東京都美術館で「奇想の系譜展 江戸絵画のミラクルワールド」を観てきました。観に行ったのは、3月9日のことでした。会期末は4月7日、昨日まででした。
観る前にちょっと知恵をつけておこうと、辻惟雄の新刊を読んでみました。
第一章 十八世紀京都画壇総論
第二章 日本文人画の成立―中国から日本へ
第三章 池大雅―南画の大成
第四章 与謝蕪村―翔(か)けめぐるマルティ芸術家の創意(おもい)
第五章 応挙と円山派―巨匠の「写生」と「異常」
第六章 伊藤若冲―不思議世界のリアリティ
第七章 長沢芦雪―画家のウイット
第八章 曾我蕭白―狂躁と逸格
辻惟雄の「十八世紀京都画壇 蕭白、若冲、応挙たちの世界」を読んだ!
「奇想の系譜」
2004年9月10日第1刷発行
著者:辻惟雄
発行所:ちくま学芸文庫
文庫本解説:
意表を突く構図、強烈な色、グロテスクなフォルム―近世絵画史において長く傍系とされてきた岩佐又兵衛、狩野山雪、伊藤若冲、曾我蕭白、長沢芦雪、歌川国芳ら表現主義的傾向の画家たち。本書は、奇矯(エキセントリック)で幻想的(ファンタスティック)なイメージの表出を特徴とする彼らを「奇想」という言葉で定義して、「異端」ではなく「主流」の中での前衛と再評価する。刊行時、、絵画史を書き換える画期的著作としてセンセーションを巻き起こし、若冲らの大規模な再評価の火付け役ともなった名著、待望の文庫化。大胆で斬新、度肝を抜かれる奇想画家の世界へようこそ! 図版多数。解説 服部幸雄
「奇想の系譜」(初版は1970年(昭和45)3月)の目次を見てみると、以下のようです。
憂世と浮世―岩佐又兵衛
桃山の巨木の痙攣―狩野山雪
幻想の博物誌―伊藤若冲
狂気の里の仙人たち―曾我蕭白
鳥獣悪戯―奈川さ蘆雪
幕末怪猫変化―歌川国芳
「奇想の系譜展 江戸絵画のミラクルワールド」
本展は、1970年に刊行された美術史家・辻惟雄による『奇想の系譜』に基づく、江戸時代の「奇想の絵画」の決定版です。岩佐又兵衛、狩野山雪、伊藤若冲、曽我蕭白、長沢芦雪、歌川国芳に、白隠慧鶴、鈴木其一を加えた8人の代表作を一堂に会し、重要文化財を多数含む展示となっています。豊かな想像力、奇想天外な発想にみちた江戸絵画の魅力を紹介。現代の目を通した新しい「奇想の系譜」を発信します。
展覧会の構成は、以下の通りです。
幻想の博物誌 伊藤若冲
醒めたグロテスク 曽我蕭白
京のエンターテイナー 長沢芦雪
執念のドラマ 岩佐又兵衛
狩野派きっての知性派 狩野山雪
奇想の起爆剤 白隠慧鶴
江戸琳派の鬼才 鈴木基一
幕末浮世絵七変化 歌川国芳
以下、今回取り上げられた8人の画家たちの作品の一部
幻想の博物誌 伊藤若冲
醒めたグロテスク 曽我蕭白
京のエンターテイナー 長沢芦雪
執念のドラマ 岩佐又兵衛
狩野派きっての知性派 狩野山雪
奇想の起爆剤 白隠慧鶴
江戸琳派の鬼才 鈴木基一
幕末浮世絵七変化 歌川国芳
「奇想の系譜展 江戸絵画のミラクルワールド」
みどころ
美術史家・辻惟雄氏(1932-)が、今から約半世紀前の1970年に著した『奇想の系譜』。本展はその著作に基づいた、江戸時代の「奇想の絵画」展の決定版です。『奇想の系譜』で採り上げられたのは、それまで書籍や展覧会でまとまって紹介されたことがなかった、因襲の殻を打ち破った、非日常的な世界に誘われるような絵画の数々でした。
本展では、同書で紹介された、岩佐又兵衛、狩野山雪、伊藤若冲、曽我蕭白、長沢芦雪、歌川国芳に、白隠慧鶴、鈴木其一を加えた8人の作品を厳選したラインナップになっています。
近年の「若冲ブーム」、「江戸絵画ブーム」、ひいては「日本美術ブーム」の実相をご存知の方も、またこの展覧会ではじめて魅力的な作品に出会うことになる方にも、満足いただける内容を目指しました。奇想天外な発想にみちた作品の数々を紹介し、現代の目を通した新たな「奇想の系譜」を発信する本展において、江戸絵画の斬新な魅力をご堪能ください。
「東京都美術館」ホームページ
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