三浦しをん原作、大森立嗣監督の「光」を観た! | とんとん・にっき

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三浦しをん原作、大森立嗣監督の「光」を、新宿・武蔵野館で観てきました。


以下、三浦しをんの「光」を読んだときに書いたものを下に載せておきます。もともと「光」が映画化されるというので読んだ本だったので…。


最近、大森立嗣クンどうしてるかなと、ネットで検索したら、なんとしっかり映画を作っているじゃないですか。そりゃそうだよな、映画監督なんだから…。でも坊主になっていましたよ。なんでだ?1970年生まれの46歳。けっこういいオジサンです。大森南朋は弟ですが、こちらの方が一般的には知られています。と、ここで大森立嗣に深入りするわけではありません。ただ、次回作が、井浦新や瑛太が主演の「光」、今年の秋に公開予定、とだけ言っておきましょう。


大森立嗣監督の「光」、原作が三浦しをんの「光」だというので、大慌てで文庫本を読んでみました。三浦しをんの著作は、僕が読んだのは直木賞を受賞した「まほろ駅前多田便利軒」、ただの一冊だけです。「光」は「小説すばる」に連載され、単行本としては2008年11月に集英社より刊行されました。僕が読んだのは集英社文庫です。2013年10月25日に第1刷、なんと2017年6月6日には第7刷です。かなりなベストセラーです。ほとんど知りませんでした。

三浦しをんの「光」を読んだ!


以下、「さよなら渓谷」の記事を書いたときのものです。


僕の家の近所、東急世田谷線が環状7号線と交わるところ、若林に「赤目製作所」という看板のかかった民家がありました。この家が荒戸源次郎監督の「赤目四十八瀧心中未遂」の制作事務所でした。大森立嗣は「赤目・・・」で助監督をやっていたと僕は思い込んでいたのですが、ウィキペディアによると「赤目・・・」の「制作・公開に携わる」とだけありました。大森立嗣監督のデビュー作、花村萬月原作の「ゲルマニウムの夜」の、製作・総指揮は荒戸源次郎でした。


大森立嗣にとって、荒戸源次郎は師となる人で、そのすべてを受け継いでいるように思われます。大森立嗣の父親は舞踏家の麿赤兒、弟は大森南朋です。大西信満は「赤目・・・」の時は、大西滝次郎の名で寺島しのぶとともに主役を演じていました。大森南朋は赤坂真理原作の「ヴェイブレータ」で、寺島しのぶと主役を演じていました。新井浩文は「ゲルマニウムの夜」では、主役の「朧」を演じていました。つまり彼らはすべて「荒戸学校」あるいは「赤目学校」の出身でもあります。


映画監督大森立嗣も、デビュー作の 「ゲルマニウムの夜」(2005年)以来、「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」(2010年)、「まほろ駅前多田便利軒」(2011年)とヒットが続き、今回「さよなら渓谷」(2013年)が公開されました。2008年7月にこのブログに書いた、吉田修一の「さよなら渓谷」を読む! が、ここ1ヶ月ほどの間、毎日とんでもないアクセス数を数えています。映画「さよなら渓谷」の大ヒットの前触れかもしれません。
大森立嗣監督の「さよなら渓谷」を観た!


いや~っ、成長しましたね、大森立嗣クン。映画に素人の僕が言うのもなんですが、なにしろ監督デビュー作品が、花村満月原作の「ゲルマニウムの夜」でしたから、最初から超難しいテーマの作品から入ったので、その先どうなるかと心配でした。でも、「まほろ」のようなコメディ調で、売れ筋ばかりでも監督としては困るんですよね。「光」も原作が三浦しをん、まかり間違えると、いや、そんな心配は無用でした。


瑛太が演じた輔(たすく)は、人間らしい弱さをもったキャラクター、一方、井浦新が演じた伸之は、人間味がない殺人鬼としての怖さがありました。井浦新も大きく成長しました。二人の絡み合いが絶妙でした。井浦新の妻を演じた橋本マナミと、幼なじみの元恋人を演じた長谷川京子、女性陣もかなり難しいキャラクターでしたが、よく役に合っていました。ジェフ・ミルズの強烈な音楽、最初から最後まで、これは大成功でしたね。大森立嗣クンも、ちょい役で出演していたようでしたが、見逃しました。


大森監督は、「井浦新の冷たい熱情、瑛太の優しい怪物性、長谷川京子の狂気と美、橋本マナミの色気と母性が映画に充満しています。スゴい映画になると確信しています。観客が観ることを想像するとワクワク感を押さえきれません」と自信を見せた、という。


以下、とりあえず「シネマトゥデイ」より引用しておきます。


見どころ:「舟を編む」などで知られる直木賞作家・三浦しをんの小説を、『ぼっちゃん』などの大森立嗣監督が映画化したサスペンス。大災害で生き残った3人の男女が25年後に再会し、逃れることのできない運命に翻弄(ほんろう)されるさまを描く。主人公とその妻を井浦新と橋本マナミ、幼なじみを瑛太、元恋人を長谷川京子が演じ、過去の秘密によってそれぞれの狂気が呼び起こされる様子を体現する。


あらすじ:東京の離島・美浜島で暮らす中学生の信之はある夜、男に襲われた恋人の美花を救うため、殺人を犯してしまう。そして島を大災害が襲い信之、美花、幼なじみの輔と数人の大人だけが生き残る。25年後、島を出て妻子と生活している信之(井浦新)と、過去を捨て芸能界で成功を収めた美花(長谷川京子)の前に輔(瑛太)が現われ……。


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「光」公式サイト


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