原作遠藤周作×監督マーティン・スコセッシ「沈黙―サイレンス―」を観た! | とんとん・にっき

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アメリカを代表する巨匠マーティン・スコセッシ監督が、遠藤周作の原作にほれ込み、28年がかりで映画化した「沈黙―サイレンス―」を、TOHOシネマズ渋谷で観てきました。2時間42分に仕上がった大作は、原作におおむね忠実に進んでいきます。


原作は1966年に発表された遠藤周作による小説です。その魅力について監督は「自分の信仰についてもっと深く探求しなければならないと教えてくれた作品。教義的なアプローチでなく、信じること、疑うこと、葛藤や懐疑の念を包括的に描いている」と語っています。


ローマ教会に一つの報告がもたらされた。ポルトガルのイエズス会が日本に派遣していたフェレィラ・クリストヴァン教父が長崎で「穴吊り」の拷問をうけ、棄教を誓ったというのである。この教父は日本にいること33年、管区長という最高の重職にあり、司祭と信徒を統率してきた長老でした。フェレイラの棄教という教会の不名誉を雪辱するために、どんなことがあっても迫害下の日本にたどりつき、潜伏布教を行う必要があり、ポルトガルではフェレイラ師の学生だった若い司祭が日本潜伏を企てていました。


ロドリゴとガルペは、恩師だったフェレイラが異教徒の前に屈従したとは信じられなかった。二人は日本にどうしてもたどりつき、その存在と運命とを確かめたかった。ロドリゴたちが日本へ行く途中の船の中でキチジローと知り合います。キチジローの手引きで、キリシタン弾圧化の長崎に潜入します。ロドリゴたちはすぐに役人に捕まりますが、キチジローは簡単に踏み絵を踏んでどこかへ行方をくらまします。壮絶な拷問を受ける隠れキリシタンたちを前に、ロドリゴは棄教を迫られ苦悩します。その後、キチジローはなにかにつけて、ロドリゴにつきまといます。


キリシタンを弾圧する長崎奉行をイッセー尾形、宣教師を追い詰める通訳を浅野忠信、隠れキリシタンを塚本晋也、笈田ヨシ、小松菜奈ら、日本の俳優も好演しました。なかでも窪塚洋介演じるキチジローは、監督が「我々を代表しているキャラクター」というほど、物語において重要な存在であり、人間の弱さとは何かを考えさせます。「キチジローが『弱き者に生きる場はあるのか』という場面があるが、弱きをはじかずに抱擁する、否定するのではなく受け入れる、ということを描いたのでそれが伝わるといい」と監督はいう。


背景には、分断を深め、排他的な空気が漂う米国や世界の現状への危機感がある。「精神のよりどころ、信条はひとそれぞれあると思うが、それに対する互いの理解と尊重が必要だ。異文化を理解するというのは相当な努力を要するもの。それでも、自分とは違うものを認めることによって恐怖は緩和できるし、暴力も減っていくのではないか。ちゃんと知って認め合うことが大事なんだと思う」と、記者の質問に答えています。


以下、とりあえず「シネマトゥデイ」より引用しておきます。


チェック:遠藤周作の小説「沈黙」を、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』などの巨匠マーティン・スコセッシが映画化した歴史ドラマ。17世紀、キリシタン弾圧の嵐が吹き荒れる江戸時代初期の日本を舞台に、来日した宣教師の衝撃の体験を描き出す。『アメイジング・スパイダーマン』シリーズなどのアンドリュー・ガーフィールドをはじめ窪塚洋介や浅野忠信ら日米のキャストが共演。信仰を禁じられ、苦悩する人々の姿に胸が痛む。


ストーリー:江戸幕府によるキリシタン弾圧が激しさを増していた17世紀。長崎で宣教師のフェレイラ(リーアム・ニーソン)が捕まって棄教したとの知らせを受けた彼の弟子ロドリゴ(アンドリュー・ガーフィールド)とガルペ(アダム・ドライヴァー)は、キチジロー(窪塚洋介)の協力で日本に潜入する。その後彼らは、隠れキリシタンと呼ばれる人々と出会い……。


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「沈黙―サイレンス―」公式サイト

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