ジェームズ・アイヴォリー監督の「日の名残り」を(再び)観た! | とんとん・にっき

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ジェームズ・アイヴォリー監督の「日の名残り」を、テレビで放映されたものを録画してあり、再び観ました。この映画は、ほとんどはテレビ放映でですが、もう何度となく観ています。大人の恋、というか、全編これすれ違いです。なかなか思うようにはいかないのが大人の恋です。


原作は「カズオ・イシグロ」です。小説を読んだときは、抑えた筆致で淡々と描いているので、そうとうな年配の人だと思ったのですが、さにあらず、イシグロが35歳の時に書いた作品でした。「日の名残り」についてブログに、書いたのは2008年08月30日でした。カズオ・イシグロの作品については、僕はほとんどの作品を読んでいると思います。


カズオ・イシグロ:

1954年長崎県生まれ。5歳のとき海洋学者である父が英国政府に招かれたため家族で渡欧し、以後英国に住む。15歳の頃よりロック・ミュージシャンをめざすが、ケント大学卒業後イースト・アングリア大学大学院の創作科に入学。これが本格的な創作への第一歩となり、在学中に三つの短篇をフェイバー・アンド・フェイバー社の新人作家アンソロジーに発表する。


1982年、長篇第一作「A Pale View of Hills」発表。英国文壇で注目を0浴び、9か国語に翻訳される。1986年に出版された「An Artist of the Floating World」(「浮世の画家」中央公論社、1988)でウィツトブレッド賞受賞。さらに1989年、「The Remains of the Day」(「日の名残り」)で英子kぅ最高の文学賞ブッカー賞を受賞。1983年には国籍を英国に移した。現代の英国を代表する作家の一人である。


以下、「KINENOTE」より


解説

英国の名門家に一生を捧げてきた老執事が自身の半生を回想し、職務に忠実なあまり断ち切ってしまった愛を確かめるさまを描いた人間ドラマ。原作は、英国在住の日本人作家カズオ・イシグロ(石黒一雄)がTVドラマ用の脚本を改稿した同名小説(中央公論社)。主演のアンソニー・ホプキンスとエマ・トンプソン、監督のジェームズ・アイヴォリー、脚本のルース・プローワー・ジャブヴァーラ、製作のイスマイル・マーチャント、撮影のトニー・ピアース・ロバーツ、音楽のリチャード・ロビンス、美術のルチアーナ・アリジ、編集のアンドリュー・マーカス、衣装のジェニー・ビーヴァンと、92年カンヌ国際映画祭受賞作「ハワーズ・エンド」のキャスト、スタッフが再結集。そのほかのスタッフは、共同製作に「ハリウッドにくちづけ」のコンビ、マイク・ニコルズとジョン・コーリー、エクゼクティヴ・プロデューサーにポール・ブラッドリーら。共演は「パトリオット・ゲーム」のジェームズ・フォックス、「ある日どこかで」のクリストファー・リーヴ、「赤い航路」のヒュー・グラントほか。


あらすじ
1958年。オックスフォードのダーリントン・ホールは、前の持ち主のダーリントン卿(ジェームズ・フォックス)が亡くなり、アメリカ人の富豪ルイス(クリストファー・リーヴ)の手に渡っていた。かつては政府要人や外交使節で賑わった屋敷は使用人もほとんど去り、老執事スティーヴン(アンソニー・ホプキンス)の手に余った。そんな折、以前屋敷で働いていたミス・ケントン(エマ・トンプソン)から手紙をもらったスティーヴンは彼女の元を訪ねることにする。離婚をほのめかす手紙に、有能なスタッフを迎えることができるかもと期待し、それ以上にある思いを募らせる彼は、過去を回想する 。


38年、スティーヴンスは勝気で率直なミス・ケントンをホールの女中頭として、彼の父親でベテランのウィリアム(ピーター・ヴォーン)を執事として雇う。スティーヴンはケントンに、父には学ぶべき点が多いと言うが老齢のウィリアムはミスを重ねる。ダーリントン卿は、第二次大戦後のドイツ復興の援助に力を注ぎ、非公式の国際会議をホールで行う準備をしていた。会議で卿がドイツ支持のスピーチを続けている中、病に倒れたウィリアムは死ぬ。36年、卿は急速に反ユダヤ主義に傾き、ユダヤ人の女中たちを解雇する。当惑しながらも主人への忠誠心から従うスティーヴンに対して、ケントンは卿に激しく抗議した。


2年後、ユダヤ人を解雇したことを後悔した卿は、彼女たちを捜すようスティーヴンに頼み、彼は喜び勇んでこのことをケントンに告げる。彼女は彼が心を傷めていたことを初めて知り、彼に親しみを感じる。ケントンはスティーヴンスへの思いを密かに募らせるが、彼は気づく素振りさえ見せず、あくまで執事として接していた。そんな折、屋敷で働くベン(ティム・ピゴット・スミス)からプロポーズされた彼女は心を乱す。最後の期待をかけ、スティーヴンに結婚の決めたことを明かすが、彼は儀礼的に祝福を述べるだけだった 。


20年ぶりに再会した2人。孫が生まれるため仕事は手伝えないと言うケントンの手を固く握りしめたスティーヴンは、彼女を見送ると、再びホールの仕事に戻った。


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「日の名残り」ウィキペディア


「カズオ・イシグロ」ウィキペディア


nokori 「日の名残り」

1990年7月7日初版発行

1990年8月1日再販発行

著者:カズオ・イシグロ

訳者:土屋政雄

発行所:中央公論社






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