「さとりをひらいた犬/ほんとうの自分に出会う物語」無料公開です。

(本篇)

第1章「旅の始まり」

第2章「三つの存在」

第3章「恐れ」

第4章「エゴ」

第5章レグードゥの森

第6章女神シャーレーン

第7章最後のたたかい

 

本で読みたい方は。

 

もう読んだ方も、そうでない方も、お楽しみいただければ嬉しいです。

 

最初からお読みになりたい方は、こちらからお読みくださいね。

 

 

前回は…

 

 

(63)大いなる存在

 

シーザーは、ゆっくりとこちらに向かって歩いてきた。

 

足取りは少々よろめいていたが、その眼光は相変わらず鋭く光っている。

 

 

シーザーの部下たちは、僕たちに向かってひとり歩いて行くシーザーを静かに見つめていた。

 

シーザーは僕たちみんなの前で止まり、チラッと僕を見てから、シャーレーンにゆっくりと口を開いた。

 

 

「まずは礼を言わせてもらおう。部下たちの命を救ってくれて感謝する。私の命も。ありがとう」

 

 

(いいえ、わたしはわたしが出来ることをしたまでですから。私こそ、守ってくれて感謝します)

 

 

シャーレーンがシーザーたち全員の心に返事をした。

 

シーザーは怪訝そうな表情をして言った。

 

 

「しかし、なぜ、こんなことをするのだ。私にはどうしても理解できない。

 

私たちを治したら、また私たちに狙われるとは思わなかったのか?」

 

 

(ええ、そういうこともあるとは、思いました)

 

 

「では、なぜだ? なぜ、こんなことをするのだ?」

 

(それが、私だからです。“私”という存在だからです)

 

 

「“私”という存在?」

 

 

 

 そうです。それが私であり、私の魂の声なのです)

 

 

 「魂の声…」

 

僕も思わずつぶやいた。

 

 

 

「敵を癒すことが、魂の声なのか?」

 

(この世界には“敵”も“味方”もありません)

 

 

 

「何を言っている? この世は弱肉強食だ。

 

強いもの、優れたものが勝ち残り、弱いもの、劣ったものが消えていく。

 

生き残るためには勝つしかない。

 

敵を倒すしかない、消すしかない。

 

自分に危害を加えようとする存在は全て“敵”ではないか!」

 

 

 

(シーザー、この世界には敵も味方もなく、優れたものも劣ったものもありません)

 

 

「ばかな! 何を言っている? では、私たちを治療して、その結果、私たちに殺されたらどうするのだ?」

 

 

(そのときは、そのときです。そういうことだった、という、ただそれだけのことです)

 

 

「そんなこと、絶対に間違っている!」

 

シャーレーンは、一つ大きく息を吸ってから言葉を続けた。

 

(私たちが見、体験している世界は、大いなる全体の一部にしかすぎません。

 

そして私たちもその大いなる全体の一部なのです。

 

わたしたちは自分で考えている、感じているよりも、もっと大きな存在なのです)

 

「…?」

 

(私たちは大いなるひとつの存在を表現する、別々の「個性」にすぎないのです)

 

「大いなる存在の、別々の個性?」

 

(はるか昔、私たちは大いなる存在、ただひとつでした)

 

「ただ、ひとつ?」

 

(はい、そうです。わたしたちは、ひとつの存在から生まれたのです)

 

「…?」

 

(永遠の時間が流れる中で、あるとき、そのたったひとつの大いなる存在は、自分という存在を、自分を知りたいと思いました)

 

 

「自分を知りたい…と」

 

(そうですシーザー。あなたも自分を知りたくて、自分という存在を理解したくて頑張って生きてきたのでしょう?」

 

 

「…そ、そうかもしれない。私が私として、どこまで行けるのか、私とはいったい何なのか、それを知りたかったというのも事実だ」

 

 

 

(シーザー、あなたは、自分の顔を見ることが出来ますか?)

 

 

「顔…そうだな、水や氷、あるいは人間たちが持っている光る板に映った姿でなら、見ることはできるが…」

 

 

(そうです。私たちは自分を知るためには、外側からの眼で見ることも必要なのです)

 

「外側からの眼?」

 

(はい。自分の顔を外から見るために、大いなる存在は自分を分離しました。

 

つまり、見る者と見られる者に分かれたのです。

 

大いなる存在は自らを分離することによって、自分を外側から見ることが出来るようになり、自分をより詳しく知ることが出来るようになりました。

 

こうして大いなる存在の、分離の物語が始まったのです)

 

 

「分離…」

 

 

(大いなる存在は、ありとあらゆるものに分離し、ありとあらゆるものになりました。

 

そしてそのもの自身となり、それを体験すると同時に、それを外側から観察するという、より詳しく自分を知る作業に夢中になりました。

 

石とはどういう存在か、空気とは、植物とは、虫とは、動物とは、土とは、雲とは、太陽とは、星とは…。

 

すべてが大いなる存在が、自分を知るために分離して生まれた、大いなる存在の一部なのです」

 

 

「…」

 

(そして、大いなる存在は、あるとき、あなたになりました)

 

 

「私に…?」

 

 

(そして、わたしにもなりました)

 

 

「…」

 

 

(そうです、シーザー、私もあなたも大いなる存在の一部なのです)

 

(64)へつづく

 

 

【お知らせ】

●12月17日にお話会をさせていただきます。

内容は「般若心経から観る世界」

 

本当の僕たちとは一体誰なのか。

本当の僕たちとは一体何なのか。

 

この根源的な自分への問いかけを

内側に詰めていくと般若心経の世界に行き着きます。

 

世界のすべては外側ではなく、

自分の内側で起こっているのです。

 

これを禅の世界では

「水月(水に映った月)」と呼びます。

 

水月を捻得(ねんとく)する。

 

これがこの3次元世界を軽やかに駆け抜けて行く、ひとつのコツではないでしょうか。

 

僕は仏教学者でも僧侶でもありませんが、僕なりの体験から得たことをお話ししていきたいと思います。

 

●レッツ、ストローク!!

僕らがこの3次元世界で生きていく上で切り離せない大きな問題、それは「人間関係」です。

 

人間関係からは様々なものを学ぶことができますが、できれば周りの人たちといい関係を作って、気持ちいいやり取りをしていきたいものです。

 

僕たちは子供の頃、無意識のうちに他人との関わり方を学び、インストールしていきます。

 

それが自分にとって役に立つもの、心地のいいものであろうと、その逆であろうと、無意識に学んだことをそのまま「正しい」と信じてやり続けてしまうのです。

 

そして、自分が蒔いた種とは気づかずに、 様々なものを人生の結果として収穫し、

 

「何でこんなことになったんだろう」

 

「どうしてあの人とうまくいかないんだろう」

 

「なんでいつも喧嘩になっちゃうんだろう」などと、

 

悩み苦しむのです。

 

心地の良い人間関係を作るには「法則」があります。

 

それは心理学から学べます。心理学とはそれを学ぶためのツールであり、道具なんです。

 

その心理学の中でも、分かりやすい、そして使いやすい道具として「交流分析(TA)」があります。

 

TAとは臨床心理学のトランザクショナル・アナリシスのことで、 アルファベットで略してTAと呼ばれています。

 

12月16日(土)にこのTAのセミナーが開催されます。

 

主催をするのは、僕も理事として参加させていただいているストロークフルライフ協会です。

 

当日は理論だけでなく、体験ワークもプログラムに入っています。

 

もしご興味があり、お時間があれば、是非この素晴らしいTA理論に触れていただくことをお勧めいたします。

 

ではでは!

 

ネットでのご案内ページはこちら

https://peatix.com/event/3712186...

 

●9月末に「ほんものさがし」という YouTube 番組に出演させていただきました。

全部で3回収録をしていただきまして、その第3回目が公開されました。

 

(第1回)

(第2回)

 

●「さとりをひらいた犬」が Audible になりました。

ジョンやゾバック、クーヨやシャーレーンなどのキャラクターたちが、音声になって飛び出してくるということを想像するだけで、言葉にできない思いが湧き上がってきます。

 

https://www.amazon.co.jp/dp/B0C14MS2HY?fbclid=IwAR3tEScdMPLC8bdwxuL06a3lIxd4HT_gJ_Au7M9kXeFKn2s9Jm6c6N3k-8A

 

●こちらも素晴らしいです。

ご覧になっていない方は、ぜひ一度ご覧ください。

【動画・英語版/翻訳動画(各回約10分)】

(最新動画)

 

 

(予告編/1分半)

 

(エピソード1)

 

(エピソード2)

 

(エピソード3)

 

エピソード4

 

●オンラインサロン

ガンの方を中心に、みんなで支え合いながら前に進んでいます。

ガン等や人生についてお悩みの方、僕たち仲間と一緒に支え合って前に歩いていきましょう。やはり仲間は『力』です(^-^)

入会・退会自由です(1か月のしばりはありますが)

https://www.leela-salon.fants.jp/

 

●オススメのお水やお茶など

よくご質問いただくので、以前書いた記事をリンクしておきます。

おすすめのお茶や飲み物など

サプリなど

オススメの本①(読むと元気になる)

おススメの本②(劇的寛解事例)

おススメ本③(生還者たちの体験記)

おススメ本④(食事関連)

 

 

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