぎりぎりまで続いていた


、何かそんな気配を感じます。KFCのCFOの方も、監査法人の


代表社員の方も胃が痛くなるような駆け引きがあったのかなぁ


と想像してしまいます。

朝日新聞 4月25日デジタルより

日本ケンタッキー・フライド・チキンが24日発表した2015年3月期の純損益は5億円の赤字(前期は4億円の黒字)だった。純損失は鳥インフルエンザが響いた04年11月期以来。競争が激しいピザ事業が振るわず、関連資産の評価を引き下げた。円安に伴い小麦粉など輸入食材が高騰したことも響いた。

売上高は前期比1・4%増の846億円、営業利益は63・2%減の6億円。ピザ関連などの資産の評価引き下げで5億円の特別損失を出したことが、純損失につながった。

「ピザハット」のブランドで展開しているピザ事業では、持ち帰りの客も増やそうと半額キャンペーンやテレビCMを強化したが、既存店の売上高は前年比で0・5%減った。

ケンタッキー事業は既存店売上高が3・1%増と堅調だったが、ピザ事業の不振を補えなかった。

28年度税制改正 -配偶者控除は廃止?

 今来年度の税制改正の議論が自民党の税制調査会などで始まり


ました。その中で比較的多くの方に影響が出そうなのは配偶者控除


の廃止だと思われます。ただ、一方で共働きも含めたすべての夫婦


を対象とした控除制度を設けると述べているようです。




 配偶者控除が廃止された場合の増税分はどのくらいかと


いうと年収250万のサラリ-マンの方ですと配偶者控除の


国税分38万に税率5%、住民税分33万に10%を乗じた数字


が増税になりますので、5万2千円の増税になります。一方


年収5000万の高所得のサラリーマンの場合は配偶者控除


の国税分38万に税率45%、住民税分33万に10%を乗じた


数字が増税になりますので、20万4千円の増税になります。

(平成27年度の税率、復興所得税除く)


 以上より配偶者控除はお金持ち優遇という面は否め


ないのである程度廃止はやむを得ないという感はあり


ます。ただ一方で子ども手当創設により年少扶養控除


(0歳~15歳)が廃止になったようなこっそり中間所得層


には差引増税になってしまうような方法は勘弁して


ほしいものです。

所得税、若年層は軽く 自民税調16年度税制改正議論に着手

2015/4/24 2:00
情報元
日本経済新聞 電子版
 政府・与党は23日、2016年度税制改正の議論に着手した。主に専業主婦の世帯を優遇する配偶者控除の見直しなどで所得税の抜本改革を目指す。結婚し子どもを育てようとする若い世代の低所得者の負担を軽減し、高所得の高齢者の負担を増やす方向で検討する。17年4月に10%に引き上げる予定の消費税は一部商品の税率を低く抑える軽減税率の対象品目の選定が焦点になる。

GE Capitalの終わりに想う

 今日本経済新聞でGE124年目の革新という連載がされています。


その中で今年4月に発表された3兆円を超える金融資産の売却


でほぼ純粋な金融業からは撤退する話が載っています。




 自分はかつてGE Capitalに勤務していたので意思決定が


(巨大会社の割に)非常に早いGEの中でも特に意思決定の


速いGE Capitalの文化というものにノルタルジーを覚えていた


ので、この決定には一抹の寂しさを覚えます。しかし、先代の


偉大な経営者であるJ.ウェルチの時代に買収して育ててきた


金融部門、メディア部門(NBC ユニバーサル)などをきっぱり


売却してインフラ部門や医療分野などに集中するイメルト社長


の決断力に感嘆します。


  私が在籍していた頃はGEは製造業ではなくサービス業に


なると言われ、その中で重要視されていた金融とメディアサ


ービスでしたから。

 

 日本企業でしたら中興の祖が打ち立て、かつ別に収益力が


低いわけでもないた事業を手放すのはサラリーマン社長では


ほぼ無理かもしれません。ただ、GEの価値観として「変動が


激しいビジネスは手を出さない」があるので、金融といっても


投資銀行的な業務はほぼ手を出しませんでした(キダーピー


ポディの買収の失敗除き)。リーマンショックでの金融業の


大きな底を見て考え直したという意味では「常に進化し続


ける」「変動が激しいビジネスには手を出さない」価値観的


には首尾一貫していると思います。


 自分がいた部署がなくなり、淋しいですが、経営者視点では


やはりGEはスゴイと思うわけです。