恥辱とカタルシス -25ページ目

恥辱とカタルシス

作家志望、渋谷東子と申します。
よろしくお願いします。

はいー、やっと書き終わりましたよ。

こんばんは、渋谷です。



書いてた小説書き終わりました!原稿用紙で334枚。締め切りは31日。ぎりぎり、滑り込みですね。

今日プリントアウトして推敲に入りました。ざっくり不要なところを削って300枚ぐらいにするつもり。でもここからが長そうだ。時は桜の季節、子供は春休み。

週末は花見に行くのであろう。金曜日までに完成原稿を仕上げることはできるのか。手に汗握る展開です。でも、なんとかせねばなりません。

このあと300枚超えの原稿を送れるめぼしい新人賞って、調べてみたところだいぶ先までないのですね。だからここで頑張らねば。ほんとは文藝賞に応募するつもりだったんですが、規定枚数を超えてしまったので小説すばるに応募しようと思います。なぜか新しいペンネームで。生まれ変わるつもりで、気合いれようかと思って。

この2、3日、集中したいと思います。とか言って明日は子供をプラネタリウムに連れて行かねばならん。ああ、自由時間が欲しいよう。



とにかく頑張りましょ。ご報告まで。

ではでは、またっ!

あらやだ読んじゃった。

 

こんばんは、渋谷です。

 

 

 

今日は結構ちゃんと小説が書けた……。子供は3DSとスマホしてばっかでしたけどね。ほったらかして小説を書きまくっていた。まあ……時にはそんな日もあってもいいでしょう。

 

夜は夫が帰れま10見てたからその横でなんとなく本を読んだ。島本理生さんの「夏の裁断」。前々回、直木賞を獲られた方ですね。この「夏の裁断」も芥川賞候補になったということで。あまり長い本ではなかったので一気に読了。感想は……うーん、なんかめんどくせえ……かな。

 

 

 

主人公は女流作家の千紘ちゃん。実家はスナックを経営しており、そのお客さんに性的虐待を受けた過去から、男性に強く出られるときょどってしまう女性です。この千紘ちゃんが翻弄されるのが編集者の柴田。柴田は強引に女の子と距離をつめますが、なびいてくると猟奇的に冷たい顔を見せたりします。特に計算高くそれをやってるわけじゃなく、自然とそういう態度に出てしまう男って感じです。だからストーカーに追い回されたりする。自業自得ですね。天性のジゴロ、悪意のないジゴロって感じの男が柴田。このふたりの痴話げんかがお話の本筋です。

 

柴田と千紘ちゃんはがっぷりよつに共依存的な関係に陥ってしまいます。一度もセックスするわけじゃないんですが、お互いの精神的な凸凹が綺麗にハマっちゃったんだろうなあ。決して幸せな関係になれるわけじゃないのになぜか柴田に会いたくて会いたくて仕方ない千紘ちゃん。柴田も闇が深い男なのでわざと千紘ちゃんに恨まれるような態度をとり続ける。そしてあるパーティーで、千紘ちゃんたらフォークで柴田をぶっ刺してしまうのです。それがオープニングシーンで、そこに至るまでのあれこれが時間を巻き戻され書き連ねられていきます。

 

しかしね……はっきり言って見てられない共依存関係なんですね。千紘ちゃんも柴田もそりゃいろいろ辛いんでしょうけど、「んなことぐじぐじ言っててなんか状況変わる?何回同じ事繰り返すつもり?」って見てる方がイライラしちゃう。村上春樹さんのデビュー作を読んだ時にも思ったんですが、「どうにもならないことをグチグチ繰り返されるのって、不快だなあ」ってところなんですね。私、気が短いから。

 

千紘ちゃんは最終的に心理的なカウンセリングを受けて、目が覚めたのか柴田の支配的な言葉の一部始終をボイレコに収めて出版社に送りつけます。そうそう、それぐらいやらにゃ。てかそこに至るまでが長いわ。私にはその気持ちが理解できん。最後、やっとこの夏私は生まれ変わった、と千紘ちゃん自覚してラストシーン。まあ……良かったけど。 なんかやきもきしたわー。

 

 

 

この作品の中でテーマとして取り上げられているのが「自炊」。紙の本を電子書籍化する作業です。裁断機で本をざっくり切っちゃうんだそうです。それで、「夏の裁断」。

 

この描写は面白かった。大切な本が切り取られ電子書籍となって、元の本はゴミになる。作家である千紘ちゃんにはつらい作業。それがだんだん平気になっていくとともに柴田との関係も混迷を極めていく。引き込まれる構成でした。

 

文章もとても簡素ですっきりしていて読みやすかったです。改行が多くて話し言葉が多い。あと印象的だったのが時系列をはっきりさせない書き方。もわっと夢の中、みたいな印象を持たせることができるのね。おもしろーい。近いうちにパクりたいと思います。

 

 

 

というわけで、なんか登場人物に共感できなかった「夏の裁断」。島本理生さん、他の作品も読んでみたいと思います。評価の高い方ですから、1冊で合わないと決めつけちゃうのはもったいない。次は「ナラタージュ」かな。読むリストに追加しよっ。

 

そんなわけで小説書きます。ではまたー!

3月が終わっちゃいそーです。

 

こんばんは、渋谷です。

 

 

ああー、あと一週間で3月が終わってしまいます。弱った。まだ小説書き終わってない。中編で終わるなら全然間に合ったんだけどね。2月の上旬には書き始めてたんだから。まさかこんなに長い話になるとは……。

 

まあ今回は書き飛ばす、なんてこともなくすごい言葉を探すのに時間をかけてるんですね。スマホでも書いてない。いくつかウインドウ開けて前後の確認をしたいので(プロットも開けてその先の流れも確認をする)、スマホでは書きにくくて。そしたら子供を寝かしつけながら、とか書けないし習い事に連れてって待ち時間に、とかも書けない。子供に見せてはいけない文言も多数出てくるので、子供が後ろからのぞき込んでくるタイミングにも書けない。夜は夫に付き合ってドラマ見ちゃらないかんし。まああまりにも好みじゃないと本読んで過ごしますけどね。そんなわけで小説は進まんし本も読めなかった週末。3日でやっと1冊読破。大好き田中慎弥さんの「田中慎弥の掌劇場」です。

 

 

 

田中慎弥さんが新聞連載していた掌篇集です。掌篇。ショートショートより短い短編小説のことを指すんだそうです。1編が3ページの短いお話。37編の掌篇が収められています。多すぎるので題名は省略。ざっくり面白かったお話を上げていきたいと思います。

 

まずは「揚羽」。女が一人横たわり、その裸の肩甲骨にアゲハ蝶が一羽とまっています。女は死んでおり、その傍らにはあとを追おうネクタイを手にしている男。

 

心中しようとしているんですね。でも男はネクタイで首をくくる勇気がない。アゲハ蝶の動きに死に向かう自分の心が揺れる。その表現の美しいこと。

 

女の死肉をすすろうとしているかのようなアゲハ蝶の動きに、結局男はネクタイを手にし立ち上がります。首くくる気になったらしい。でもその先にあるのはカーテンレール。「……兄ちゃん!カーテンレールって部屋干ししてるだけでたわむんやで!多分首くくるんには向かんで!」

 

まあそこは私の個人的な感想なんですが。綺麗なお話です。カーテンレールはオチ……だったのかな。すごい丈夫なカーテンレールだったのかな。鴨居とかの方が丈夫なんだろうけどね。それじゃちょっと情緒的にアレか。

 

それから「うどんにしよう」。これは幸せな4人家族の休日の様子。嫁と娘はデパートにお買い物。息子は新しい服を着てデート。お父さんはひとりでお家でのんびり。野球なんか見ながら日曜の昼間をまったり過ごします。嫁さんが昼ごはんも作ってくれていますが、お昼ご飯は冷凍うどんにしようかなーと思います。それで、冷凍庫を開けて。

 

アイスとかタッパーのハンバーグとか5日前のカレーとかラップにくるまった人の手首とかをよけながらうどんを見つける。チンする。幸せな午後。……最初からもう、何が何だか。

 

「願望と遺書」。死にたくて死にたくてしょうがない男が、死ぬわけにいかないから2階建ての家から引っ越して平屋に住み始めます。ネクタイも処分するし包丁も捨てちゃいます。外に出たら電車に飛び込みたくなっちゃうし海に飛び込みたくなっちゃうし、早々に家に帰ってきて遺書を書くことにします。それは死ぬまで書き終わらない長い長い遺書。男は結局死ぬことを忘れてしまうことになります。本末転倒。

 

「空に見たもの」。セックスレスでぶくぶく太っていく妻は、性欲が皆無な夫に肉を食わせまくります。しかしそんな気にならない夫。プライドを傷つけられた妻は「もうこんな欲は捨てよう」と決意します。でもある日ふたりで買い物に出かけた日夫は空に何かを見つける。UFO?霊?「なんだったの?」と訊いても答えない夫。でもその日からセックス復活。やけに幸せそうな夫。結局空に何を見たのかは話さない。……なんやの。なんがおったんよ。

 

 

 

掌篇集。ナンセンスものだったりブラックユーモアだったり純文学だったり、いろんな側面から田中慎弥さんの世界が垣間見えました。自分で書いても楽しそうだなあ。面白いね。ぎゅっと縮小した小さな宇宙。でも腕がいるんでしょうな。私にはなかなか難しそうです。いつかこんなこともできるようになったらいいな。

 

というわけで楽しかったです田中慎弥さん。さあ、あとは1週間できるとこまで今書いている話に向き合いたいと思います。

 

全部書き終えてから、章を入れ替えたり根本的なところをいじったりしたいんだよねえ。間に合うかなあ。まあできるだけ、頑張る。

 

というわけで本を読むのはちょっと間が空くかも。それなりに頑張ろう。

 

では、またっ!

 

読んじゃったので書いちゃいます。

 

イチローみてます。渋谷です。

 

 

 

真藤順丈さんの「地図男」です。伝説の4作同時受賞の一角、ダヴィンチ文学賞受賞作。真藤順丈さんのデビュー作です。

 

ああ、8回表にイチローが打席に立つよ!ツーアウト!1球目はボールだ……。

 

いや、なんか違う話になっている。真藤さんですよ。2ストライクだ。ファウル。いかん、イチローから目が離せん。またもファウル。ああー、内野ゴロ。アウトでした。

 

あ、でも守備に出てくれるのね。いやー、やっぱりイチローはかっこいい。リアルタイムでイチローを見ながらの読書。真藤さんの「地図男」、イチローさながらのすごいエネルギーでした。

 

 

 

ホームレスの「地図男」はおっきな地図に物語を……、あ、イチローが呼び戻された。引退だあ……。でもいい笑顔。チームメイトと抱擁。これはどの本よりも感動的なシーンを見てしまったぞ。良かった良かった……て違う、「地図男」よ。おっきな地図に様々な物語を書きこんでいるんですね。その物語が起こった場所の地図上のページに。いわばゲームブックみたいな感じ。様々な物語が地図の余白に書き連ねられ、「p58へ」みたいな感じでつながっていきます。数多の物語が交錯する地図を持った男「地図男」と知り合ったのはフリーの映画助監督。……ちなみに今となりで夫がイチローに感動して泣いている。まあ、心洗われる経験があるのはいいことだ。

 

で、地図男が語る物語と、現実の中で地図男と助監督が交わっていく様子が入り乱れて描写されていきます。中盤まで、なかなか読みにくく慣れない構成です。でも中盤以降、地図男の特性と語られる物語の流れがわかってくると面白くなってくる。

 

地図男は自身の中で沸き起こってくる物語を地図帳に書き連ねている。「誰か」に聞かせようとしているのです。それは誰か。一連の物語に軸のようにして現れる一人の人物がいます。地図男はなぜ「地図男」となったのか。圧倒的なスピードで語られていく物語たちの中で、地図男の本質が明かされていく。これは疾走感にあふれたミステリーだったのだと読後に感じました。

 

 

 

不可思議な「事実」をまず提示して、その理由を語っていく中で疑問が生まれ、その謎ときをする。

 

読者を巻き込む構成なんだな、と思いました。見事に巻き込まれました。すごく勢いはあったけどすっきりとした読後感ではありません。ねじ伏せられた感じ。でもその力技が嫌いじゃないから巻き込まれちゃお、って感じ。多分あんまり好きじゃない人もいるだろうな、でも私は結構好きかもしれない。

 

こういう人とは一緒に飲むととても楽しそうです。真藤順丈さん、もっとたくさん読んでみたいと思います。直木賞受賞の「宝島」も。

 

あとイチローの記者会見見な寝れんわね。なのに延長に突入だ。夫の横では小説書けん。今夜も夜更かしになりそうです。

 

というわけで、またっ!

忙しくなって参りました。

こんにちは、渋谷です。



幼稚園は卒園式が終わり春休みです。小学校への入学準備も佳境、新人賞の締め切りは3月末、そして春先はなにかと主婦は忙しい。

けれども本は読みたいのです。書きたい、読みたい。そこで時間を削るべく、ここでの感想文をざっくり短くしちゃうことにしました。自分用の備忘録、程度になりそうです。

なんせ書いてる話が終わらん……。300枚越えて終わらん。推敲もしまくりたいのに。これは3月末は間に合わんかな。ちゃんと納得いく形にして応募したいので、違う賞を目指すことも検討中です。中途半端で送り出したくない。かと言って春休み中の子供をほったらかしとく訳にもいかんしね。

ですのでここではざっくりと。太宰の「桜桃」を読みました。短編集。収録作は

ヴィヨンの妻
秋風記
皮膚と心
桜桃

となっております。



昔から好きだった太宰。短編集が好きでした。特に印象に残っていたのが「皮膚と心」。小さなプライドを抱えた罪のない誠実な女のたった1日のドラマ。太宰らしく、繊細で美しい。

「ヴィヨンの妻」はダメなダンナの描写がたまらなくいいよね。弱みを見せて女の心に取り入る、ヒモ体質の飲んだくれイケメン詩人。あちこちに女を作るのに結局どの女ともうまくやっちゃう。いい。こういう男、そのうち上手に書けるようになりたい。

この本は「角川春樹事務所」の出版で、又吉先生のエッセイも収録されてました。このエッセイだけでも読み応えがあった。やっぱり私、又吉先生好きだわ。



さて足早にこのへんで。

忙しい……昔ギャンブルだのスマホゲームだのに使ってた時間を今の私にとっといてあげれば良かった。スマホゲーム、あれは時間泥棒ですよ。ギャンブルはその上金も持っていきますが、今小説のネタになってるのでまあいいです。でもスマホゲームはなんの役にも立ってない。

という訳で、本を読んだらまた備忘録程度ですが更新しますね!

桜の季節、楽しんで下さいねー。