ベル・エポック【第1回】:ヴァウヴェ(cl) ブロック指揮 リール国立管弦楽団 (2018) | ~Integration and Amplification~ クラシック音楽やその他のことなど

~Integration and Amplification~ クラシック音楽やその他のことなど

学生時代から断続的に聞いてきたクラシックCD。一言二言で印象を書き留めておきたい。その時の印象を大切に。
ということで始めました。
そして、好きな映画や読書なども時々付け加えて、新たな感動を求めていきたいと思います。

【CDについて】

①ドビュッシー:第一狂詩曲 (1910/1912) (7:41)
②トロヤーン:ラプソディ~クラリネットとオーケストラのための~ (2002) (18:03)
③ピエルネ:カンツォネッタ (1907)【タジンズ編】 (3:43)
④ブラームス:クラリネット・ソナタ第1番ヘ短調 op.120【ベリオ編】 (22:39)
⑤ヴィドール:序奏とロンド op72 (1989)【タジンズ編】 (7:37)

演奏:ヴァウヴェ(cl) ブロック指揮 リール国立管弦楽団
録音:2018年12月 リール ヌーヴォー・シエクル

CD:PTC 5187 237(レーベル:PENTATONE、輸入販売:キングインターナショナル)

 

世の中は、パリ・オリンピックが絶賛開催中ということで、日本人選手の活躍の知らせも次々と届いており、楽しい限りなのですが、これを機会にということで、「ベル・エポック」というCDが発売されていたので、聴いてみようと思います。このCDは2019年にSACDで発売され、最近になって通常CDで再発売され、国内流通仕様となっているものです。

 

べル・エポック(美しい時代)とは、概ね19世紀末から第一次大戦開戦までの間のパリが反映した華やかな時代を回顧して表現されるもの。1900年のパリ万博も一つの大きな契機となっているようです。音楽においても、フォーレやサン=サーンスが活躍し、その後の新しい音楽として、ドビュッシーやラヴェルが続いている時代。そして、バレエ・リュスの旗揚げもこの時で、そこから数々の二十世紀の名曲が生まれてきました。

 

そんな題名のつけたCDを製作したのは、アンネリエン・ファン・ヴァウヴェで、ベルギー出身の新進クラリネット奏者。数々の受賞歴があり、マイヤーやカルボナーレなどに師事。ベルギーを出発に、ドイツ、イタリア、フランスなど名門音楽院で研鑽を続けられてきました。このCDがベル・エポックと言いつつ、フランス音楽ばかりだけではないのも、そういった経歴からも来ているようで、ベル・エポックは、より自由に各地の交流が始まった時代ということ。作曲者及び編曲者に、ベルギー・ドイツ・イタリアの音楽家の作品が入っていて、ヴァウヴェ自身が研鑽を積んだエリアと重なっています。

 

【曲と演奏について】

ドビュッシー:第一狂詩曲 (1910/1912)

ドビュッシーは、1909年にパリ音楽院の高等参事会に加わり、卒業試験の審査をすることとなりました。その試験課題として作曲された作品が、この第一狂詩曲です。(第二はありません)その後1911年の夏に、ピアノ伴奏が管弦楽化されます。このCDで聴かれるのは、管弦楽伴奏になります。

管弦楽伴奏が、ドビュッシーの「海」や「牧神の午後への前奏曲」などを思わせる印象派的な伴奏で、とても美しい曲でした。試験課題ですので、技巧的な要素がかなり入っていると思います。早いパッセージはもちろんですが、長い音の美しい表情を表現していくところなど、聴いていてとても楽しめました。ファン・ヴァウヴェの演奏は澄んだ音でとても美しいと思います。

 

フランス国立管弦楽団の首席奏者である、カルロス・フェレイラとフランス国立管弦楽団による演奏です。

 

ファン・ヴァウヴェのクラリネットによる演奏で、こちらは室内楽編成で演奏されています。

 

併せて聴きたいということで、元のピアノ伴奏版です。こちらもファン・ヴァウヴェのクラリネットによる演奏です。

 

とりあえず、1曲聴いておなか一杯という感じでした(笑)。じっくり聴いたので、また次の曲を聴くのが楽しみです。ということで、次回に続きます。

最近このパターンが低ちぇくしつつあります…😅。

 

~その② ↓ につづく~

 

購入:2024/07/28、鑑賞:2024/07/30

 

 

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